起訴議決を受けて


武藤類子

東京第五検察審査会による、東電幹部3名への再度の起訴相当議決を受けての、告訴団長武藤類子さんの声明

私たち福島原発告訴団が2012年に14,716人で行った告訴・告発事件について、東京第五検察審査会は本日7月31日、被疑者勝俣恒久、武黒一郎、武藤栄の3名について起訴議決としたことを発表し、3名は強制起訴されることとなりました。

未だに11万人の避難者が自宅に戻ることができないでいるほどの甚大な被害を引き起こした原発事故。その刑事責任を問う裁判が開かれることを怒りと悲しみの中で切望してきた私たち被害者は、「ようやくここまで来た」という思いの中にいます。

この間、東電が大津波を予見していながら対策を怠ってきた事実が、次々に明らかになってきています。これらの証拠の数々をもってすれば、元幹部らの罪は明らかです。国民の代表である検察審査会の審査員の方々は、検察庁が不起訴とした処分は間違いであったと断じ、きちんと罪を問うべきだと判断したのです。今後、刑事裁判の中で事故の真実が明らかにされ、正当な裁きが下されることと信じています。

福島原発告訴団は、この事件のほかにも汚染水告発事件、2015年告訴事件によって原発事故の刑事責任を追及しています。事故を引き起こした者の刑事責任を問うことは、同じ悲劇が二度と繰り返されないよう未然に防ぐことや、私たちの命や健康が脅かされることなく当たり前に暮らす社会をつくることに繋がります。その実現のために、私たちは力を尽くしていきます。これからも変わらず暖かいご支援をどうぞ宜しくお願い致します。

「朝まで生テレビ」フォローアップ:日本のプルトニウムが、なぜ問題なのか


川崎哲

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7月24日の「朝まで生テレビ」における私と青山繁晴さんとのやりとりを踏まえ、日本の保有するプルトニウムが核兵器に転用可能かどうかという問題に注目が集まりました。私の先の投稿に 対しては、本当に多くの反響をいただきました。本当に多くの方々が読んでくださり、反応をしてくださったのは有り難いのですが、反応コメントの中には読む に耐えないものも多かったことは残念です。私について悪く言うこと自体は、そうされたいなら構いませんが、コメントの中にはプルトニウムの問題と濃縮ウラ ンの問題を明らかに混同しているような初歩的な誤りをしている方もいらっしゃいました。人のことを悪く言う前に、ご自身のよって立つところをしっかりと確 保していただきたいと思います。

くり返しになりますが、日本の保有するプルトニウムが、その純度や組成にかかわらず、核兵器に転用可能なものであるということ自体は今や国際常識であ り、「そうでない」というふうに(青山繁晴さんのように)主張されるのであれば、主張されること自体は自由ですが、そういう主張をする人々の方に立証責任 があります。原子炉級プルトニウムでも核兵器を作ることができるということは、米政府や国際原子力機関(IAEA)までもが認めている事実だからです。 30年前ならいざ知らず、今どき「原子炉級では核兵器は作れない」と主張して耳を貸してくれる専門家は、日本の外には不在だと思います。

このたび、田窪雅文さんのウェブサイト「核情報」で、原子炉級プルトニウムの核兵器への転用可能性に関する資料整理が発表されました。こちらです。疑問に思う方は、ぜひご確認ください。

その上で、なぜ私がこの問題にこだわっているのかを説明したいと思います。私の投稿にいただいたコメントの中には、「仮に理論上、日本のプルトニウムで 核兵器が作ることができるとしても、実際には作らないだろうし、作れないだろう」というものがいくつかありました。それは重要なポイントですので、私なり の考えを述べたいと思います。

日本が保有する47トン以上のプルトニウムがもたらす問題は、以下のように整理できます。

1.日本が核武装するのではないかとの疑念を持たれる。
2.日本のプルトニウムが盗難や攻撃などの「テロ」の対象となる。
3.日本がそのようなプルトニウムを保有していられることじたいが、他の国々に対してプルトニウム保有を正当化する口実を与える。

1について、私は、日本が今日現実的に核武装を検討しているとは思わないし、政治的また技術的、経済的理由も含め、 核武装をするという選択肢をとらないだろうと考えております。核物質で理論上作れるということと、本当に作るということには、大きな距離があります。その 意味で、私の先の投稿に対するコメントの中で「実際には作らないだろう」というご指摘は的を射ていると思います。

それでもなお、私は、さまざまな国際会議への参加等を通じて、多くの国々の人たちが、日本の核武装シナリオということを非常に心配しているという現実に ふだんから接しています。そのような対日本イメージがある中で、「核武装をしようと思えばできる」という状態を維持し、利用目的の説明のつかない大量のプ ルトニウムを保持し続けることは、日本の外交にとって大きなマイナスだと思います。とりわけ昨今、無責任な一握りの政治家たちが、これら核物質をもつこと が「潜在的な安全保障上の抑止力」などと発言するのをみるにつけ、そのような言動は国際的に日本の信用を失墜させる行為だと思います。

さらに私が強調したいのは、上記2と3です。仮に日本自身が非核兵器へのコミットメントを完全に維持したとしても、日本の核物質管理は万全なのか(上記2)。米国では、核兵器に利用可能なプルトニウムなどの核物質は、そもそも核兵器と同水準の防護体制で管理しています。日本の六ヶ所村では、そのような管理体制はとられていません。それで果たして、核テロ防止上、大丈夫なのか。

そして最大の問題は、日本が利用目的の説明のつかない大量のプルトニウムを保持しそれが許されている状況が続くのなら、「日本が許されるのなら、我が国も」という主張が台頭することを避けられません(上記3)。 たとえば隣国・韓国では、日本と同様の再処理技術を持ちたいという議論が大変な高まりを見せており、それが韓米交渉にも影響を与えています。日本の姿が、 潜在的な核拡散を許容するものとして口実に使われていく。このような危険性に対して、私たちはもっと敏感になるべきではないでしょうか。

つまり、日本のプルトニウム政策が、核テロや核拡散の温床になりうる。そのことを問題にすべきではないか。なかなか難しい問題なので、「朝まで生テレビ」の番組内ではうまく表現できませんでしたが、そういうことが私の中心的な主張でありました。

なお、「ではどうすればいいのか」というご質問に簡潔にお答えしておきたいと思います。

第一に、これ以上保有プルトニウムを増やさない。そのためには、核燃料サイクル政策を凍結し、六カ所村の再処理工場を稼働させないという政治的決定をすべきです。

第二に、使用済み核燃料を再処理に回すという政策をやめるべきです。とはいえ、最終処分場問題が解決するまでに相当の時間がかかるでしょう。それまでの 間は、各原発施設内で、乾式キャスクを設置して使用済み燃料を、たとえば50年とか、長期的に安全に保管する道をさぐるべきでしょう。

第三に、今までにため込んでしまったプルトニウムについては、固化して処分する方法を追求すべきです。欧州におかれている約37トンについては、政治的・経済的取引をして、欧州で引き取っていただくのが現実的だと思います。

以上、プルトニウムと核テロ、核拡散のつながりは、原子力発電そのもの対する賛否の議論以前に、「核兵器問題として」考えるべき重要な問題だと思っています。

川崎哲のブログ
http://kawasakiakira.at.webry.info/201507/article_14.html
より転載

 

東電・勝俣元会長ら幹部 3 人「原発事故」で 強制起訴


東京電力の幹部3名が、検察審査会により重ねて「起訴相当」と議決されました。これによって、3人は強制起訴になります。以下、弁護士ドットコムより記事を転載します。

東電・勝俣元会長ら幹部3人「原発事故」で強制起訴 「市民の正義が勝ち取った」記者会見した「福島原発告訴団」の武藤類子団長(中央)と弁護団の河合弘之弁護士(左)、海渡雄一弁護士(右)

福島第一原子力発電所の事故をめぐり、東京電力の勝俣恒久・元会長をはじめとする元幹部3人が、刑事裁判の場で責任を問われることになった。一般市 民からなる検察審査会が7月31日、東電の元幹部3人を業務上過失致死傷罪で「起訴すべき」だと判断した。3人の「起訴相当」議決は2回目のため、強制起 訴となる。

3人を告訴・告発していた「福島原発告訴団」のメンバーらが東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「市民の正義が強制起訴を勝ち取った」「刑事裁判で事故の真実が明らかにされ、正当な裁きが下されることと信じている」と話した。

事故当時の東電幹部らの刑事責任については、検察が「不起訴」と判断したため、検察審査会で審査されていた。強制起訴が決まったのは、勝俣恒久・元会長と武藤栄・元副社長、武黒一郎・元副社長の3人。

●「ようやくここまで来た」

福島原発告訴団の武藤類子団長(61)は「私たち被害者はようやくここまで来たという思い」「東電が大津波を予見しながら対策を怠ってきたことは、次々に明らかになっている。元幹部らの罪は明らかだ」と力を込めた。

弁護団の海渡雄一弁護士は検察審査会の議決について、「1回目の議決よりも、内容が格段に具体的で、証拠も分厚い。有罪判決に近いような議決になっていると思う」と指摘した。

弁護団の河合弘之弁護士は次のように述べ、刑事裁判の場で、事故の原因究明が進むことを期待していた。

「もし、この事件が不起訴に終わってしまったら、この福島第一原発事故の真の原因は、永久に闇に葬られたと思う。

政府事故調も、国会事故調も、その後まったく活動をしておらず、別の調査を始めようという動きもない。

福島原発事故の原因の90%は、事故前の津波対策・地震対策の不備にある。そこをきちんと究明しないと、福島原発事故の原因究明はできない。

今回、からくも市民の正義感で、(事故原因究明の)ドアを開いた。この意味はすごく大きい。私たちは刑事法廷において、真の原因がもっともっと明らかにされていくだろうと思う」

 

ベラルーシ報告会:子どもたちの健康管理と保養のあり方


2015年3月30日~4月6日、福島の女性や若者らのグループで、チェルノブイリ原発事故後の子どもたちに対する支援のしくみや避難者の現状などを学ぶため、ベラルーシ・ミンスクを訪問しました。

ベラルーシには、チェルノブイリ原発事故後、放射性物質の70%が降り落ちました。 周辺の地域は強制移住となり、現在も心臓病や甲状腺の病気、白血病、子どもたちの糖尿病などが多発しています。国民への情報提供が限られていたり、すでに政府は原発事故からの「復興と再生」ステージにあるとしていたり、数多くの悩ましい側面を目の当たりにしました。

一方、健康診断や子どもたちの保養の制度(すべての子どもたちが3週間保養)など今の日本が学ぶべき政策もあります。現地で見聞きした日本への示唆を報告します。

◇日 時: 2015年7月11日(土) 14:00~16:30
◇会 場: 豊島区生活産業プラザ (池袋駅から徒歩5分)
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-P2EC6Xf7O2c/

◇報告者: 人見やよい、宇野朗子、八島千尋、吉田明子

◇参加費:  500円
◇主 催: 国際環境NGO FoE Japan

◇申込み: http://www.foejapan.org/energy/evt/150711.html
◇問合せ : FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986 Mail:info@foejapan.org

※みなさまの温かいご支援により、訪問を実現することができました。あらためて感謝申し上げます。

7/17(金)検察審査会激励行動&院内集会


福島原発告訴団

現在、福島原発事故の刑事責任をめぐり、東京電力の勝俣元会長ら3人を東京地検が不起訴にしたことに対する2度目の検察審査会での審査と、今年初め追加で告訴した津波対策担当の東電社員及び国の官僚ら9名についての1回目の検察審査会での審査が進行しているところです。

今月末にもその審査の結果が出るのではないかという見方が出ており、告訴談としては、6月に続き今月17日にも5回目になる検察審査会激励行動と院内集会を行うことになりました。

国会周辺は強行採決が危ぶまれる安保法制反対運動と金曜日ということもあり川内原発再稼働の反対運動で官邸前の方も盛り上がっていると思いますので、ぜひ、行ける方は検察審査会激励行動とともにご参加ください。

とりあえずの告知です。詳細は追ってお知らせします。
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<7・17 検察審査会激励行動 & 院内集会>

7月17日(金)

12:30~13:15 検察審査会激励行動 @東京地裁前
院内集会会場へ移動
14:00~15:30 院内集会      @参議院議員会館講堂
・告訴団団長:武藤類子よりあいさつ
・告訴人リレートーク
・弁護士からの発言

 

7・27「福島県民集会&県申入れ行動」


ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)

内堀県知事から発表された「自主避難者の住宅無償供与の打ち切り方針」に対して、ひだんれんとしても抗議アクションを起こすことになりました。
お誘いあわせの上、会場へお越しください。人数もチカラになります。
福島県民集会&県申入れ行動
・日時 7月27日(月)11:00~14:30
・場所 福島テルサ、福島県庁