秘密主義が安全神話を助長し、事故の被害も拡大した

佐藤和良

秘密保護法、福島公聴会での発言(2013年11月25日)
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私は原発震災の渦中にある自治体議員としてですね、住民の生命と財産を護るという立場から、発言させていただきたいと思います。

原子力発電に関してはこれまでに馬場・浪江町長さんを始めとして、被災県である私どもの本当の悲痛な叫びが今、語られたんではないかと思います。ご案内のとおり、14万から15万におよぶ我々福島県民が全国各地に今なお避難している、その原因がいったい何であったのか、ということを捉えていただきたい。その上で、今日の公聴会が稔り多いものに、明日の採決のための通過儀礼としての公聴会、ということではなくて、本当に国民国家である限りは、国民の共有の財産である情報を、キチンと国民に提供する、情報を拡大する、という立場からぜひともこの公聴会を稔りあるものにしていただきたい、ということを党派を超えてですね、お願いしたい、というふうに思うところでございます。

それで、私は具体的にはですね、この原子力発電に関しまして、これまで事故や津波の予測などの情報が、公開の基本原則が貫かれなかった、と。原子力基本法の「自主・民主・公開」の「公開」の部分が言わば秘密主義に陥りですね、その結果、安全神話を助長した、ということが大きなこれまでの福島原発事故の経過を見ると、原因の一つとしてあるのではないかというふうに思います。

事故発生後もですね、やはり情報の操作・隠蔽というものがありまして、その結果、極めて重大な被害を県民はじめ東日本全域にもたらしたというふうに思いますので、その現実をぜひとも直視していただきたい、という立場でございます。

で、この今般の法案について申し上げれば、この原子力発電に関する情報が「特定有害活動の防止」やあるいは「テロリズムの防止」の名の下に、「特定秘密」として秘匿され、市民の安全に関わる情報が「非公開」ということになりますと、国民の基本的人権を侵害する結果を産むのではないか、ということで、ここはこの秘密法の制定よりも「情報公開法」の拡大ということに、適切に判断されるのが肝要ではないか、というふうに思います。

で、具体的な事案としてはですね、先程来、お話が出ていますように、2002年の東京電力の原発記録の不正事件、この点は、ありましたように炉心シュラウドのですね、原子炉の心臓部の点検記録の組織的な改竄、ということと隠蔽事件でありまして、当時の南社長以下、東電の取締役が辞任する、あるいは様々な経済団体の長をお辞めになるというような波紋がございましたけれども、現実的には今、お話が先程もありましたが、2年間、内部告発したものが秘匿されたということで、2年後になってようやくこれが情報公開になり、さらには原子力安全保安院などの国の監督責任が問われたわけでして、この時点からやはり、福島県が、そういう意味では、大きく舵を切って国の原子力政策には一切、協力しないという立場を知事が表明するということで、県として原子力行政の体質改善と見直しを国に求めるという大きな事件でございました。

それからこの今般の2011年以降の原発事故においてはですね、先程来、お話が出ておりますように、メルトダウンの事実がですね、隠蔽されている、さらにはSPEEDIの情報公開がかなり遅れた、ということで、原子炉が炉心溶融を起して放射性物質が大量に、しかも広範に拡散するという危険性を基本的には秘密にしたということ、さらに、SPEEDIによって拡散情報が適切に公開されなかった、すみやかに公開されなかった、そのことによって馬場町長さんの浪江町の住民を初めとしてですね、福島県民、国民が無用の放射線被曝を受ける結果になった、ということで、これは痛恨の極みだというふうに思います。

で、このように秘密扱いされた結果が今日の被害の拡大になっているという現実はぜひとも、押さえていただきたいな、とというふうに思います。

さらにもう一つの事案は、東京電力の津波予想、これは震災直後にですね、清水、当時の東電社長を初め、「想定外」の津波による事故で、このような苛酷事故に至ったと、こういうことを主張して、法的には責任ないんだというのとを東電が依然として主張しているわけですけれども、しかし、実際はですね、2002年に政府の地震調査研究推進本部の「長期評価」に対応した断層モデルを提出せよ、という指示のもとにですね、2011年の3月7日です、3月11日の直前です、3月7日に東京電力は福島第一原発および第二原発の津波評価というものを原子力安全保安院の方に提出しております。

そこでは、先程も申し上げました、推本の断層モデルに基いて津波高の試算をした結果、明治三陸地震で小名浜ポイント・プラス13、7mから15、7m、江戸時代の延宝房総沖地震のポイント13、6m、ということで、確実に3.11の東北太平洋沖地震の小名浜ポイント11、5から15、5を想定していたという事実が判明しております。

これは実際、国の方、つまり保安院の方もこの報告を受け取っていながらですね、8月に読売新聞がスクープするまで、この事実を確認しなかったというので、明きらかに隠蔽であったのではないか、というふうに思われます。

こうしたものの積み重ねが、基本的な今日の原発事故による被災の拡大とものに原因としては繋がっている、ということがありますので、原子力発電に関する情報の隠蔽は許されない、(情報公開法の)拡大こそが基本であろうと思います。その意味で福島県議会の意見書というのはまさに県民の意志の表明であるだろうというふうに思いますので、このことは福島県挙げてall福島で、国会の皆さんに要望しているんだということを、肝に命じていただきたい、というふうに思います。

ここでは、文章では、「情報の隠蔽を助長する可能性がある」と。「もし、制定されれば民主主義を根底から覆えす瑕疵ある議決となることは明白である」と、ここまで申し上げておりますので、このことは重く受け止めていただきたいと思います。

さらに、国際連合の「特別報告者の表明」というのが11月21日、ジュネーブで出ておりまして、これは国連の特別報告者というのは加盟国から選出された人権理事会が特定の人権問題に対して調査および報告するということで任命した独立した専門家でありますが、この方たちが日本政府に主に4点ほど、「法案は極めて広範囲」であること、さらには、 「公共問題に関する情報を秘密にすることの正当性」の問題、それから「独立機関の審査が不可欠である」点、さらには情報公開した人の罰則について、それが個人にまで及ぶということは、如何なる処罰も受けてはならない、という点が国際連合の特別報告者から出ております。

従いまして、これらの日本政府に対する質問に対する解答をですね、ぜひ、特別委員会として解答促進を図っていただいて、その上で、この採決の問題っていうのは、取り扱っていただきたいな、というふうに思います。先程から出ておりますように、慎重に取り扱う、あるいは反対、廃案を求める声の方が国民の圧倒的な声でございますので、慎重の上にも慎重に審議を重ねていただいて、全国で公聴会を開催して、国民の声を聴いていただきたい、ということを最後に議長に申し上げまして、私の発言とさせていただきます。

有難うございました。


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