福島の子どもたちの今〜教育現場から


鈴木浩行

フクシマアクションプロジェクト第3回総会より

suzuki0皆さん、今日は。私は郡山から来ました、教員です。鈴木と言います。

2011年の原発事故当時ですが、私は現場を離れていまして、教職員組合の専従ということで、郡山の教育会館にいました。その当時ですが、もの凄い揺れで、コピー機があちこち走り回ったり、向いの屋根から瓦が飛んできたり、道路から水が吹き出てきたりという中で、一緒にいた中地さんが、「原発!」って言ったんですね。そして312日に爆発ということになりました。

私は組合の書記長という立場でありましたので、学校現場に何としても情報を伝えなくちゃならない、ということで学校の方に、情報を伝えるということをやっていきます。

これはFAXの通信なんですが、郡山市内に小学校がおよそ60校、中学校が30校、およそ90ぐらい学校があるわけですけれども、学校にFAXで兎に角、情報を流していこうということを始めました。当時、電話も不通だったんですが、唯一、FAXが何故か遅れた、という状況で(場内爆笑)、FAXを流し続けます。左側にあるのが61号ですが、多分、56号くらいから始まったんだと思います。最初に流したのは315日でした。

suzuki261号は水道水に関する情報で、当然やはり豊田の浄水場(注)から150ベクレル出たっていうことで、広報車がずっと走って回っていたんだけれど、おそらく寒い季節でしたので、窓も閉め切っているし、ほとんどの人が分からない状態だった中で、学校にこういう情報を流しました。

(注)豊田の浄水場: 猪苗代湖から引いてきた水を郡山市に給水するための施設だったが、昨年、閉鎖された

それから、330日の号です。当時は放射線を測定するガイガーカウンタみたいなものもほとんど無くて、運良く手に入ったもので郡山の地域を測ることにしました。図の左側が猪苗代に近い方、右が小野を通って浜通りに向う方角です。真ん中あたり、東北自動車道や東北本線の通っているあたり、その周辺がもの凄く高いということが分かりました。

suzuki3次は4月の27日です。郡山市教委から保護者への通達が出されて、3,7μSvという基準が出されて、「これはおかしいだろう!」ということで郡山市教委に出向きまして、基準の見直しと、慎重な態度を取るようにという申し入れを行ないました。拡大解釈をせず、共通理解を求めての要求でした。

それから次は暫く飛んで、6月になりますけれど、「風評被害」という言葉は慎重に扱うべきだというのを学校現場に流しました。今でもその「風評被害」という言葉によって我々は分断されている面がありますので、当時、この言葉は非常に危険であろうということで、教員の方に流しております。下の方には、年度1mSvの計算はこういうふうになってますよ、というふうな放射能の情報であるとか、色んな知識であるとか、そういうものを学校現場に届けました。

suzuki4623日です。文科省で発表されたデータを学校に送りました。一番上の行に、数値が付いていますが、事務所の前のところで毎日測定して、その日の移り変りですとか、毎日、せっせと流し続けました。

145号は「突然アラームが!」という見出しで、線量計を買ったところ、そのスイッチを入れた途端に鳴り出したわけなんです。向こうの基準が0,3μSvだったんです。そういうことで、そういう衝撃的な中身を現場の方に流して、2学期の体育であるとか、生活科であるとか、その他の活動であるとか、学校行事であるとか、栽培活動であるとか、除草についてはいったいどうなんだ、ということで、慎重な内容を学校に求めるように、現場の方に流しました。

suzuki5夏休みを過ぎて、826日、奉仕作業とか、そういう時期が学校現場に押し寄せてきます。県の方で出された資料を、「こういうふうにするんだよ」っていうことで、現場の方に流しました。実際、放射線のことについて一般の方はほとんど知識がありませんでした。で、本当にマスクもせず、肌を露出して、そういうような活動をする動きがありましたので、現場には慎重に慎重を重ねて下さいというお願いをしたのです。

その3日後ですけれども、福島県の小中生園児17 651人が、転向した、というような数です。

suzuki695日、文科省がセシウム134137の濃度の合計を出します。ところが、濃いところがあるんだけれども、ある範囲から先は公表されなかったんです。その先はいったいどうなっているんだろう、ということですね。ぜんぜん分からない、という状態でした。

その後、郡山の事務所で、表面汚染土の測定のできる、ベクレルの測れるものを買いまして、これも5台くらい買いました。それで支部の周りの表面汚染について調べて、「こういうところが高いですよ」というような中身の内容を送りました。

で、学校現場の状況ということでありますけども、私の勤めているのは谷田川小学校(郡山市田村町谷田川)です。郡山市全体としてはだいたい、0,1μSvくらいで推移しているんですが、私の勤めている学校のあたりは、2011年の34月当時は、線量が高くて、だいたい0,40,5μSvくらいだったろうと思います。

実はその次の年からこの学校に赴任するわけですけれども、低い線量ということもありまして、保護者、それから子どもの意識というのは、町の中心部と比べると、低いというような状態でした。

suzuki7次は、現在私が勤めている学校の通学路の線量率です。Hot spot finderという機械を使って、730日頃ですね、20kmくらい歩きました。5時間くらいかけて、ズーッと歩いて、測定してきました。除染してません。その中で、高いところで0,2μSvくらい。0,3μSvというのも1個所あったんですが、田圃の中の、水が集まっているような泥のあたりですね。後は平均すると0,1前後ということです。

suzuki8一方、郡山の中心部です。郡山3Aさんというところが造られた資料を持ってきたのですが、開成山公園のところへ行きますと、今でも0,60,7μSvというような状況だということですね。

学校現場で今も問題になっていると思われるのが、やっぱり、最初からあった「線量率の差」っていうのは非常に多きくて、それは国の中もそうだし、県の中もそうだし、市町村でもそうだし、地域の中でもそうです。

それから「不安」「知識・情報の差」….こうしたもので、我々が分断されてはいないか、って思っています。意識の違いがいっそう拡大していて、不安から防御するために、まあ、原発事故の当初は、非常な高ストレス状態でしたよね、我々。そうしますと、そういう高ストレス状態がずっと続くと限界に達して、「だいじょうぶ」だっていうようなことを選択する方もたくさんいたのではないかなと思います。

今、ダンダンダンダン、原発事故のことが、現実のことが忘れられて、過去の出来事のことになりつつあったり、それから「不安」と言えないというような気持。言うとどうなるか分からない、そういう状況も実は生まれていて、この分断はよりいっそう進んでいないかなっていうふうに思います。

それから、学校現場で言いますと、学校行事の平常化です。野外活動もそうですし、運動会、栽培活動、そういうものが、普通に行なわれる。行なおうという動きがドンドン進んでいるところです。

原発事故の記憶のない子どもたちが入学してきました。小さな頃ですので、ほとんど記憶のない子どもですね。これからは原発事故の後に生まれた子どもたちが学校現場にドンドン入学してくるようにもなります。

それから、食の平常化です。ほとんど測定されることのない畑の野菜。私のところは本当に田舎ですので、じいちゃんばあちゃんが、畑で作ったものを食べていたり、前と同じように渋柿を剥いて、干し柿にしたりとか、そういうような状況も生まれつつあります。測定する場所はたくさんあっても、そこを活用して測定するようなことは、恐らくほとんどない、あるいはごく少ないというような状況であります。

これから私たちは色々注意して見守っていかなければならないんですが、まず、学校現場に落ちてきたものは、まず、震災前は「わくわく原子力ランド」っていうのを文科省が配ってましたね。「絶対事故にならない」っていうのをドンドンドンドン宣伝してましたが、原発事故後は最初は「放射線について考えてみよう」っていうものが出されて、放射線について書かれたものですが、これにはかなり批判が多くて、その後、2014年の228日に新しく「本年度から新しく使ってもいいですよ」っていうことで、「小学生のための放射線副読本」が出されます。

その中身なんですが、イラスト入りで色々書かれています:放射線から身を守る方法は「放射性物質から離れる 」って書いてあります(会場爆笑)。まあ、我々は離れると近付くといった状態、離れたはずが、より高いところ場所だった、というようなことだったですよね。

それから、内容的にはやっぱり、「福島のことじゃない」っていうことです。これはつまり全国向けなんでしょう。福島以外の人たちもこれを使って学習しなさいよ、っていう中身でありまして、福島県では到底、使えないと思っています。

suzuki9それから「退避・避難をする時の注意点」なんて書いてありますけれども、こんな感じじゃないんですよね、あの当時を思い起こしても。もっともっと緊迫感があったし、もっともっと長い間、苦しめられたし、っていうことであって、こんな簡単にイラスト付きて書かれるような中身ではないです。

それから、政治的な判断で、充分な公平性もない、一方的な政治的な情報の取捨・選択によって書かれた内容だと思っています。政府・電力会社の責任にも触れられていません。事故後の廃炉問題、放射性物質についても、いっさい、記載はありません。そういうことで、私たちはやはり、放射線教育っていうのは、これからは人権教育も含めたうえで、そういう視点を持ってですね、学校現場の子どもたちとですね、一緒に学ばなくてはならないな、とい思っています。

どうも有難うございました。

情報を隠して進められる焼却炉建設


和田央子

フクシマアクションプロジェクト第3回総会での報告

3_sokai_3福島県内で19個所、24基もの焼却炉が、どんどん建設を進められています。建設ラッシュという と思うんですが、先程、白石さんから「情報隠し」というお話しがありましたが、この焼却炉問題はまさにその典型の一つでありまして、事実、日常で皆さまはこの焼却炉の情報にほとんど触れることが無いと思うんです。それだけ、相手にとって隠したい情報であるということです。ですので、積極的にこの情報を得るようにしていただきたいと思っています。

鮫川村の焼却炉は第1号だったんですけれども、その他の焼却炉でも、地元の住民のごく一部にしか計画が知らされないということが、徹底して行なわれています。どんなに市町村の境界に近くても、隣りの市町村にはまったく報せない、住民には報せないという方法を取っています。

それから、施設の設置許可申請と言うものが、県に出されるんですが、これも、県も一緒になって情報隠しをしています。県のホームページの後の方にこっそり載せるのです。それから、設置許可申請、現地の生活環境影響調査などについては、1ヵ月間告示縦覧して、利害関係者は意見を述べることができるということが決められているんですけれども、それを知らせないんです。

市町村については、縦覧態勢は取っているんです。「来れば窓口で見せますよ」っていうことは言うんですけれども、それを住民に知らせないんですね。広報紙にはいっさい載せません。縦覧だけがあって、告示がない状態です。告示・縦覧っていうのは、2つ合わさって始めて意味のあるものなんですけれども、その告示がなされないということが徹底して行われています。

まさに今、飯舘村の蕨平(飯舘村の南東部)に施設が3つ計画されておりまして、この告示が行なわれています。で、大きな焼却炉なんですけれども、この焼却炉の部分と、「仮設資材化施設」と言って、焼却灰および、中間貯蔵施設に入れる予定の汚染土壌の、再利用、セシウムを飛ばして路盤材にしようという恐ろしい計画があるんですが、その施設が建てられるということです。これはIAEAとの共同研究ということになっています。

IAEAは環境創造センターだけではなくて、蕨平にも入ってくるんです。この許可申請が今、県の方に出されてまして、告示・縦覧の状態になっていますけれども、何故か、焼却炉の部分だけなんです。この資材化施設についてはいっさいの申請が出されていないんですね。

これにどのような問題があるかと言うと、情報開示請求をしても、「その資料がありません」と言われる可能性があるということです。ですので、焼却灰という、もの凄い高濃度の放射能の凝縮したものと、それからダイオキシンとか有害物質のかたまり。そういったものを大量に扱う施設であるにもかかわらず、どのような施設かが知らされないという、恐ろしいことになってくるかも知れないということです。

それから、つい先日、123日に、テレビニュースで発表されたんですけれども、新たな焼却炉の建設候補地が公表されました。二本松市東和町の夏無という自然公園とキャンプ場のある、凄く景観の良い所です。キャンプ場っていうのは子ども連れで利用する可能性の高い所ですよね。そういった所に焼却炉を建てるというのは、どうなんでしょうか。焼却炉が稼動したとしても、そこを立入禁止にするわけではないんですね。「焼却炉は絶対安全です」っていうことで、進められているので、「どんどんキャンプにも来てください」っていう方向で進められることに間違いはないと思います。

この二本松の焼却炉は、事業主体が安達地方広域行政組合という、一部事務組合が主体となっているんですけれども、ここは日常は二本松と本宮市と大玉村の、3つの市町村をカバーしている、ゴミを処理しているところです。ということはその3つのエリアから出る汚染廃棄物をそこで燃やすということになります。

私が電話で二本松に確認したところ、36万ベクレルの稲藁があるというのが分かっています。農林業系の副産物、廃棄物も処理されるということになります。郡山市では50万ベクレルの稲藁が見付かっています。これだって、本当の汚染濃度かどうかは分からないんです。鮫川村では最初は4 500ベクレルの稲藁、というふうに発表されていました。が、今、稼動データを毎日、チェックしていますと、何と81 000ベクレルの稲藁が燃やされたことが分かりました。このように、国や自治体が発表している線量というのは本当に信頼できるものなのか、疑わしいと思っております。

川俣町が風下になりますが、その川俣町の人たちにはいっさい知らせない、「説明会の予定はありません」と言っています。これは間もなく説明会が開かれまして、12126時半から、二本松東和文化センターにて行なわれます。400世帯にしか通知されていないんですけれども、確認したところ、二本松の市民であれば入れるということですので、是非、二本松のお知り合いの方に知らせていただきたいと思います。

風下に当たる川俣町の町民の方にも是非、知らせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

仮設焼却炉_予算_A4チラシ

フクシマアクションプロジェクト第3回総会・閉会に当たって


武藤類子

3_sokai_2どうも皆様、お疲れ様でした。色々不備もありましたけれども無事に総会を終えることができました。ご協力ありがとうございます。福島の中は、原発事故からもうすぐ4年たちますけれども、本当に、当初の被害だけではないんですね。様々なことがたくさん、たくさん起きてきて、毎日、毎日、色んな問題と向き合わなければならないというのが、私たちの今の現実だと思います。

そういう中で、環境創造センターというのが私の家の、本当にすぐそばにあるんですね。毎日、そのそばを通って、その建物が出来ていくのを見る度にですね、福島がどんどん蹂躙されていく、というような、非常に悲しい気持になります。も、色んなことを、私たちは、本当に細やかな団体ですけれども、少しでも色んなことを知りながら、そしてそれにどういうふうに向かっていけるかっていうことを、市民の一人ひとりが考えていければということを思い、この活動を続けています。

どうぞ、2015年度も皆さまのご協力のもとに、何とか活動を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本当に今日はありがとうございました。

 

諦めずに、少しずつでも声を掛けるということ


小渕真理

フクシマアクションプロジェクト第3回総会での、共同代表挨拶より

3_sokai_1皆さん、改めまして今日は。今日、フクシマアクションプロジェクトの総会に参加された、皆さん、ご苦労さまでした。たいへん、色んなご意見もいただきましたし、 また心を新に、1年の活動を進めてまいりたいと思っています。本当にありがとうございます。これから、記念イベントに移る前に、一言だけ、述べさせれいただきます。

原発事故から39ヵ月が過ぎようとしています。私も含め、多くの県民はこの現実と実情を理解できるようになっています。しかし、人は考えが変ります。それぞれの立場で主義主張も変えられていきます。私はこの間、本当に人間不信に陥りました。でも;もうこれ以上、バラバラになりたくありません。それぞれの立場や考え方を理解し、尊重しながら、できるだけ、手を繋いでいきたいと思っています。

そのために私たちも変らなければならないと思っています。原発事故で人生を変えられた私たち。でも、さらに生き方を変えていく必要があると私は思っています。皆さんお一人お一人が考えてみていただきたいと思っています。

福島原発事故を受けて、アメリカや韓国、台湾などでは、反原発の市民運動がたいへん活発です。若い人もたくさん参加しています。まあ、それに比べて福島県の実情はどうでしょうか。色んな集会があります。県外からも応援がたくさん来ます。だけれども、だいぶ金太郎飴状態で、いつも同じ方たちの集いになっているのが実情だと思っています。

チェルノブイリや福島から学ぶことは大事です。でも、その仲間を増やしていかなければならないですよね。そのためにはやはり、色々な場所で、様々な市民に声を掛け続けていくことしかないのではないかと思います。諦めずに、少しずつでも良いので、声を掛けるということ、声を挙げるということが、一番だと思います。

そのことを実行することは大変なんですけれども、皆さんと本当に励ましあいながら、行動に移していきたいと思います。

フクシマアクションプロジェクト:2014年度の活動を終えて


フクシマアクションプロジェクト事務局

(1) とてつもなく大きく、つかみどころのない国際原子力機関IAEAを相手取り、立ちはだかろうと201211月、組織を立上げて実質2年。その実態も交渉の窓口さえもつかめていないのが実態である。もちろんそれはフクシマ・アクション・プロジェクト(FAP)が名もなく貧しく実績のない極小組織であるからという理由でもあるが、福島県に問いただしても分からないのである。県でさえも直接ものが言えない立場にあるのである。思えば2年前にFAP設立直後の20121215日、IAEAと国と福島県が共催して郡山市で開催された「原子力安全に関する福島閣僚会議」初日にIAEAを直接呼び出して200人程仲間が見守る中で要請書を手渡し回答をやり取りしたことは稀有なことであったとあらためて思いかえしている。あの時は猪突猛進的ながら外務省を通したことが功を奏したのである。以来プッツンではあるがあの時は少なくても福島県民の存在をわずかとはいえ知らしめたと思っている。3.11福島原発事故を起こした当事県民として計りしれない放射能被害からいかにして自分たちのいのちとくらしを守っていくか、とりわけ子どもたちの明るい未来を確保できるかを追究していくとその先の壁にIAEAの姿が見え隠れしているのが事実である。

最近は、IAEAWHO(国連世界保健機関)だけでなく、ICRP(国際放射線防護委員会)やUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)なども大義名分を掲げながら、陰で結託して世界の原発推進のために役割分担して放射線への危機意識を高めないように世界中に目を光らせていることがわかった。これは私たちの第1回学習会でフランスからイヴ・ルノワールさんを招いて講演を聞いて学んだのである。八方ふさがりのような中でも、あきらめずに小さな足取りではあっても運動を続けることが課題解決にいつかつながっていくと言えるのではないだろうか。

(2) 私たちはFAPとして継続して福島県などと交渉を続けていく中で県が「環境創造センター」を20164月に開設することを知り、昨年はこのことを重点的に取り組んだ。復興予算200億円もつぎ込んでその施設の中にIAEAJAEAの居室もあり、交流棟には展示室を設けて県内の小学5年生は全員見学させる意図は何なのか、あらたな「安全神話」の醸成になるのではないかと疑念を抱いた。その窓口である「県環境創造センター整備推進室」と何度も交渉を重ね、私たちの懸念を無視させないように努めてきた。そのための分かりやすいパンフレット第2弾「知っていますか?『環境創造センター』のこと」を作り無料配布して情報拡散に努めている。また請願書にして昨年6月から定例県議会に提出し、今年の2月と合わせて2回とも継続審議になった。しかし、あきらめずにロビー活動をして今年6月の定例県議会に3度目提出したところ採択に持ち込むことが出来た。この効果をぜひ活かしたいものと思っている。

(3)対県交渉は今年度は4回、昨年度と合わせると10回ほど実施した。「環境創造センター」建設に関しては私たちが県民にもっと知らせるべきと主張したこともあってかパブリックコメントの募集をこの10月に3週間ほど募った。周知もほとんどなされなかったのでそれほどの反応はなかったようである。その結果を公表させたいと思っている。FAPとしても意見書を提出し、後日その内容について「環境創造センター整備推進室」と直接交渉し、意思疎通を図った。展示内容についてこちら側の一貫した要望が大分理解されてきたようで課長から前向きの発言が聞かれるようになった。

(4)事務局会は今年度は7回行い当面の課題を明確化し、その実践に努めた。これまでにチラシ10 000枚とパンフ10 000部程を配布した。「IAEAに正しく対処するための資料集」を作成し販売した。販売価格を@300円と低価格に設定し、利潤よりも情報の拡散に重点を置き、IAEAの認識を広め、あいまいな実態の明確化に努めた。黄色と黒を基調にした個性的なデザインとも相まって好評を得、結果、2 000冊余を販売することができた。「お陰でIAEAの実態が分かった。」「これをもとに学習会を開いた。」などという声を聞くことができ、IAEAの実態把握にいくらかは効果があったと自負している。マスコミからも記事の掲載(20141019日 東京新聞「こちら特報部」)などが少しづつ見られるようになってきたことは知名度がいくらか広がってきているものと捉えている。

(5) 組織確立としては年間目標の会員数250人には少し及ばなかったが口数目標500口以上、600口を超えることはできた。フクシマ・アクション・プロジェクトの存在をさらに認識されるように運動の継続が必要である。県としてIAEAに対する主体性のさらなる意識の喚起と教育への悪影響を食い止めていかなければならない。

「安全の押しつけ」にはしない : 県の環境創造センター整備室長が言明


川崎哲

去る11月13日(木)、フクシマ・アクション・プロジェクト(FAP)は福島県の環境創造センター整備推進室と同センター交流棟の展示内容をめぐって意見交換をしました。県からは菅野信志室長をはじめ計3名が、FAPからは小渕真理代表、佐々木慶子事務局長をはじめ計6名が参加しました。

141113 約1時間半にわたる会は、FAPが事前に対して提出していた8項目にわたる意見書に沿って進められました。まず県からは、今年度中に、図面や項目立てなどの基本的な設計が作られ、そのために2015年1~2月頃に第4回検討会を開催されるとの見通しが示されました。各項目の説明文の表記など具体的なことは、来年度に入ってからの作業になるとのことです。

 FAPが要請した事項のうち、「事故は収束していない事実を明記する」「県内全基廃炉の決意を示す」「再生可能エネルギーモデル県として若者に希望を持たせる」といった点については、県としても基本的にはそのような考え方に沿った展示をするとの説明でしたが、表記の細部は今後の課題になるとのことでした。

 放射線のリスクに関する「安全キャンペーン」につながることがないようにとの要請については、県は「この点は、皆さんが一番懸念されているところだろうし、われわれとしても最も注意しなければならない点だと思っている」とした上で、「『安全の押しつけ』のような展示にしてはならない」「何らかの考え方を押しつけるのではなく、放射線に関する事実を伝えて、判断をしていただけるものとしたい」と述べました。そして、検討会で出た意見は県が受け止めるものであるが、最終的な内容の確定は、予算上の判断も含め、県が責任を持って行うことを確認しました。

 FAPとしては、放射線の危険性については大人目線ではなく、子どもたちの目線できちんと表現していくように要請しました。県からは「日常生活による外部被曝および内部被曝をなるべく避け、不要な被曝をしないよう心がけるよう説明するパネルを作っていきたい」との説明がありました。

 FAPからは、検討会のメンバーは偏っており独立した専門家をさらに入れるべきだと要請しましたが、県は、検討会のメンバーを変える予定はないが、他の人たちから意見を聞いていくこともある、展示内容のあり方については随時意見を聞かせてほしいとのことでした。

 FAPからはまた、市民による保養プログラムの取り組みの実例などについて展示に盛り込むべきであると提案しました。

 事故の悲惨さを忘れさせない工夫が必要であるというFAPからの意見に対して、県は、「避難生活の実態など、被災者の話、不安、怒り、思いといったもの伝えられるようにしたい」とした上で、震災の教訓や記憶を語り継ぐという意味では別途「復興祈念公園」や「震災アーカイブ拠点」の計画があると説明されました。県はまた、私たちの暮らし方、すなわち省エネ、ゴミの減量化といった問題についても展示していきたいと述べました。FAPからは、被ばく労働者についてもきちんと伝えてほしいと要請しました。

 なお県は、200億円の予算には原子力研究開発機構や国立環境研究所の人件費や研究機材費は含まれてないこと、将来も含めてこのセンターの運営費用については国が拠出すべきものと考えていることを説明しました。

 次回、来年1~2月に第4回検討会を持たれる頃に、改めてFAPとして意見交換の場を持ちたいということを確認して、会を終了しました。

福島県環境創造センター交流棟の展示内容などに関する意見


2014年10月24日
福島県環境創造センター整備推進室
室長 菅野信志様

福島県環境創造センター交流棟の展示内容などに関する意見
フクシマ・アクション・プロジェクト
共同代表: 小渕 真理
______武藤 類子

2016年4月、三春町に開設予定の「福島県環境創造センター」の一角の交流棟には子ども向けの展示エリアが設けられ「正しい福島の情報を伝え、福島の未来を創造する」とされています。3.11福島原発事故後、初めて作られる放射能に関する公的な研究・教育施設となります。この展示は学校教育の一環として、福島県内の小学5年生全員に見学させる予定となっています。放射能に関して子どもたちに何をどう教えるのかは非常に重要です。崩壊した「安全神話」を形を変えてよみがえらせるようなものであってはなりません。
復興予算200億円もかけて建設予定の「福島県環境創造センター」は未曾有の原発事故を起こした当事県として、また最大の放射能被害を受けた被災県として、この事故をどう捉え、どのように全国に、世界に発信するかという基本姿勢が問われています。私たちは全国・全世界・全人類へ対して、この事故の全容を解明し、反省し、謝罪して、「第2のフクシマ」を繰り返さないように警告するべきものと捉えています。
私たちはそのために今年6月の福島県定例県議会に「交流棟の企画内容を原発事故と被災の教訓を踏まえたものにすることを求める」請願を上程したところ2014年7月2日に全会派の賛成のもと採択されています。この請願の趣旨を踏まえた交流棟建設にするために、以下の点についてあらためて意見書として提出いたします。

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― 記 ―

今年度6月定例福島県議会に提出し、採択された「交流棟の企画内容を原発事故と被災の教訓を踏まえたものにすることを求める」請願の主旨を遵守した企画内容にするために、特に以下の点について具体的に提言する。

1.3.11原発事故の事実経過と全容が明らかになっていない現状(爆発した1~4号機の全容未確認、汚染水・放射性廃棄物問題の行き詰まり…)と事故は終息していないという事実を明記すること。
2.県内原発全期廃炉への決然とした決意とそのために全世界からの叡智を結集して、問題解決に当たる決意を表明すること。「福島原発事故の解明なくして再稼働はあり得ない!『フクシマ』の復興なくして日本の復興はあり得ない!」と強く発信すること。
3.「警戒区域の解除化」「健康被害・風評被害の矮小化」「頻繁な各種イベント開催などによる安全キャンペーンの拡大化」による実態隠しを止めること。それらによる拙速な帰還促進策も止めること。
4.「自然界にもある放射線」を強調し、「低線量被曝」への警戒心を低下させないこと。特に子どもたちにとって、閾値のない「被曝」は極力避ける必要があることと「保養」の大切さも知らせること。
5.検討委員会メンバーには被災者代表者や「被災者や市民の視点からの代弁者が見られないのは問題である。別途、専門家からの意見を聞く予定があるとのことなのでせめて、「理系のみならず、人文社会系の学識経験者を交えた政府や産業界から独立した学識経験者」からの意見も取り入れること。
6.水俣のように「語り部システム」を作り、事故の悲惨さを忘れさせないようにすること。この事故によってふるさとを追われ、家族バラバラに分断され、家も、仕事も、生きがいも失い、先の見えない生活を強いられている原発難民の悲惨な実態を伝えるべきである。原発問題は単にエネルギー問題ではなく「いのちの問題」につながることに気づかせること。
7.持続可能な再生可能エネルギーの最先端技術を研究開発し世界に誇れる「安全な再生可能エネルギーモデル県」にすること。ここにこそ、新たな研究・雇用・事業開発を起こし、若者に明るい希望を持たせること。
8.施設全体を通して福島県として、この事故の全容解明への日々の最大限の努力・反省・謝罪の意思を伝え、そして見学者と「第2のフクシマ」を繰り返してはならないという思いが共感できる施設にすること。

以上

学習会報告


佐々木慶子

10月11日(土)、フクシマ・アクション・プロジェクト(FAP)として第1回の学習会を福島市で開催しました。タイトルへの関心が高かったせいか緊急のお知らせの割に60人近くの参集を得ることができました。
イヴ・ルノワールさんのお話は現地に何度も入り、疫学的にも調査を続けている生の情報が聞けてとてもよかったと好評でした。
中でもWHO(国連世界保健機関)、IAEA(国際原子力機関),ICRP(国際放射線防護委員会),UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)は立派な大義名分を掲げながら実は、陰で結託して原発推進の妨げにならないように役割り分担をして放射線への危機意識を高めないように世界に目を光らせていることなどが分かりました。

DSC01374続いて福島県が復興予算200億円もかけて2016年に開設しようとしている「福島県環境創造センター」についての問題指摘を行いました。これはあまり福島県民にも知られていません。建設予定は県内2ヵ所(三春町と南相馬市)の内、三春町に建設されるものは3棟からなり、その中の1棟の交流棟には展示エリアが設けられ3.11福島原発事故後初めて作られる放射線に関する公的な研究・教育施設となります。
県内の小学5年生全員に見学させるという意図は何なのかなどにFAPとして疑問を持ち昨年から県と何度も交渉を重ねてきました。今年6月の定例県議会には「交流棟の企画内容を原発事故と被災の教訓を踏まえたものにすることを求める」請願書を上程したところ、7月2日に全会一致で採択されました。これらの経過や問題点などをFAPとしてまとめたパンフレットを配布して説明しました。

当日はFAPメンバーはもちろん、原発いらない福島の女たち、ふくしまWAWAWAの会、福島連絡会などからたくさん駆けつけて細部にわたるお手伝いをいただきありがとうございました。
嬉しいことに当日入会が6人で18口ありました。また、東京新聞社の記者が取材に来ていましたがその成果が10月19日付の「こちら特報部」に大きく報道され「福島県環境創造センター」問題が市民権を得て来ていると感じています。さらにこれを読んだ天木直人さんが御自分の10.19付のブログで私たちにエールを送ってくれていることも分かりました。

以上、ご報告いたします。

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第2回 福島県環境創造センター交流棟展示等検討会を傍聴してきました


フクシマアクションプロジェクト事務局

8月2日、福島県が建設の準備を行っている「福島県環境創造センター」の交流棟・展示内容について話し合われている「第2回福島県環境創造センター交流棟展示等検討会」を傍聴してきました。県のホームページへの開催告知が前回と同じく2日前に告知されたこともあり、傍聴はFAPメンバーのみで、記者も来ていないようでした。
検討会では、委員よりいかに小学生が理解しやすい展示とすべきかということが中心に話し合われました。委員からは、新任教師や教員免許更新者などが研修に行けるようになるとよいという意見や、低線量であるのに北海道などへ避難している人たちがいるのはおかしい、風評被害や鼻血問題などに左右されない展示内容になればよいという意見が出されました。また、今回の検討会から一般の方からの意見も募集するようにしたいとの発言が事務局よりありました。
この検討会の傍聴を終えたFAPメンバーからは、委員の中で専門家は2人しかおらず、それも2人とも原発推進側に立っていた専門家であり、公平な専門家が入っていない。3.11での県の対応の不手際も書かれていないなどの意見がありました。
次回の検討会は9月下旬に行われる予定です。また、今回の検討会の配布資料、議事録などは改めて県の環境創造センター推進室のホームページへ掲載される予定です。一般からの意見も募集するとのことでしたので、募集の告知が始まりましたら、ぜひ意見を出していきましょう。

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福島県環境創造センター」に対するFAP請願、県議会で採択!


フクシマアクションプロジェクト事務局

現在、福島県は「放射性物質により汚染された環境を早急に回復し、県民が将来にわたり安心して暮らせる環境を創造する」ことと「国内外の研究機 関と緊密な連携の下、世界に冠たる国際的研究拠点を目指す」ことを基本理念として、三春町、南相馬市に「福島県環境創造センター」を建設する準備 を進めています。
この施設には、福島県、日本原子力開発機構(以下、JAEA)、国立環境研究所の研究施設や国際原子力機関(以下、IAEA)の緊急時対応能力 研修センターなどが入る他、交流棟という施設では県内の全小学5年生が見学に来ることを前提とした放射線教育を中心とした展示も予定されていま す。
フクシマ・アクション・プロジェクト(以下、FAP)は、この交流棟のおける展示内容について新たな「安全神話」が生み出されないよう、これま で担当部署である「県環境創造センター整備推進室」とは何度も、展示内容に関わっては県義務教育課とも交渉を重ねてきました。

◆FAP請願、県議会で採択!

私たちFAPはこの6月の福島県定例県議会へ「『福島環境創造センター』交流棟の企画内容を原発事故と被災の教訓を踏まえたものにすることを求 めることについて」という請願書を提出したところ、7月2日同議会で採択されました。
この請願書採択を受け、FAPは、その内容を実施するように同センターの交流棟展示内容を検討している福島県環境創造センター整備推進室と7月 25日に話し合いを持ちました。

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主に話し合った点は以下の通りです。その後、引き続いて記者会見も行いました。
※8月2日(土)13時30分から、第2回検討会が福島県自治会館301会議室で行われる予定です。ここで実施手法や展示内容などが話し合われ ます。傍聴も可能ですので、ぜひ傍聴に行きましょう。

◆交流棟の展示対象者について
県内の全小学5年生の来館を前提とし、その他、国内外を問わず市民の来場も考えているとのことでした。また、期待する効果としては①原発事故後 に県がどのような取り組みを行ってきたのかを知ってもらう②放射線そのものについての正しい知識と理解を深めてもらう③県としての今後の方向性に ついて知ってもらうの3点を挙げました。来場した子どもたちが福島の未来に希望を持つことも考えているとのことでした。これに対して私たちは、② に関わって事故の実態(汚染水問題や廃棄物問題の行き詰まりなど)や、放射能の制御の難しさなども示すことなどを要求しました。

◆交流棟の展示内容について
①展示内容に対して、こちらから原発での労働者の被曝の状況など、事故現場での現状を知らせる必要があるのではという質問に対し、原発について の情報コーナーは作るが、原発内についての展示などは考えておらず、原発周辺の県民が将来どうなっていくのかを見せなくてはならないとの回答があ りました。
②第1回の検討会で配布された資料(資料2)について、19頁の食品を測るという項目の趣旨・目的の箇所に安全性を伝えるとあるが、これは安全 性を伝えるということなのか市場に出ているのは安全というのはおかしいという指摘を行いました。それに対して、説明不足であって、安全だというこ とを先に言うのではなく、きちんとモニタリングをして市場に出ており、その結果として店頭で売られているものは安全ですということを伝えたいとの 回答がありました。この回答にたいして、最近の中国から輸入し、市場に出ていた食材が安全というわけではなかった例もあるように食べたいものを自 ら計れる体制づくりが必要であること。また、科学者や専門家などが検討する過程が必要ではないかと、こちらから伝えました。
③展示内容については最低限、英語表記は行うことを考えているとのことでした。その他は決めていないとのこと。
④研究棟と交流棟との関係では、研究棟での研究成果を交流棟で来場者へ教えるような仕組みも考えているとのことでした。

◆検討会委員について
JAEA出身の委員は、どのような経緯で決まったのかというこちらからの質問に対して、放射線などに関しては日本国内で一番の専門機関は JAEAだと考えており、震災後もすぐに色々な活動を行っているためとの回答でした。委員男女構成(女性は7人中2人)もアンバランスだし、会議 内容もレベルが高いとは言えない。もう少し、専門性の高い人選があってもいいのではないかと要求しました。

◆外部の専門家からの意見聴取について
検討会委員について、外部の専門家などからの意見を聞く機会を設けるのはどうかというこちらからの質問については、現在の委員で足りない場合は そのような機会を設けることを検討することもあるかもしれないが、現在はそのような状況にはないとの回答でした。

◆IAEAについて
現在自治会館1階にあるIAEAの施設がそのまま三春の研究棟に移る予定。活動内容も現在と変わらず、IAEA加盟国からの研修受け入れを行 い、モニタリングの技術などを教えたりするとのことでした。

◆県議会HP:http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/gikai/201406kekka.html

「福島県環境創造センター交流棟展示等検討会」へ傍聴に行こう!

8月2日(土)13時30分から、第2回検討会が福島県自治会館301会議室で行われる予定です。ここで実施手法や展示内容などが話し合われ ます。傍聴も可能ですので、ぜひ傍聴に行きましょう。