NSRW


竹内雅文

2013年6月18日にフクシマアクションプロジェクトは、福島県との話合いを行いまし たが、この時、3人の福島県側の出席者と並んで、IAEAの伊藤集通氏が出席されました。「NSRW局 プロジェクトオフィサー」という肩書の方です。そこで、NSRWがどういう部署なのか、調べてみました。

NSRWはDivision of Radiation, Transport and Waste Safety という局の略称のようです。日本語に訳す時は、「放射線・廃棄物・輸送安全局」と言うようなのですが、「局」ではなくて「部」とされていることもあります。

核 安全保安(Nuclear Safety and Security:略称NS)と言われる部門(Department)を構成する2つの局のうちの1つです。もう片方はDivision of Nuclear Installation Safety(略称NSNI)で、核施設安全局とでも訳せば良いのでしょうか。こちらは稼働中ないしはこれから稼動する核施設の安全保安を担当する局のよ うです。2007年の柏崎刈羽原子力発電所事故の後、年明けに来日したIAEAのチームはNSNIの所属でした。

ちなみにこの時、柏崎刈羽 にやってきたNSNIの責任者はフィリプ・ジャメというフランス人でした。ジャメ氏は2010年に退任してフランスの原子力保安院に戻っていますが、東日 本大震災の後、サルコジ大統領に随行して来日し、フランス原子力界からの支援のメッセージなるものを伝えています。

稼働中の原子炉の運営規準などを取り扱っているのはこのNSNIです。通常の放射線防護や教育プログラムなども、NSNIの管轄だということになります。

今回、NSNIではなくNSRWが出てきているということは、福島第一発電所が破壊され、どうやっても機能修復などあり得ないことを、IAEAとしても認めていることになるのでしょう。まあ、当然と言えば当然のことです。福島第一では、NSNIは出る幕がないのです。

NSRW は3つの部に分れています。被曝の管理とモニターをする部、移送など、核施設以外で核物質を扱う場合に対応する部、そして廃棄物などを取り扱う部がありま す。伊藤氏の肩書には所属の部がなく、「プロジェクトオフィサー」とされていますが、福島でのNSRWの本格的業務を準備する特任ポストであると考えて大 過ないのでしょう。IAEAの2013年5月末のワークショップは大半が測定の訓練だったようですが、NSRWの守備範囲をされていることがらと、よく合 致していると考えることはできます。

しかし、単に測定や分析をするためにIAEAの専門セクションを福島に常駐させることに、どんな意味があるでしょうか?
私たちは疑問を突き付けていく必要があります。

福島県議会への要請書


2013年6月18日
福島県議会議長 斎藤健治様

福島原発震災は未だ進行中であるという実態を当事県として厳しく捉え、「真の事故収束」に全力を挙げて取り組む体制を県として国とIAEAと東京電力に対して、強く求める要請書

フクシマ・アクション・プロジェクト
共同代表    小渕 真理
________武藤 類子

― 紹介議員 ―

古市三久     (みどりの風、土木委員)
石原信市郎(みどりの風、総務委員)

< 要旨 >
1.  3.11福島原発震災は未だ「収束」しておらず、「第2のフクシマ」がおきないように、「事故収束」と「廃炉作業」に全世界の叡智を結集して スピードアップして取り組むように国とIAEAと東電に強く要求すること。
2.  IAEAは福島県内に「環境創造センター」などいろいろな施設を創設し、研究拠点にしようとしています。それらが真に県民の信頼に足るものになるように 県はIAEAに活動と情報の透明化を要求すること。そのためにも県、県民側からの情報開示要求には特に支障のない限り応じるように要求すること。
3.  県は主体的に「放射能対策県民会議」(仮称)を創設し、国、IAEA、県、県民・被災者、専門家、東電を交えて組織化し、放射能被害へ対する県民・被災者の「不安の根拠」を焦点化し、その課題解決のための施策を図ること。

< 理由 >
福島原発震災から2年3カ月過ぎた今も、爆発した1号機から4号機の原子炉の中は未だに人も近づけず全容も明らかになっていません。日本列島は以前より地 震活動が活発化し、頻度数も多くなっています。福島気象台のデータによると福島県内の震度4以上の地震発生数は東日本大震災前の2年間では4回であった が、事故後の2年間では144回であり、その後の3カ月間を加えると148回(2013年6月6日現在)に達しているそうです。爆発を起こした第一の1 号~4号機は耐えきれるのでしょうか。中でも4号機は建屋も不安定状態で今にもくずれそうになっています。私たち県民は頻発する地震の度に「第2のフクシ マ」がおきるのではないかという恐怖と不安におびえています。まさに原発震災は「収束」どころか進行中と言えます。
福島県は「第2のフクシマ」を起こさず、県民をこれ以上の放射能汚染にさらさせないようにすることが当事県としての最大緊急の務めではないでしょうか。そ のために県と県議会の方針である「福島原発全基廃炉」に則り、国、IAEAと東京電力に対して「事故収束」と「廃炉作業」に全世界の叡智を集中させて全力 で取り組むことを早急にさらに強く求めるべきです。

このほど「国連人権理事会」から3.11原発事故に対する日本の対応について「健康に生 きる権利」特別報告書が日本政府に対して勧告されました。アナンド・グローバー特別報告官はあらゆる角度からの事故検証と対応の必要性を厳しく指摘してい ます。まさに「福島原発震災」は地球規模に及んでおり、世界中から注視されている国際的課題です。
原発事故被災当事県として事故の悲惨さを発信続け、学び、風化させないようにさせることと共に、「第2のフクシマ」を起こさないように最大限の努力をし、「真に復興した福島」を世界に示すことが求められています。
以上

対県交渉 議事録


2013年6月18日 福島県西庁舎

出席者:
福島県 生活環境部 水・大気環境課 環境創造センター整備推進室室長 片寄久巳、
副課長兼主任主査 橘潔、
主任主査(整備推進担当) 三浦俊二、
IAEA NSRW局 プロジェクトオフィサー 伊藤集通

佐々木慶子、
人見やよい、
武藤類子、
川崎哲、
越智信一朗

武藤類子
除染は効果的なのだろうか。一方で復興が叫ばれ、被曝対策が行われているかどうかについて疑問を持っている。原発のサイトでの燃料取り出しが安全にできる のか。東京電力の様々な態度、復興に対しての水野参事官の態度など、傷つくことが多い。福島県としては積極的に行動していってほしい。

佐々木慶子
福島県議会へ請願書を本日提出した。IAEAについて聞きたい。

片寄久巳
軍事転用の査察がメイン。局だけでも6つぐらいある。福島にか関わるのは2つか3つ。モニタリング、除染、健康管理なので、(県は)3つぐらいの局と協力している。

佐々木慶子
IAEAは色々な情報を持っている。期待する部分もある。県だけでは手に負えないので。環境創造センターや医大などとやっているが、情報を県民に公開してほしい。

片寄久巳
情報開示については、可能な限り透明性をもってやるようにということが知事からも出ているし、こちらでもやるようにしている。廃炉については国がやってい る。廃炉は国が一元的にやるように法律などではなっている。口出しはできない。安全協定はあるけれど。県は20名ほどしか原発の課にはいない。国はたくさ ん人いるだろうが。情報のチャンネルがない。

川崎哲
前回から2ヶ月経ったが、開所して始まったことなどはあるか。

<資料配布>

片寄久巳
福島における除染、仮置き場で住民の合意が取れない場合のノウハウなどや無人飛行機のモニタリングが分かりにくいということがいわれているので外人から見てわかりやすいものを作るつもり。今年2月に進め方の議論を行った。7月にチームが来るのでそこでまた話し合う予定。

佐々木慶子
事故を起こした4基は中身が分からない。そういうところにIAEAの技術を生かしてほしい。

片寄久巳
それは国と IAEAが行う。

佐々木慶子
3.11まで地震が県内限定で年間震度4が4回だったが、事故後2年間で144回起きている。4号機は崩れそうだということだといわれている。崩れたら大変なので、緊急対応をIAEAにしてほしい。また、廃炉などの責任は国。国や東電にもっと言ってほしい。

片寄久巳
国に申し入れもしている。やっとロボット技術の先端技術を使用すると言っている。

武藤類子
被曝労働者の人員確保について、福島県民が70%ということが言われているが。

片寄久巳
廃炉や健康について、福島県はだめ。

川崎哲
7月に来福するIAEAのチームはこれらのミッションが来るのか。

片寄久巳
右方のプロジェクトの幾つかの話ができる。

川崎哲
前回のIAEAが来たときの報告などはされていない。

片寄久巳
IAEAの意思で来たりする場合はある。周辺のモニタリングを平米あたりでやっていた。(県として)混乱を起こすようなモニタリングはやめてくれと言った 覚えがある。そこは協調してやってくれと。国と共同プロジェクトでやっている部分がある。IAEAはテーマごとに来るので。

川崎哲
資料もまだ和訳されていないのでは。

片寄久巳
資料も翻訳など一歩一歩やっていっている。

武藤類子
ドイツテレビの人がその方が持っていた放射線測定器で図ったら、65μSvだった。県はどのようなことをしているのか。

片寄久巳
全部身近なところをやるのはできない。そういうところはある。定点は機械でやってる。メッシュ調査では定期的にやる。市町村で貸せるようにしている(双葉 郡では100戸に1つ)。それらを活用してもらいたい。一年に一回較正している。量が多ければ団体でやるか管理者がいれば。除染制度もあるので。除染して も高いところから流れてくるのだから、機械を使ってほしいと。地域で除染。

佐々木慶子
内部被曝を計るすべを県民に与えてほしい。食べれないものなどもある。今後は内部被曝を知りえる手段を考えてほしい。そのような機械は高いので、メーカーに安価で正確に測れるものの研究開発を頼んだりしてもらえないか。

片寄久巳
高級なものは学校の教室に全部入れた。150万円のものはスーパーが入れている。1台30万のものは文科省に相談している。

佐々木慶子
食べ物についてはどうか。

片寄久巳
500台公民館にすべて入れてるし、臨時職員を入れて人件費もかけ、1人づつ貼り付けている。かなり力を入れているので、これを活用してもらうしかない。

川崎哲
食品の測定などは県ではどこかの部署でやっているのか。

片寄久巳
県内で50数台入れた、農業、衛生研究所、水道局などに入れている、1台2000万円。専門家が必要。

川崎哲
水のデータなどはどこで公開しているのか。

片寄久巳
農林部は一元的なデータを、飲料水は、我々だと河川、土壌のデータをすべてここで作ろうとしている。

武藤類子
一生懸命やっているけど、もう一回方向性を考え直してほしい。八方塞り感がある。賠償が進まない中、避難もできない。

片寄久巳
それぞれのものを当事者の意見を実際に聞きながらやるべき。避難所もほんとにひどいところはひどいし。こんなに避難しなくてはいけないとは思わなかった。

人見やよい
マッピングなどが県民に知らされるようなものが必要。

片寄久巳
町内会で作っているマッピングが一番いいかもしれない。

人見やよい
IAEAのマッピングはどのようなものか。

片寄久巳
通常地面から1mで測っているが、航空機モニタリングで地上1mに換算する方法など研究している。意外と正しくない。平均的に出しているので。ただ正確にやると意味が分からなくなる。マッピングは難しい。IAEAは低い30mの高度でやろうとしている。

川崎哲
分かりやすいマップ作成について、とてもよいと思う。県民の声を聞きながらやってほしい。水や河川などに関しては、一つのデータで分かるような方法を考える必要があるのでは。

佐々木慶子
当初放射能対策はわからなかった。イノシシなどの調査もするといっているが。

片寄久巳
除染は少しでも下がったら、積算では10年だと結構下がるので、とにかく除染を行っていきたい。イノシシは食用にできず、家などが荒らされている。ただ殺すためにだけイノシシを殺すのもどうかと思う。今まで年間2000頭、3000頭獲っていた。

佐々木慶子
子供たちが普通にサッカーなどやっている、空間線量の問題。

片寄久巳
除染している

片寄久巳
植え込みは数千ベクレルある。知事公館は高い。県庁で遊ぶより学校の校庭の真ん中で遊んだ方がよい。学校のような安全な場所を作っていかなければならない。人の集まるところを徹底して除染するしかない。環境創造センターは子供たちが遊べるようなところを作る。

武藤類子
子供たちの仕事などは?

片寄久巳
縦割りなのでわからない。

武藤類子
甲状腺については?

片寄久巳
不用意なことはいえない。鈴木先生はあれほど精密な検査はやったことないといっている。結果的に小さいものが見つかる。気にされる方は気にする。フォロー体制をきっちりするべき。

武藤類子
12例の疑いが出ている。

片寄久巳
切るのはどうなのかという医者もいる。鈴木、宮崎先生から時々話を聞く。

武藤類子
疫学的には多発である。

片寄久巳
健康管理の方がやっている。

佐々木慶子
検討委員会が新しい基準を安全基準をつくるというのは。

片寄久巳
原安課がやっている。

佐々木慶子
具体的な形が見えてきたらまたIAEAの方の同席をお願いしたい。

片寄久巳
毎回は難しい。

川崎哲
IAEA のチームが来るので前後ではどうか。

片寄久巳
18 カ国ほどから40名海外から来た。5大陸、原発のある国、ない国からきた。正しい情報を伝えないといけない。

勇気を持って、真実を明かし、福島の真実を語り、日本を守っていきましょう


渡辺ミヨ子

「つながろうフクシマ/さよなら原発集会」(2013年6月2日東京・芝公園23号地)より

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皆さん、今日は。

脱原発の思いを胸にこの会場にお集りいただいた皆さんに心より御礼を申し上げます。そして、私の尊敬する大江健三郎さん、そして落合恵子さんと同じ舞台で私が脱原発の思いを申し上げることができることを私は一生の宝と思いました。本当に有難うございます。

私は福島第一原発から25キロぐらいのところに住んでいました。今は小学5年生の孫と私たち夫婦の3人で田村市内の西側に住んでいます。これまでの全国の皆さん、そして世界中の皆さんからご支援いただき、心から御礼申し上げます。

私は戦時中に、昭和17年に生まれました。育ち盛りに、まわりの大人の人たちの話す戦争の話は子ども心にも大きな衝撃でした。その頃、ヨーロッパのスイスが平和だったことも知りました。私の心は平和なスイスのことを考えることで、いつも安らいでいました。

私が子育て中の頃に大熊町に福島第一原発が作られました。まわりの人たちがたくさん働きに行きました。私は広島に落とされたあの怖ろしい原爆のことが頭を過りました。しかしまわりのほとんどの人たちが私が聞いてもいないのに「絶対、安全だ」「事故は起きないんだ」「ここには大きな地震は来ないんだ」と口々に言っていました。そしてすべてが原発のお蔭で、生活が豊かになったように思い込んでいました。

あの3月11日の大きな地震の後、原発が4基も爆発して、広島に落された爆弾の何百倍もの放射能が飛び散らされてしまいました。生まれ育った時から私たちを守ってくれた豊かな自然はすべて、放射能という死の灰で汚されてしまったのです。

「安心・安全」という真っ赤な嘘と、少しばかりの豊かさに踊らされていた自分を悔み、未来を生きる子どもたちの空気を思い、自分の目から流れる涙を抑えられませんでした。

国は始めから「安心・安全」というキャンペーンをやる一方で、福島医大には膨大な予算が充てられました。復興予算、そして除染費用。毎日、新聞やテレビのニュースでは、福島県に充てられる予算の数字が大きな文字で映されていました。今、県内各地に大手企業が入り、除染が行なわれています。そして、手抜き除染のことも取り上げられました。水で洗い、土を剥ぎ、草木を倒して袋に詰め込むだけで、私たちの地域が元通りに戻るわけがありません。雨が降れば、大地の放射能は川へ、そして海へ流れるのです。汚染水のタンクが、汚染物の詰まった袋が、所狭しと増えるばかりです。

去年から入って良いとされる30キロ圏内の私たちの地域では、山菜から高いレベルの1万何千ベクレルというセシウムが検出されました。しかし入っている年配の人たちは知らずにそれを食べてしまうのです。福島で起きていることの真実を隠したいと考える人たちの強い力があるよに思えてなりません。

先日、総理大臣が、「わが国の世界一の技術を、原発を外国へ輸出する」と言っておられました。福島の原発が世界一のい技術であるならば、世界中の原発は今すぐ停めなければいけないでしょう。それを何故、世界中のどの国よりも放射能の怖ろしさを体験済みのはずの日本が、外国へ輸出することが許されるのか、それはまるで、日本は歴史認識が無いと外国から言われた、昔の戦争と同じになるのではないか、後に責任を問われることになるのではないかと、とても心配です。

経済成長戦略に、囚われすぎて、道を過ってはいけないでしょう。今、問わていることは、日本の使命はあの穏かに美しく凛と輝く宇宙から見た、この地球を、我らの母なる星を、地球を、知性と愛情と調和で守ることにあると思うのです。

未来の日本が昔と同じ責任を問われないため、原発のゴミと国の大きな借金で未来の日本が苦しむことがないように、今、考えを新にする時ではないでしょうか。勇気を持って、真実を明かし、福島の真実を語り、世界中の叡智を結集し、福島を、日本を、そして母なる地球を、守っていきましょう。

有難うございました。