結成集会での共同代表挨拶


小渕真理

皆さん今日はアウシュヴィッツ平和博物館の小渕と申します。今日は本当に皆さん、このアクションを本当に急に立ち上げできたので、なかなか広報になりませんで、その中でこんなにいっぱい、本当に有難うございます。

私 たちのアウシュヴィッツ平和博物館の施設を立ち上げた青木進々さんという方がいらしたんですけれども、常に「少数意見に対する知性と勇気、」とよく言って いました。色紙にもしばしばその言葉を書いて遺されたんですけれども、それと、ネスコを代表する思想家、パオロ・フレイレっていう方もいらっしゃるんです けれども、その方は「少数者こそ多数者である」と定義しています。

何故少数者が多数者になるかと言いますと、例えば被害を受ける者は様々な 被害を蒙り、それぞれがバラバラでは少数なんですけれども、被害という点では共通な多数者になったんです。今、私たちの間ではそれぞれの立場や境遇から 様々な意見が出されていますが、被害を受けている、少なくともその脅威に曝されているというところでは共通しています。ですからこの共通点で手と手を結び あい、多数者の意見として被害や不合理を訴え、状況を改善していきたいと思っています。

フクシマ・アクション・プロジェクトに集まった方々は、既に原発事故以来、個人だったり団体だったり、様々な組織やスタッフをしていると思います。

12 月に開かれる「原子力安全に関する福島閣僚会議」に向けて、さらにネットワークを強めていかなければならないでしょう。IAEAと国を相手に、しなやか に、したたかに、粘り強く闘っていきたいと考えています。その爲には知恵も勇気も必要です。語り合って知恵を出し合い、励まし合って勇気を出し合っていき ましょう。今日の結成総会はそのさらなる一歩となることを皆さんと確認し合いたいと思っています。

最後に、ナチスの台頭を振り返ってマルチン・ニーメラー牧師が書いたとされる文章をご紹介します。

「共 産党が弾圧された。私は共産党員ではないので黙っていた。社会党が弾圧された。私は社会党員ではないので黙っていた。組合が、学校が、新聞が、ユダヤ人 等々が攻撃された。私は不安だったが、関係ないので黙っていた。教会が弾圧された。私は牧師なので立ち上った。その時はもう遅かった。」

皆さんとご一緒に力を合わせていきましょう。今日はどうも有難うございました。

(2012年11月24日コラッセ福島にて)

福島県に対する質問と回答


日時:2012年11月22日(木)14:30~15:40
場所:福島県庁内会議室
出席:
フクシマ・アクション・プロジェクト:
武藤類子共同代表、川崎哲副代表(記録)、佐々木慶子事務局長

福島県:
知事公室長(兼)秘書課長 尾形淳一
秘書課 主任主査 橋本達弥
国際課 主幹(兼)副課長 渡部誠
______主任主査 藤田義行
災害対策本部 環境回復班拠点推進チーム 主任主査 三浦俊二
________________________同チーム たちばな

●冒頭、武藤共同代表よりフクシマ・アクション・プロジェクトの趣旨説明を行い、川崎副代表よりNuclear Free Now との関係等につき補足説明。その上で川崎より、前日に提出してあった質問書(「原子力安全に関する福島閣僚会議」および国際原子力機関(IAEA)の県内での活動に関する質問書、別紙)の概要を説明。

●質問書「1.原子力安全に関する福島閣僚会議に関して」の部分に対する回答
主として渡部国際課主幹より。
(下線部は、フクシマ・アクション・プロジェクトからの発言)

☆福島での開催への経緯について。県としては国際会議の誘致を全般的に働きかけてきた。風評被害の払拭、復興の状況や検査体制などを世界に広く知ってもらう目的でである。国際会議の誘致を外務省に働きかけてきたところ、外務省より、この原子力安全閣僚会議を福島で行うとの提案を受け、合意に至った。2012年2月にプレス発表を行った。
☆プログラム、議題、参加者等について。県としては、まったく把握していない。会議の中身について、情報を何ら外務省からもらっていないので分からない。この閣僚会議の主催は日本政府(外務省)、共催がIAEAである。福島県は共催ではない。→中身が分かった時点で、県民に広く知らせてもらいたい。
☆15~17日のうち、15日は閣僚級(時間は確定していないが、午前9時頃から夕方まで)、16~17日は非閣僚級で専門家など。
☆規模について。154カ国から来るというマスコミ報道を承知している。事務方、警備、マスコミ等を含めて数千名規模になるのではないか。
☆県や県立医大からの参加について。県から、会議本体には誰も参加しない。県立医大については承知していない。
☆県民や県外の関心ある市民の参加する方法について。そのようなことについては、想定していなかったし、検討もしてこなかった。→被災者の声を伝えるという観点で、県民らの参加が重要であることを強調。そうした声があることを外務省に伝えるよう要請。→そのような声があることを外務省に伝えると約束。
☆サイドイベントについて。15日の夕方、ビックパレットで福島県主催のレセプションを行う。知事が出る方向で調整中。その他関係部長なども出る。
☆また、会場内に展示を行う。その内容は、風評被害の払拭、復興の姿を伝える、検査体制や放射線の県民調査のあり方、現在の観光地の様子などを想定している。現在のところ、展示内容については関係各課と調整中。→現在も続く被災の厳しい状況を伝える展示を行うべきであることを強調。→被災の様子も確かに必要である、入れていきたい。
☆14日に視察を県による「おもてなし」として行う。会津の観光地や、中通りでは検査体制の視察など。(福島第一原発の視察については管轄外のようであった。)世界各国のマスコミも来る機会となるので、被災の状況や復興の状況を見てもらい、正確な情報を本国に帰って伝えてもらいたい。
☆被災者の声を届けるという構想や計画は、上述の通り、「今のところは無い」。→被災者の生の声を届けるようにするのが福島県の重要な役割であることを強調。
フクシマ・アクション・プロジェクトが12月15日午前にIAEA(閣僚会議)に要請書を届けたいという要望を持っていることについて、外務省に伝えてほしい。当会は11月29日に外務省を訪問する。→11月29日よりも前に、このような要望があったことを県から外務省に伝えることを確認した。

●質問書「2.福島県とIAEAが共同で行う除染等のプロジェクトについて」の部分に対する回答
主として三浦主任主査より。
(下線部は、フクシマ・アクション・プロジェクトからの発言)

☆県内2カ所に拠点を設置するという「環境創造センター」構想については、すでに今年10月29日に公表している。その趣旨は、大量に拡散した放射性物質から一刻も早く環境を回復させて、県民が将来にわたり安心して暮らしていけるようにすることである。そのための中核施設・拠点を県内に作る。三春町のセンターは、県内全域を対象とする。南相馬市のセンターは、原発周辺の安全監視、今後廃炉に向けたプロセスや中間貯蔵施設などから環境への漏れがないかモニタリングするなどの役割を持つ。
☆環境創造センターが扱う分野は、除染(放射性物質の効果的・効率的除去のための技術)、モニタリング(県内の詳細なモニタリング調査)、廃棄物の管理。これらについて、IAEAが持っている技術を活用させてもらうということである。質問書には「原子力の推進機関としてのIAEA」という表現があるが、原子力推進機関としてのIAEA機関そのものを誘致するということではない。あくまでも、福島県が必要としている除染、モニタリング、廃棄物管理の分野における技術を活用させてもらうという趣旨である。
☆県から誘致要望をIAEAに対して出した。昨年10月に天野IAEA事務局長に要望書を提出した。
☆具体的には、これらの分野について、現在、IAEA側からプロジェクトの提案を行ってもらっている。その提案をもとに現在やりとりをしている段階。
☆12月の閣僚会議のときには、福島県とIAEAの協力に関する覚え書きを締結したい。その中に原子力推進ということが書き込まれることはない。その締結内容はホームページで公開されるし、マスコミでも報じられるだろう。
☆具体的なプロジェクトの開始は来年4月頃になる予定。12月の閣僚会議の時点でその中身は詰まっていないと思う。
☆環境創造センターでは、放射線に関する正しい理解をえるための普及啓発活動も行う。教育・研修機能を持たせ、放射線を怖がっている方々に対して、線量のレベルによってはそれほど怖がらなくてもよいということを伝えていく。→具体的にはどういうことか?→日本では年間1ミリとされているので、1ミリ以下であれば安全であるとお伝えできる。食べ物でも、放射性カリウムは昆布やわかめに含まれているものもある、といったことなど。
4号機の保全など、事故の収束の問題などはやらないのか。→事故の収束については、県としては東電にしっかり取り組めという立場だ。東電に対して知事から言っている。
☆東電に対しては、県からは、1ー4号機はもちろん、全廃炉の立場をはっきりと伝えている。→まちがっても原発の再稼働などにつながらないようにしてもらいたい。→もちろんである。
昨秋IAEA除染ミッションが来福して除染に対する勧告を含む報告書を出していったが、これはどのように実施・反映されているのか?→県に対する勧告ではなかったので、県としては承知していない。
子どもたちの被ばく低減策について、考えないのか。→内部被ばくなど、健康管理の分野に関しては、県立医大の放射線医学県民健康管理センターが担当してきたが、県立医大では去る11月20日、ふくしま国際科学医療センターを発足させた。医大では、IAEAと共同で進めているプロジェクトもある。詳しくは県立医大に聞いてほしい。県の環境創造センターは、あくまで環境の回復が目的である。
これらの事業を県民に隠さないでほしい。→県の事業はオープンであり、ご意見はいつでも承る。隠したりすることは一切ない。
IAEA以外からの技術提供はあるのか。→日本原子力研究開発機構(JAEA)、国立環境研究所(NIES)などには、連携して環境創造センターの中に入ってもらいたいと考えている。

●終了時、尾形課長より、デモなどの行動の報道もあるが、過激な行動に出られると今回のような話し合いが継続できなくなるとの発言あり。→「過激な行動」を行うことが当方の趣旨ではない。むしろ、閣僚会議の中で県民が正当に発言できる機会を保証すれば、そのような事態の可能性も減るであろう。

福島閣僚会議およびIAEAの県内での活動に関する質問書


2012年11月22日

福島県知事 佐藤雄平様
___国際課 橋本典男課長様
___水・大気環境課 片寄久巳課長様

「原子力安全に関する福島閣僚会議」および
国際原子力機関(IAEA)の県内での活動に関する質問書

来る12月15〜17日に郡山市で「原子力安全に関する福島閣僚会議」が開催される運びであると聞いています。私たちは、福島第一原発がいまだ不安定で、多くの被災者が困難な生活と健康への不安を強いられたなか県内で開催されるこの閣僚会議に対して、たいへん大きな関心を寄せています。
私たち「フクシマ・アクション・プロジェクト」は、原発事故の被災者が中心となり、福島県内外の人々が集う市民団体であり、この閣僚会議をきっかけに集まったものです。来る11月24日に正式発足します。私たちは、閣僚会議に対して原発事故の被災者の声を直接届けたいと考えています。また、閣僚会議の機会に公式発表されるとも報じられている国際原子力機関(IAEA)による県内でのプロジェクト開始についても、たいへん関心を有しています。
県行政におかれましては、閣僚会議の準備のためにご多忙のことと存じますが、以下の諸点についてお答えいただきますよう、お願い申し上げます。

1.原子力安全に関する福島閣僚会議に関して

・この閣僚会議が本県で開催されることになった経過について教えてください。
閣僚会議のプログラム、議題、参加者等について、県が現在知る限りにおいて、明らかにしてください。
・福島県や県立医大等からはどのような参加者が参加し、どのような報告をすることになっていますか。
・この閣僚会議に、県民や県外の関心ある市民が参加する方法をお考えですか。すでに計画があれば教えてください。
・県として、この閣僚会議で何らかのサイドイベント等を行う予定がありますか。
・県としては、原発事故の被災者の声をこの閣僚会議に届けるために、どのような構想や計画をお持ちですか。
・12月15日午前中に当会がIAEAへ要望書を届ける際に、きちんとIAEAに対応してもらえるように福島県からも話を通しておいていただきたい。

2.福島県とIAEAが共同で行う除染等のプロジェクトについて

・福島県とIAEAが除染等のプロジェクトを開始し、県内2カ所に拠点を設置するということが既に報じられています。これらの正式発表は、閣僚会議の機会に行われるのでしょうか。また、これらのプロジェクトの内容について、なるべく具体的かつ詳細に明らかにしてください。
・原子力の推進機関であるIAEAが除染や県民の健康管理に関わることについて、私たちは不安をぬぐえません。これらのプロジェクトにおいて、被災者の健康と権利を守るために 、県としてどのような手だてをお考えですか。
・IAEAのプロジェクトが実施された際に、その過程を被災者・県民が監視し提言していく仕組みをお考えにはなりませんか。

以上、来る11月22日の面会の際にお答えいただけますよう、お願い申し上げます。

フクシマ・アクション・プロジェクト
(2012年11月24日発足予定、就任予定役員)
顧問:
佐藤栄佐久(前福島県知事)
崎山比早子(医学博士、国会事故調査委員)

共同代表:
小渕真理(アウシュビッツ平和博物館)
関久雄(りょうぜん里山がっこう)
武藤類子(福島原発告訴団)

副代表:
アイリーン美緒子スミス(グリーン・アクション)
川崎哲(ピースボート)
満田夏花(国際環境NGO FoE Japan)

事務局長:
佐々木慶子(ふくしま WAWAWA の会)

「原子力安全閣僚会議」って何?


関久雄

(個人ブログ「関ジョニーからの伝言」より転載)

• 2012.11.06 Tuesday

11月5日(月)、田村市の船引町で脱原発運動を進めている「福島のおんなたち」を中心とした「非暴力トレーニング」を行いました。これは、12月15日、16日に郡山で開催される、国と国際原子力機関IAEAが開催する、「原子力安全閣僚会議」について、その問題点を明らかにし、それに抗議する行動をプランを立てるというものでした。

この会議の中身をざっくり言えば、福島事故の反省を踏まえ、原発をこれからも「安全」に推進していく、それを内外に発信する場というものでしょう。しかも、この会議を誘致したのは福島県だといいます。福島県は昨年、「脱原発」を宣言したはずですが、放射線や除染の研究、健康調査などを福島県と共同で進めるということです。一見、何かよさそうな感じですが、これまでのIAEAの中身を見れば疑問が沸くのは当然です。

そこで今回の非暴力トレーニングを通して、この会議の目的は何か、何が問題かを明らかにし、被爆させられた住民としてどんな意見を言い、行動するかのワークショップをやることになったのです。

●まずはお互いを知ることから

参加者は10名。アイスブレイクの後、午前中はお互いを知る「インタビューゲーム」を行いました。その中では、「原発の無い社会を実現するために大切だと思うこと」をお互いに話してもらいました。その中で出た意見は、人間関係が大切、足るを知ること、放射能に対する正しい知識が大切、自然エネルギーのことを知ること等々が出されました。

午後からは「原子力安全閣僚会議」について、「会議の中身とねらいは何か?」、「この会議の何が問題か?」、「その問題を解決するための具体的な方法は何か?」などについて話し合いました。これは、「ファシリテーショングラフィック」という、模造紙に話の内容を書き込み、それを眺めながら閃いたことを書いていくやり方を取りました。

●«Nothing about us without us.»

その結果、国とIAEAが一緒に行い原発を推進していくことがわかり、さらにこの会議や研究機関を福島県が招致していること、これまでのIAEAのやり方から、被災者には不利に働くような動きになることが予想されることなどが見えてきました。

さまざまな行動が提案され、県に事実を確認していくこと、抗議行動を県民にわかりやすく伝えること、「避難の権利」を訴えることなどが確認されました。

この日の大きな気づきは、何といっても、「私たち抜きで、私たちのことを決めないで」ということでした。これは、障碍者に対する施策「自立支援法」が制定される時に、障碍者から提起されたスローガンでした。これと同じく、被爆させられた者たちの声を聞かずに原子力政策が進められていくことに対して、「私たちの声を聞け!」という叫びを上げることははきわめてまっとうで、参加者、全員の共感を呼びました。英語で言うと、«Nothing about us without us»というようです。

最後はみんなで感想を書いてシェアして終了。

来月の実践にむけた非暴力トレーニングは12月3日に行われます。行動のためのシュミレーションやロールプレイングを行います。何ができるかは思案中です。人間の鎖、デモ、行進、ダイイン、県への申し入れ、歌や踊りのアピールなどなど知恵を出し合うことになりました。

この12月15,16日は第二回目の「脱原発世界会議」が東京で開かれるそうですが、ぜひ、現地、郡山に来て一緒に非暴力で行動して欲しいものです。

«資料» 福島事故にもかかわらず、IAEAのトップは原子力の「保安」を弁護


国連ニュースセンター配信記事(抄訳)

2012年11月5日

国際原子力機関(IAEA)のトップは、福島第一発電所で起った事故による甚大な損害に関する報告書を出してから1年を経た月曜、国連加盟諸国に対し、原子力はこの事故の前にも増して安全であると宣言した。

機関の年次報告は国連総会で披露されるはずであったが、IAEAの天野之弥事務局長はハリケーン「サンディ」のため、ニューヨークに旅してくることはできなかった。

加盟諸国宛て伝送された声明の中で天野氏は、「(この事故は)長い年月にわたって、よき教訓であり続けることでしょう。ですから、「核の保安に関する行動計画」の充全な実施を保障することが根本になります。」と天野氏は強調する。

福島第一原子力発電所は地震とそれに続く津波によって、2011年3月11日、損壊し、半径数十キロメートルにわたって、空気と水と動植物を汚染した。天野氏は、特にIAEAによる検証の成果として、自然界の破局に対する防護を改善する諸手段が既に取られていると確言している。

(以下、イラン、北朝鮮に関する部分は省略)