«資料» 福島第一原子力発電所の汚染水漏れに関するIAEAの声明


2013年8月21日

IAEAのWEBサイトより

本日、IAEAは福島第一原子力発電所の状況に関し以下の声明を発した。

「日本の原子力規制委員会が、東京電力福島第一原子力発電所び放射性水漏れを国際核事件物差し(INES)で第3水準に格付けする意向であるとメディアが報じていることに、IAEAは強い関心を持っています。

日本の当局は機関に対し、発電所の状況に関する情報を引き続き提供していますし、機関の専門家たちは事態を注視し続けています。

IAEAはことは重大であると考えており、要求があればいつでも援助できる態勢をとっています。」

怒って、怒り抜きましょう!


村田弘

福島原発告訴団の集会「強制捜査はまだか!」(2013年8月4日、いわき市文化センター大ホール)より

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村田と申します。私は小高から、神さんと猫で避難して、今、横浜に住んでます。

しかし、河合先生、歌、上手ですねえ。実は河合先生にも入っていただいて、市民の立場からこの原発の問題を裁くという、「原発を問う民衆法廷」というのを去年から今年にかけて1年半ほどやって参りまして、10回…全国を回って10回ほど公判を開いて、先月の21日に一応、最終的な公判を東京で開きまして、原発は廃止…原発と核はまったく裏表のものであって、我々これから、原発禁止条約を作るべきだというような勧告をいただいて…あの、地方でも、原発禁止という条例を作るという運動を進めようじゃないかというような、勧告を出していただきました。

それに先立って、去年の5月の20日に郡山で開きました、3回目の法廷ではですね、今、問題になっている東京電力、さらには当時の政府、菅直人さん以下ですね、主立った幹部と、例の班目先生を始めとする原子力関係者について、明かに公害罪法と業務上過失致死傷罪で有罪である、というような判決を、実は出していただいているのです。

これは河合先生もこの法廷のですね、検事並びに原告団長になっていただいておりまして、先程、話されたような非常に明快な論理で追及された結果の、ま、市民の判断であったかと思います。

しかし現実は何と遠いことか、ということを今、染々感じておるところです。あの…ずっと色々な活動を見てますと、女性は大変元気で、ぼくは本当に羨しいですが、男は弱いんですかね。ぼくは最近、ちょっと疲れたなあ、っていう、何か非常に重い…体が重いっていう感じをよくしてます。

で、さっき電車の中で、数をこうやって(指折って)数えてみたんですけれど、2年5ヵ月っていう、まあ、避難してから876日くらいになるんですね。で、何で疲れたのかって、改めて考えてみると、これは生活が成れないとかいう単純な話ではなくて、先程、広瀬さんなんかにご紹介していただいたような、本当に信じられないようなことが毎日毎日、出てくるわけですよね。まあ、我々の直感としてはこういうことはあり得るだろうということは分ってたことが、一つひとつ、思てに出てくる、それを受け止める、それに対して怒りを感じる…この怒るっていうことが、たいてい疲れるんですよね。

まあ、一日3回、怒ったとすると、2700回くらいになるに至っているわけですから、まあ、疲れるのあたりまえだなあ、と思ってこの会場に来たような次第です。

この間、偶々ですね、「馬追い」が本格的に再開するっていうんで、横浜で脱原発関係の運動を一緒にやっていた方をご案内して、3日ほど故郷に帰ってきました。まあ、その時に霊山町ですね、小国町、あそこに里山学校の関さんに誘われてちょっと行ってきたんですけれども、あそこはもう既に除染、町ぐるみ除染が終ったということで、住民が帰ってくるようにということを必死になってやっているようなんですが、驚いたのはですね、その除染が終ったら、さっき広瀬さんの話のスライドにあったような、フレコンバッグって言うんですか、あれがまあ、あちこち積んであってですね、で、1カ所、それを見に行ったわけです。何と、そのフレコンバッグの下から草が生えているんですね。もう、突き抜けているんですよ。それも、里山のど真ん中ですよ。

それで一緒に行った方が測ったら1,98μSvです。あの綺麗な里山で、「もう除染が終った、皆、帰ってきて生活をしましょう」っていうところの現場の今の状態がそうなんですね。

それだけじゃあなくて、小国町だけじゃあなくて、川内村にしろ都路にしろ、皆今、「お帰り!」と言っているところの現実は、そういうことだと思うんです。

さっき、河合先生が大変上手に飯館村の歌を歌われましたけれど、浪江町の駅前にもね、足でこう踏むとね、「高原の駅よさようなら」っていう歌が出てくる、あれがあるんですよね。

だから、そういう町っていうのが、そういうのが本当にまとめてこういう悲惨な状況になっているっていうことを…やっぱりこれは怒んなきゃあ駄目です。怒って、怒り抜かなきゃあ駄目だと思います。怒り抜きましょう。

それで、今、賠償の問題も含めてですね、ま、当然、それだけではなくて、この国の人々もかなり露骨になってきていると思います。子どもたちの甲状腺のあれだけのことも無視しながら、何とブルドーザのようにもう一回、再稼動に進むという姿勢ははっきりしていると思うんです。

で、あの、向こう側と言いますか、進める側、しかもその背後にはもっと日本だけではなくて、バックにいる大きな国際的な力が働いて、我々のこういう現実をですね、踏み潰そうとしているのは現実だと思います。それをしっかり見極めたうえで、やっぱり一歩一歩、苦しいけど、怒る。怒って、その怒りをエネルギーにして、これからもやっていきたいと思います。

去年でしたか、武藤類子さんが関西の方でお話しされた炭火の話っていうのが私、いつも思い出すんですけれど、最初はカッカと赤い色を出して燃えると。しかし、本当に一番、熱を発するのは、その赤い部分が消えて白くなった時だと、こういう話を聴いて、それをずっと考え込んでます。確かに一番熱いのはその燃えて白くなった、その炎が白くなった時だと思うけれど、放っておくと灰になって終っちゃうんですね。終ってしまっては駄目だと思います。

エネルギーを次々と補給しながら、何時までも熱を発して、この恨みと言いますか、現実をですね、引っくり返すまで、皆さんとともに、微力ですが頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

国立環境研究所とセシウム入りのアンパン


竹内雅文

環境創造センターにはIAEAやJAEAと並んで国立環境研究所も参画することになって います。これは筑波に本部のある独立行政法人ですが、環境省のシンクタンクと位置付けられている機関です。例えば地球の温暖化とか、産業廃棄物の処理とか、リサイクルとかを研究してきたのですが、過去の実績一覧のようなものを見ると、放射能に関して格別のものはないように見受けられます。というか、リストに記載されていません。

2011年の原発震災以後は、それでもボチボチ、関連の研究に乗り出していて、幾つか報告書も検索することができ ました。その中から、「事故由来放射性物質に汚染された一般廃棄物の飛灰封込固形化実証試験」というものを読んでみることにしたいと思います。2011年11月の日付のある論文です。

国が進めている放射性瓦礫などの焼却に伴って、 放射性核種の濃縮した焼却灰が大量に発生し、フレキシブルバッグという名称のプラスチック系の材料の袋に詰められた状態で各地に積まれています。これを環 境省は、セメントと混ぜて固化せよ、という方針を出して、実施試験を下してきていたようです。けれども、セメントと灰とを均一に混合するというのは実際にやってみると、非常に難しいものなのだそうで、そこで、環境省から降りてきている指針には反するが、二重袋による固化というものを実験的にやってみました、というのがこの研究です。

灰の詰まったフレキシブルバッグより一回リ大きなフレキシブルバッグを用意し、それがピタリと収まる大きさに 木枠を組みます。底にスペーサーを置いて、その上にフレキシブルバックを置きます。そしてペントナイトモルタルという、一種のセメント材料を充填していくわけです。結果は、立方体のアンパンみたいになるわけです。

灰とセメントを攪拌する方法に比べて、この方法には、汚染灰の詰まった袋を開けなくて済むので、作業者が比較的安全であるという利点があり、また作業場も仮設的なもので良いことになります。

ペントナイトモルタルというのは、トンネル工事や空洞充填などに使用される、充填用のモルタルです。一種の粘土が、給水するとき一挙に10倍程度膨張することを利用した材料です。その時、同時に粘りも出るので、水の浸み出しが少ない壁になります。

しかし、ペントナイトの含有を高めれば粘りは強くなり、仕上りは良くなりますが、粘りのためにパイプを流れにくくなり、ミキサーと充填の場との距離をその分縮める必要が出てくるなど、一筋縄ではいかないようです。

またちょっとした水の温度や流速の違いで仕上りに割れ目が生じたり、剥離したり、あるいは途中で内側のバッグが浮き上がってしまうので押さえに工夫がいると か、最初に予定していたような立方体にならず、角が丸くなるとか、色々な問題点がゴチャゴチャ書かれていて、細かい条件を変えながらテストを繰返した結果、問題点は多々残っているものの、実用化の目処はついたとされています。一体につき、コストは8万円程度のものであるとも書かれています。

重量2,5tの固まりになり、これに線量計をあてると、はじめの状態に比べて、70%ほど低い値になるということです。コンクリート厚は100〜200mm 程度ということなので、ガンマ線を完璧に遮断するのは不可能なわけです。しかしこれ以上厚くすると、重くなり過ぎるとか、コストが上るとか、他にも色々あるのでしょう。

セメントの耐用年は、瓦では20年程度で、これは20年経過するとかなり割れやすく、葺き替え時になります。ECPという名称の押し出し成形板(建材)は、繊維などを混ぜ込んで近年、石綿入り建材の代りにしていますが、カタログには60年耐用とあります。

仮にペントナイトを混合したセメントが同程度の耐久性があったとして、セシウム137の半減期は30年ですから、60年後にはまだ4分の1は残っていることになります。また、地中に埋められた上に、高線量の電離放射線に晒され続けた場合に、普通の条件下と同等の耐久性が期待できるとは思えません。また、ペントナイトモルタルが一般化したのは最近ですので、確かな耐用データはまだ存在しないのではないかと思います。

今、福島第一の構内が汚水タンクで溢れ返っているように、今度はまた何れかの場所がコンクリートの固まりで溢れ返るのではないかという心配もするべきでしょうか。まあ、彼らは土に埋めてしまえばそれで済むと言うのでしょうけれども。