ストロンチウムが歯中と骨中に


IPPNWドイツ支部-Fukushima Newsletter (201512月号):         

原文(ドイツ語)へのリンク:Hohe Strontium-Konzentrationen in Zähnen und Knochen

高濃度のストロンチウムが歯中と骨中に

新しい研究結果

(和訳:グローガー理恵

ストロンチウム-90は、半減期が28.8年のベータ線のみを放出する向骨性 の放射性同位元素であり、核災害における最も危険な放射物の一つである。ストロンチウム-90 はカルシウムと似ていて、体内に吸収されると骨中に蓄積され、そこで敏感な骨髄を傷つけ白血病を誘発することがある。

この非常に測定困難なアイソトープは、仙台の東北大学の一つの博士論文*が示しているように、放射能汚染地域の土壌サンプルの中に検出されたばかりでなく、損壊された福島原発周辺の避難区域の若年牛の歯中にも見つかった ー 検出されたストロンチウム-90の放射能濃度はおよそ【150Bq/kg】である。

何よりも警戒すべきことは、放射能汚染度の比較的低い地域からの牛にもストロンチウム-90が検出されたことである。このストロンチウム-90の問題は、これまで想定されてきたよりも、はるかに深刻な問題なのかもしれない。とりわけストロンチウムはセシウムよりも容易に栽培植物から取り入れられる可能性があり、検査されたサンプルの中には、ストロンチウムの濃度がセシウムよりも高い場合が幾つかあった。

また、避難区域のみがストロンチウム-90で汚染されているということは決してない。例えば、福島原発から北部の40キロ離れた沿岸区域にある相馬市に非常に濃度の高いストロンチウム-90が検出されている。さらに、福島原発から195キロ離れた、東京の北部30キロほどのところに位置する千葉県の柏市や福島から244キロ離れた大都市/横浜で、また東京首都圏でも、土壌に低い濃度のストロンチウムが見つかったのである。

放射性ストロンチウムを吸収したのは牛や家畜ばかりでなく、ヒトも、その相当量を空気、水、食べ物を通し吸収したという懸念が大きい。それゆえに、フクシマ問題に真剣に取り組んでいる日本の科学者たちは、ストロンチウムを検出調査するために、日本中の子どもたちの乳歯を集める活動を開始した。1960年代に米国で類似した研究調査が実施されたが、その結果、アメリカの子どもたちの乳歯中に非常に高い濃度のストロンチウムが検出され、この調査結果は、世界中の地上核兵器実験を禁止することに寄与したのだった。

乳歯保存プロジェクトを進める日本人科学者たちは、今後の研究調査を通して日本国内の放射能汚染区域における健康リスクに関するデータを得られることを期待している。

以上

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訳注

東北大学の一つの博士論文 :二瓶英和氏が作成した論文 ’福島第一原子力発電所警戒区域内被災家畜の歯中の放射性ストロンチウムとセシウムの測定  

http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/56711/1/nihei-2794.pdf 3ページ

 

南相馬:緊急署名:原告による十分な意見陳述の場の設定を


満田夏花
緊急の呼びかけです。

南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟についてはこちらをご覧ください。
http://minamisouma.blogspot.jp/p/20.html

この裁判において、東京地裁が、第二回目の口頭弁論において、原告の意見陳述を行わないという方針が示されました。今後、書面での意見陳述および裁判官との質疑による原告の意見のききとりを行うとのことです。

弁護団からは、原告の置かれている状況は様々であり、第1回期日での意見陳述では原告すべての状況を把握できるものではないこと、原告は、解除にあ緊急の呼びかけです。

南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟についてはこちらをご覧ください。
http://minamisouma.blogspot.jp/p/20.html

この裁判において、東京地裁が、第二回目の口頭弁論において、原告の意見陳述を行わないという方針が示されました。今後、書面での意見陳述および裁判官との質疑による原告の意見のききとりを行うとのことです。

弁護団からは、原告の置かれている状況は様々であり、第1回期日での意見陳述では原告すべての状況を把握できるものではないこと、原告は、解除にあたって政府が住民の意見を無視したとの想いから訴訟を提起しており、裁判たって政府が住民の意見を無視したとの想いから訴訟を提起しており、裁判所が同じ轍を踏むべきではないこと等から、今後も意見陳述を継続するよう申し入れました。

原告からは「口頭での意見陳述を継続してほしい」という意見書を提出する予定です。

支援の会からも、以下の要請書を、年明け可能な限り速やかに裁判所に提出しようとしています。要請書提出に当たっては、多くのみなさまの賛同を求めたいと思います。

ぜひ、多くのみなさまからの賛同署名をお願いいたします。
署名はこちらからお願いします。
https://pro.form-mailer.jp/fms/2e8bab2390944

————-以下要請書案

東京地方裁判所 御中

南相馬の住民のおかれた実状を理解するため
原告による十分な意見陳述の場の設定を求めます

南相馬避難解除取消等請求事件の原告の支援者として、原告による十分な意見陳述の場の設定を要請いたします。

すでに訴状などでも述べられていますが、国は一方的に、「年20ミリシーベルト」という一般の公衆被ばく限度として国際的に勧告されている水準の20倍もの
レベルの避難基準および帰還基準を設定し、住民の意見をきかずに帰還を促進してきています。

このことにより、住民は、精神的にも物理的にもさまざまな辛苦をなめてきたのです。さらに本件の大きな要素は、放射線が将来及ぼす被害についてわかって
いないということです。

住民が受けている「被害」を裁判所が理解するためにも、住民の声を直接きく意見陳述の場を設定することが優先されるべきではないでしょうか。

国により、何度も無視され、理不尽な避難解除と帰還の強要にさらされてきた原告たちにとって、裁判所は最後のよりどころなのです。

今回の方針により、原告たちが、「裁判所も政府と同じだ。自分たちの意見をきかず、政府と同じ判断を下すのか」という気持ちを抱かせてしまうかもしれま
せん。

今後の期日においても、原告の意見陳述を継続するよう求めます。

月1原発映画祭『わたしの、終わらない旅』


西川直子

ベトナムの枯葉剤の影響を描いたドキュメンタリー映画『花はどこへ行った』、『沈黙の春を生きて』を撮った坂田雅子監督を下町の古民家再生住宅、「谷中の家」に迎えます。
1月9日(土)月1原発映画祭は『わたしの、終わらない旅』上映。
仕事場としている群馬県水上から監督に来ていただき、世界の核の影響下にある地域と人々について語りあいます。
年末年始受け付けます。以下にてお早めに予約を!

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第43回 月1原発映画祭『わたしの、終わらない旅』上映
+坂田雅子監督トーク+交流カフェ
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■日時:2016年1月9日(土) ☆各回 要予約
・1回目上映 13:00~14:30(開場12:30)(定員30名)
・2回目上映 15:30~17:00(開場15:00)(定員30名)
・坂田雅子監督トーク 17:00~17::45(定員30名)
・交流カフェ 18:00~19:00(定員20名)
※未就学児可(特に13時からの回は)。ただし託児はありません。
■参加費
・上映:1000円
・トーク:500円/学生300円
・交流カフェ:500円(軽食+ワンドリンク付)

■会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)
メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。よみせ通り、延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。築54年の木造耐震補強民家。目印は格子戸。
http://www.jtgt.info/sites/default/files/2013-05-14.jpg

【映画『わたしの、終わらない旅』

きっかけは母が遺した『聞いてください』と題する一冊の本。母は70年代から原発を問い続けていた。
福島第一原発の事故後、改めて母の数十年に及ぶ反原発運動の意味に気づいた坂田監督は、兵器と原発という二面性を持つ核エネルギーの歴史をたどる旅に出る。
フランスのラ・アーグの核再処理施設の対岸の島に暮らす姉を訪ね、大規模な核実験が繰り返し行われたマーシャル諸島で故郷を追われた島の人々に出会い、カザフスタンで旧ソ連による核実験で汚染された大地で生きる人々をみつめる。母と自分自身の想いを重ねて、核に翻弄される人々を記録した渾身のドキュメンタリー。
(製作・監督・撮影・編集:坂田雅子/製作協力・配給:株式会社シグロ/2014年/78分)

公式サイト http://www.cine.co.jp/owaranai_tabi/

【坂田雅子監督プロフィール】
ドキュメンタリー映画監督。
1948年、長野県生まれ。65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。1976年から2008年まで写真通信社に勤務および経営。2003年、夫のグレッグ・デイビスの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意し、ベトナムと米国で、枯葉剤の被害者やその家族、ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。2007年、『花はどこへいった』を完成させる。本作は毎日ドキュメンタリー賞、パリ国際環境映画祭特別賞、アースビジョン審査員賞などを受賞。2011年、NHKのETV特集「枯葉剤の傷痕を見つめて~アメリカ・ベトナム 次世代からの問いかけ」を制作し、ギャラクシー賞、他を受賞。同年2作目となる『沈黙の春を生きて』を発表。仏・ヴァレンシエンヌ映画祭にて批評家賞、観客賞をダブル受賞したほか、文化庁映画賞・文化記録映画部門優秀賞にも選出された。

■予約方法:以下いずれかの方法で必ず予約してください。
1.申込みフォーム
【1回目上映】http://kokucheese.com/event/index/360442/
【2回目上映・トーク】http://kokucheese.com/event/index/360443/
*学生およびトーク不参加の方はメッセージ欄にその旨ご記入ください。
【交流カフェ】http://kokucheese.com/event/index/360445/
*上映と交流カフェは別々にお申込みが必要です。

2.メール eigasai@jtgt.info
*件名を「月1原発映画祭申込み」として
参加者氏名(複数お申し込みの場合は全員のお名前をお書きください)、
参加内容(1回目上映、2回目上映、トーク、交流カフェ)を明記してください。

3.電話 090-1265-0097(植松)、または090-9492-0075(西川)

*トークおよび交流カフェは上映会に参加される方が優先となります。
*キャンセルされる場合は必ず事前にご連絡ください。

■主催:月1原発映画の会
問い合わせ先  eigasai@jtgt.info
http://www.jtgt.info/  (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

もはや”スクリーニング効果” で理由づけることはできない


IPPNWドイツ支部 — アレックス・ローゼン(Alex Rosen)小児科医の論評: 毎月のように発生する甲状腺がん症例 – もはや”スクリーニング効果” で理由づけることはできない

グローガー理恵

アレックス・ローゼン医師著の ”11月30日に公表された福島県の甲状腺検査の最新データ” に関する論評がIPPNWフクシマ・ニュスレターに掲載されているので、それを和訳してご紹介させていただく。

アレックス・ローゼン先生は論評の最後のパラグラフでこう述べている:「甲状腺がんを発病したために、すでに甲状腺の手術を受けなければならなかっ た115人の子どもたちの家族の運命は、看過することのできない別の問題である。福島の人々が持つべき、健康を享受し健全な環境に住めるという普遍的権利 が黙殺されているのだ。」 被災者への深い共感に満ちた言葉だと思う。また、責任当局者が真摯に受け止めるべき言葉だとも思う。

原文(ドイツ語)ヘのリンク:Jeden Monat neue Schilddrüsenkrebsfälle

毎月のように発生する甲状腺がん症例

福島県立医科大学が行った甲状腺検査の結果

著者:アレックス・ローゼン (Alex Rosen)医学博士 – IPPNWドイツ支部

(和訳:グローガー理恵)

2015年11月30日、福島県立医科大学が福島県の子どもたちにおける甲状腺検査の最新データを公表した。これらの検査は、いわゆる先行検査 (Baseline Screening)と本格検査(Full Scale Examination) と呼ばれる2部の検査で成り立っている。

先行検査 (Baseline Screening)

2011年10月から2014年3月までにおける、いわゆる ’’先行検査 (ベースライン・スクリーニング)” の 範囲内では、小児/青少年集団における甲状腺がんの有病率、すなわち甲状腺がん症例の静的な頻度が決定されることになっていた。日本の厚生労働省による と、日本国内における小児甲状腺がんの年間発症率は【10万人当たり0.3件】であるという。この数値に従うと30万人の子どもたちから成る一つの集団に おいては、年間【1件】の甲状腺がん症例数が確定されることが予測されるーこれは病徴や偶発病変を通して診断される場合である。

集団スクリーニングを通して、所謂 スクリーニング効果 (独語:Screening-Effekt)” が 生じるということは周知の事実であるーすなわち集団スクリーニングにおいて健康な受検者も検診することで、通常ならずっと後になってから初めて症候が現れ たであろういうような疾病がすでに早期段階で検出され診断が確定されるという事である。したがって、3年間半にわたる先行検査 においては、単に3件から4件以上のがん発症が診断されるであろうと予測された。この (3件〜4件の)件数を超した過剰症例は(スクリーニング効果がもたらしたとされるため)非常に早期段階のものであり、したがって罹患者にとって差し迫っ たリスクはないものと判定されるものと推測された。

しかし、実際の先行検査の結果は異なった状況を描いていた:超音波検査(エコー検査)で537人の子どもたちに甲状腺の異常が見つかった事が確認さ れたため、穿刺吸引生検が実施されなければならなかったのである。そして細胞診の結果、計114人にがん疾患の疑いがあることが明らかになった。 さらなるモニタリングで、 その圧倒的大多数が悪性度の高い進行性がんであることが判明し、その内の101人の子どもたちには転移や危険な腫瘍の増大があったため手術が行わなければ ならなかった。

手術後、一人は良性腫瘍と確定され、手術を受けた100人に甲状腺がん疾患の診断が下された (97人が乳頭がん、3人が低分化がん)。その結果、先行検査が完了した後すぐに、「このように予期しなかった、悪性の甲状腺腫瘍(がん)の多発の原因は 何なのであろうか」との厄介な疑問が生じてきたのである。少なからず、福島第一原発でメルトダウンが起こった後に日本当局が被災者たちにヨウ素剤を配布し ないと決定したことは、この甲状腺検査の結果を鑑みると非常に理解しがたいことである。

本格検査 (Full Scale Examination)

2014年4月から2巡目の甲状腺検査として、本格検査が始まっている。この検査には先行検査に含まれた子どもたち全員と、原発事故のすぐ後に生まれた子どもたち*も同様に検査対象となっている。

したがって、 この検査の対象集団は先行検査の対象集団よりも規模が大きい。現在計画されているのは、これらの検査対象者たちが、20歳 まで(21歳になる直前まで)2年ごとに、それ以降は5年ごとに検査を受けることである。2014年4月から2016年3月までの間に実施される、本格検 査における検査対象者数は計379,952人となっているが、これまでに本格検査を受けたのは199,772 人である。その中で検査結果が確認されたのは、これまでのところ、182,547 人のみ (48.0%)である。今まで、そのうちの124人に超音波検査(エコー検査)で、著しい変化/異常が見つかったため穿刺吸引生検を実施することが必要と なった。そして、細胞診により、新たに計39人にがん症例の疑いありとの結果が出た。そのうちの15人に転移や危険な腫瘍の増大があったため手術を受け、 その全員に甲状腺乳頭がんの診断が確定された。

これで、甲状腺がんの診断が確定された子どもたちの総数は115人となった。彼らには転移や腫瘍の急速な成長があったため、甲状腺手術を受けなけれ ばならなかったのである。さらに37人の子どもたちに甲状腺がん疾患の強い疑いがある。彼らはまだ手術を待っている状態である。甲状腺がん症例が確認され た15人に、がんが発生したのは1巡目の検査(先行検査)と2巡目の検査と(本格検査)との間の期間である。

2巡目のスクリーニング(本格検査)で受検者の58.9%に結節もしくは嚢胞が見つかった。1巡目の検査(先行検査)におけるその割合は、まだ 48.5%であった。ということは、1巡目の検査では甲状腺の異常がまったく検出 されていなかった32,227人の子どもたちに、新たに、嚢胞や結節が確認されたということである ー そのうちの308人に見つかった嚢胞/結節のサイズが非常に大きかったため、さらなる解明が緊急に必要とされた。さらに最初のスクリーニング ( 先行検査)で小さな嚢胞もしくは結節が見つかっていた656人の子どもたちに、再検査 ( 本格検査)では、非常に急速な(嚢胞/結節の)増大が確認されたため、さらなる診断検査が実施されなければならなかった。

残念ながら、 新たに甲状腺がんの診断が下された新規症例に関するデータは、当局によって差し控えられているため、最初のスクリーニングが正確に、いつ実施されたのか明 らかではない。先行検査と本格検査の間の期間が、予定されたように2年間であると仮定するのなら、現時点における小児甲状腺がん発生率は年間で 【100,000人当たり3.8件】になるものと推定される。

フクシマ・メルトダウンの以前の日本における小児甲状腺がん発生率は、年間で【100,000人当たり0.3件】であった。このような10倍以上にもなる小児甲状腺がん発症率の増加を、いわゆる ”スクリーニング効果 で理由づけることは、もはやできない。

単なる氷山の一角?

これまでに、まだ検査を受けていない子どもたちの数が、あることを暗示している:それは、今後、甲状腺がん症例が、この年間発症率を超えて、さらに 増加することが予測されるということである。福島県において放射線被曝をした67,000人以上の子どもたち**が、まず先行検査にまったく入っていな かったし、180,000人以上の子どもたちがまだ2巡目の検査(本格検査)を待っている状態である。そうであるから、今後何年かの間に、甲状腺がん症例 数がさらに上昇するかもしれないと憂慮すべき正当理由が存在するのである。

さらに憂慮すべきことは、ー放射性ヨウ素を含んだフォールアウトが東京都の北部までにも及び、原子力災害が始まった何日/何週間後に、さらに何十万 人という子どもたちが高い放射線量を被曝したという事が分かっているのにもかかわらずー福島県外に住む子どもたちがまったく検査を受けていないという事実 である。集団スクリーニングなしでは、これらのフォールアウトの影響を受けた人々の間で発生するものと予測される、がんの過剰症例と危険な放射線との因果 関係を確立させることはできない。

福島県は、安倍晋三の率いる日本政権と同様に、原子力産業 と深く深く癒着しており、日本では、いわゆる原子力ムラの影響力が相変わらず甚大であるということを重ねて述べねばなければならない。”原子力ムラ ’’とは、原子力企業、原子力フレンドリーな政治家たち、買収されたメディア、腐敗した原子力規制当局から成る集団を称するものである。彼らは共同で国の原子力産業の存続を推進している。

2012年には、国際原子力ロビー・IAEA (International Atomic Energy Agency-国際原子力機関)が、甲状腺検査を行っている福島県立医科大学への資金援助を通して影響力行使している可能性がある事が分かった***。

このような状況のもとで、福島県立医科大学による甲状腺検査が、放射線誘発甲状腺がん症例に関する真面目で信頼できる調査になるとは期待できない し、調査の公式結果も、もうすでに既定された結論と一致することになるだろう:すなわち、甲状腺がん発症の著しい増加とフクシマ超大規模原子力事故との因 果関係は見つからないとの結論が出されることになるのだ。

しかし、甲状腺がんを発病したために、すでに甲状腺の手術を受けなければならなかった115人の子どもたちの家族の運命は、看過することのできない別の問題である。福島の人々が持つべき、健康を享受し健全な環境に住めるという普遍的権利が黙殺されているのだ。今、この時点において必要なのは:  – 原子力災害によって及ぼされた健康ヘの影響結果を提供し、被災者の憂慮、苦悩を真摯に受け止め、経済的利害関係に非依存である独立した、科学的根拠に基づいた隠蔽性のない公平な分析調査の体制を確立させることができる、責任のある信頼できるガバナンスである。

以上

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【訳注】

*      原発事故のすぐ後に生まれた子どもたち: 事故後から2012年4月1日までに生まれた福島県民

**     福島県において放射線被曝をした67,000人以上の子どもたち:  先行検査の受診対象者数は    367,685人だったが、実際の受診者数は300,476 人 (367,685人 – 300,476人≒ 67,000人)

***   2012年には、国際原子力ロビー・IAEA (International Atomic Energy Agency-国際原子力機関)が、甲状腺検査を行っている福島県立医科大学への資金援助を通して影響力行使している可能性がある事が明かになった:   参照:外務省リンクに掲載された資料  –  ”人の健康の分野における協力に関する福島県立医科大学と国際原子力機関との間の実施取決め”

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye3180:151225〕

福井地裁高浜原発異議決定を受けての弁護団声明


高浜原発3・4号機については、本年4月14日、福井地方裁判所の樋口英明裁判長、原島麻由裁判官、三宅由子裁判官による運転差止仮処分命令が発令されていましたが、本日、同裁判所の林潤裁判長、山口敦士裁判官、中村修輔裁判官により仮処分命令は取り消されました。

私たちは、福島原発事故のような事故を二度と招いてはならないという観点から新規制基準の不合理性、基準地震動の策定手法の不合理性、津波の危険性、工学的安全性の欠如、シビアアクシデント対策・防災対策・テロ対策の不備といった様々な危険性を指摘しました。

これに対して、本決定は、原子力規制委員会の判断に追随するだけの形で私たちの主張立証を排斥しました。
とりわけ、基準地震動に関しては、「最新の知見に従って定めてきたとされる基準地震動を超える地震動が到来しているという事実」は、「当時の基準地震動の想定が十分でなかったことを示すものである」と認めながら、「いずれも福島原発事故を踏まえて策定された新規制基準下での基準地震動を超過したものではない」とし(113頁)、新規制基準下ではこのようなことは起こらないとされています。
しかしながら、一方で、本決定は、「新規制基準の策定に関与した専門家により『基準地震動の具体的な算出ルールは時間切れで作れず,どこまで厳しく規制するかは裁量次第になった』との指摘がされていること」も認めており(105頁)、
この認定からすれば、新規制基準における基準地震動の策定手法は見直されていないのですから、上記決定は、論理矛盾を来しているといわざるを得ません。
さらに、本決定は、「あらかじめ判明している活断層と関連付けることが困難な地震でマグニチュード7を超えるものが起こる可能性を完全に否定することはできない」とし(122頁)、「本件原発において燃料体等の損傷ないし溶融に至るような過酷事故が起こる可能性を全く否定するものではないのであり,万が一炉心溶融に至るような過酷事故が生じた場合に備え」なければならないとしています(223頁)。本決定は、福島原発事故の深刻な被害から何も学ぼうとしない、極めて不当な決定であり、原発周辺住民が事故によって被害を受けることを容認していると言わざるを得ません。

林潤裁判長は、11月13日の審尋期日の際に「常識的な時期」に決定を出すと発言しましたが、私たちが指摘したすべての問題点について正面から検討した上で本日12月24日に決定を出すというのは「常識的な時期」とは到底いえず、年末も押し迫った常識外れなこの時期に出した本決定は、高浜原発3・4号機の再稼働スケジュールに配慮した、結論ありきの決定であると言わざるを得ません。
高浜原発3,4号機が再稼働して重大事故を起こした場合、その責任の重要部分は再稼働を許した3人の裁判官にあるということになります。

しかし、私たちは、このような不当決定に負けることはありません。なぜなら、理論的正当性も世論も私たちの側にあるからです。福島原発事故のような事故を二度と招いてはならない、豊かな国土とそこに根を下ろした生活を奪われたくない、子ども達の未来を守りたいという国民・市民の思いを遂げ、ひいては失われた司法に対する信頼を再び取り戻すため、最後まで闘い抜くことをお約束します。

2015年(平成27年)12月24日
脱原発弁護団全国連絡会、大飯・高浜原発差止仮処分弁護団
共同代表 河合弘之・海渡雄一

佐藤栄佐久 元福島県知事を応援しよう!


佐々木慶子

21日(月)、仙台高裁で第2回口頭弁論が行われました。
9時30分ごろ、ロビーに集まったのは総勢30人ほど。栄佐久様関係として弁護士さんやご親族を筆頭に10数人。マスコミ4社(?)ほど。私たち側から遠くは三春と郡山から類子さん、Rさんそして福島からKKさんと私、何とフォーラムの支配人も! 仙台からSさん、Aさんなど10人ほどでした。栄佐久元知事からご挨拶を受け、10時開廷。
法廷での審議は20分ほど。口頭でのやり取りは少なく、文書確認が主でした。
中山顕裕裁判長からはこの日をもって結審とし、2月24日に判決言渡しとなるとのお達しがありました。(裁判のあらましは翌日(22日付)の民報・民友に掲載)

実は、事前に私たち側から裁判終了後、説明を受けたいと栄佐久元知事側にお願いをしていたところ安藤弁護士さんのお計らいで裁判所内の別室をお借りすることができ、そこで裁判の詳しい経過と疑問点にも答えて
いただける場を持つことができました。その時の 要旨は
①この日の裁判の終了直後、裁判長側から「和解」の申し出を受けたこと。
②「和解」は一般的に原告側も妥協することが多いが今回は妥協する何物もないこと。
③「和解」することが原告側の不名誉につながってはいけない。安易に受託できない。
④被告である福島県側も打診されているので1月22日に和解協議をすること。
などの説明があり、質疑応答も行いました。

これからの取り組みとして、もともと佐藤栄佐久元福島県知事の汚職容疑が「賄賂額0円」で実質無罪なのに有罪とされた裁判そのものが不合理なのに福島県が非情にも退職金返還命令を出したこと。それに対して栄佐久元知事が「不服申し立て」の裁判を起こしていることを知っている県民はあまり多くないことを踏まえて、それを周知させることと、県に対して「返還命令」を取り下げることを要望するための集会を持つことが参集者から提案され、呼びかけ人の2人も翌日、話し合って1月中に開催することにしました。
みなさまのご協力をお願いいたします。

日印原子力協定「大筋合意」報道を受けて


満田夏花

本日は、官邸前にて、日印原子力協定締結反対、武器輸出反対の抗議の声がとどろきました。インドともスカイプで結び4名の方に力強いアピールをいただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。な、なんと武器や原発を売り歩く安倍首相も登場!?
原子力協定締結協定にはいたりませんでしたが、原子力協定締結に向けてのMoU(覚書)が締結された模様です。
武器輸出に関しては、「防衛装備移転に関する協定」が締結されたようです。これを受け、FoE Japanでは緊急声明を発表しました。広めていただければ幸いです。

———————–
【緊急声明】日印原子力協定「大筋合意」(覚書MoU締結)報道を受けて
~世界の核不拡散体制をゆるがし、福島原発事故の痛みを忘れた
無責任な原子力協力は許されない~
FoE Japan

本日、12月12日に開催された日印首脳会議において、原子力協定が「大筋合意」され 、原子力協定に関する覚書(MoU)が締結されたと報道されています。
事前報道によれば、「使用済み核燃料を核兵器に転用しないという確約にめどがだった」(NHK )、「インドが核実験を実施した場合、日本が協力を停止す

る規定を盛り込む」(産経新聞 )などとされていますが、MoUの詳細は現時点では明らかになっていません。
いずれにせよ、協定が締結に至れば、はじめてのNPT(核不拡散条約)非加盟国との原子力協定となり、日本が守ってきた核廃絶の国是を大きく損なうことには変わりありません。被爆国である日本が、NPTやCTBT(包括的核実験禁止条約)を批准せず、核兵器を所有するインドの立場を認めたことにはほかならず、国際的な核廃絶の努力に大きな悪影響をもたらすことになります。

もし、日本がインドに対して、日本が協力する原発の使用済み核燃料の再処理を認めるとすれば、原子力協定としてははじめてのことになります。たとえ「軍事転用をしない」という約束をとりつけたとしても、インドがプルトニウムを取り出すという事実には変わりなく、今までの原子力協定の一線を大きく踏み越えるものです。世界にとっては大きな脅威になります。
パキスタンとの軍拡競争を繰り返しているインドに対して原子力協力を行うことは、南アジアの安定を大きく損なうものです。
インドはIAEAの追加議定書を批准していますが、民生利用と軍事利用の核施設を分け、 前者のみをIAEAの査察対象としており、原子力の軍事利用に歯止めをかけられる保証とはなりません。
なによりも、福島原発事故を起こし、多くの被害者が苦しんでいるさなかに、斜陽ビジネスである原子力産業を救済するために他国に原発を輸出し、他国の住民を危険にさらす非倫理性は到底看過できるものではありません。
現在インドでは22 の原発が稼動していますが、多くの原発立地で市民による命がけの反原発抗議が展開されています。クダンクラムやジャイタプールなどでは建設に反対する住民の非暴力行動を、警察が暴力的に鎮圧し、死者やけが人もでています。
広大な国土を有し、送電ロスが大きく、分散型の再生可能エネルギーの潜在能力が高いインドにおいて、大資本による原子力の推進は、住民にリスクを押し付け、地域の活力を奪うことになりかねません。
私たちは、一部の企業の目先の利益追求のための、中央集権的で危険な原発輸出と武器輸出を進めることは、両国の社会および国際社会に大きな悪影響をもたらすものとして強く抗議します。
軍事や原子力ではなく、環境的に持続可能な社会の実現のための協力に転換することを求めます。

国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
http://www.foejapan.org/

福島原発刑事訴訟支援団「1.30発足のつどい」


「福島原発刑事訴訟支援団」来年早々発足します!
これからも引き続き、ご支援ください!

福島原発告訴団が2012年に1万4716人で行った告訴・告発事件は検察庁により二度にわたる不起訴処分を受けました。
しかし、東京第五検察審査会は二度にわたり起訴相当の議決。
被疑者、勝俣恒久、武黒一郎、武藤栄の3人は「強制起訴」になりました!
これから長い法廷闘争が始まります。
東電福島原発事故の真実と責任の所在を明らかにするこの裁判は原発社会に終止符を打つため、非常に重要な意義を持ちます。
本裁判の行方を見守り支えるために「支援団」を立ち上げます。
みなさま、お集まりください!

【呼びかけ人】
石丸小四郎、海渡雄一、鎌田慧、河合弘之、神田香織、佐藤和良、添田孝史、広瀬隆、満田夏花、水戸喜世子、武藤類子、保田行雄、(50音順)

(日時)2016年1月30日(土)開会14:00~16:30(開場13:30)
(会場)目黒区目黒二丁目4番36号(目黒駅から徒歩10分)
(参加費)無料
<主催>「福島原発刑事訴訟支援団」準備会
<連絡先>080-5739-7279(福島原発告訴団)

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