何千、何万という「がん疾病」の過剰発生を危惧

IPPNW プレスリリース

何千、何万という「がん疾病」の過剰発生を危惧

IPPNW記者会見 – フクシマ原発災害4周年にあたって

2015年3月3日

(和訳: グローガー理恵

フクシマ原子力災害から4年、日本の人々への健康影響が現れ始めている。原子放射線の影響に関する国連科学委員会 (UNSCEAR)によるデータは、日本では放射能汚染のために16,000件までのがん症例の過剰発生と9,000件までのがん死の過剰発生が予測されるということを示している。  医師団体IPPNWは、実際の数値は、それよりも、もっとはるかに高くなるかもしれないと見なしている。 なぜなら、UNSCEAR報告書に記載された放射能放出量(ソースターム)の数値は、日本原子力研究開発機構(Japan Atomic Energy Agency)からの情報だけをベースにしており、独立した研究所/機関によって出された明らかにもっと高い数値を考慮していないからである。

さらに、UNSCEARによる内部被曝線量の算定やフクシマ原発の作業員の線量 計算に関しても深刻な懸念がある。

甲状腺がん症例は、予測される 「がん罹患」のほんの一部を示しているにすぎない。 最初の一巡目の甲状腺集団スクリーニング(先行検査)の枠内での細胞診において、計109人の子供た ちに甲状腺がん診断が確定された。 その間、この内の87人が、手術を受けた。 これまで、県民健康調査検討委員会は、これらの予期されなかった高い症例 数は 「スクリーニング効果」のためである、としてきた。 スクリーニング効果とは、もっと後になった時点になってから初めて臨床症状が出たであろうという症例 が、集団スクリーニングで発見されることの知見である。

しかし、2014年の12月から再検査 (本格検査 )の最初のデータが出ている。 再検査を受けた子供たちの57.8%に結節や嚢胞が見つかったのである。 最初のスクリーニング(先行検査 )においては、これらの(結節もしくは嚢胞が見つかった)割合が、まだ48.5%であった。 この事は、最初のスクリーニング (先行検査 )において、まだ何の異常も見つからなかった12,000人以上の子供たちに、現在、再検査(本格検査 )で、嚢胞と結節が確認されたということを意味する。 すでに、これらの子供たちの内11人に穿刺吸引細胞診がなされ、今、その内の8人にがん疾患の ‘強い 疑い’があるとの診断が下された。 過去2年間の間に発生したに違いない、これらの ”がん症例” を、もはや、「スクリーニング効果」で説明することはできない。

甲状腺スクリーニング(検査)は、福島県のみに限定されている。 日本の他の地域においてや非常に放射能汚染された福島に隣接した県(複数)におい てでさえも、同じ類の集団スクリーニングは実施されていないのである。 究極的には、他の県においても多数の甲状腺がん疾患が発生するかもしれない可能性 があるにもかかわらずである。

「二巡目のスクリーニング(本格検査)結果は憂慮すべきことです。 確かに、これまでのところは、まだ再検査結果の部分的なデータのみが提示されて いるだけですし 、原子力災害による長期的な健康影響を評価できるには、まだ時期が早過ぎます。  しかし、チェルノブイリからの経験に基づきますと、甲状腺がんの疾患数が、長年に亘り、さらに増加していくことが予測されます」と、IPPNW副会長、ア レックス・ローゼン医師は説明する。

甲状腺がんは、放射能汚染が人々に及ぼす健康影響のほんの僅かな一部を提示しているに過ぎない。IPPNWは、過去の原子力事故の体験に基づき、① 白血病、②リンパ腫、③固形がん、④心臓血管系疾患、⑤ホルモン障害、⑥神経障害、⑦精神障害などの罹患率の上昇を予測する。 さらに、精神的外傷や当局に失望させられ、放置されたという感情が及ぼす、甚大な心理社会的影響が付け加えられる。

以上

*(注)何千、何万という「がん疾病」の過剰発生: フクシマ核災害がなかったら、がんを発病をしなかったであろうという人々がフクシマ核災害が誘因となってがんを発病する。そういった人々の数が何千、何万になるであろうということを意味する。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye2921:150305〕


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