IAEAの福島閣僚会合とフクシマアクションプロジェクト

吉田明子

(2013年1月23日、「女たちの一票一揆」院内集会での報告)

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吉田明子です。私はFoEジャパンでスタッフをしていまして、311の後からは原発エネルギー担当として福島の問題、原発の問題そしてエネルギー政策の問題 に携わっています。今日はIAEAの閣僚会議、「原子力安全に関する福島閣僚会合」が昨年12月15日から17日に開かれました。で、これに対して福島の女たちを初めですね、フクシマアクションプロジェクトという活動体を作って、このIAEAに市民の声を届ける、福島の声を届けるという活動をしてきました。このことについて簡単にご紹介したいと思います。

私は東京からこのプロジェクトに参加さぜていただいたんですけれども、一週間くらいその間ですね、福島と郡山に行ってきました。

IAEA, これは原発推進派の組織として、皆さん、当然、ご存知だと思うんですけど、これはIAEAのホームページで、about usというページを見ますと、このようにatoms for peaceというのが高々と掲げられていると、こういうことになっています。まあ、IAEAの成り立ちとして第二次世界大戦の後に原子力の平和利用という ことで1953年にアメリカのアイゼンハワー大統領がatoms for peaceという演説をしたというところから、それがまあ今にも引き継がれているというか、今だにこういう組織であるというものです。

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こ れは外務省の今回の閣僚会議に関するページなんですけれども、ここに今回の会議のプログラムですとか、様々な決定文書、それから後でご紹介しますけれども 福島県などとの協定文書がすべてこちらにアップされています。外務省のWEBサイトで、今ちょっと分りにくいところにあるんですけれども。

この「原子力安全に関する福島閣僚会合」なんですけれども、開催目的としては国際的な原子力安全強化に貢献することを主な目的としているという風に掲げられ ています。これはその閣僚会議の公式のサイトに載っているものなんですけれども、テーマが3つぐらいありまして、一つは「東京電力福島第一原発事故から得 られた更なる知見および教訓を国際社会と共有」すること。そして「原子力安全の強化に関する国際社会の様々な取組の進捗状況を議論」すること。そして3点目、「放射線からの人及び環境の防護について議論・共有」すること。

で、これと並んでですね、「福島の復興に向けた確かな歩みを国際社会に発する」と。こういったことが目的に掲げられて開催されました。で、これは会場の本会議場の前の一番目立つところに掲げられていたものなんですけど、 making nuclear power safer、まあ、もっと安全にというということが正面に掲げられていました。

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福島県郡山市で開催されまして、こちらの会議はですね、113ヶ国から約700名が参加したということで、この期間中ですね、郡山市はこの関係者、そしてスタッフの方で溢れていたんですね。で、スタッフの方はピンク色のジャンパーを着て、郡山の駅前だとか、各ホテル、まあ一つのホテルでは宿泊できないので何カ所かの、まあ7つか8つくらいのホテルに分れて宿泊していたんですけれども、それぞれのホテルのところにこのIAEA専用の受付があって、そこにまあ、 ピンクのジャンパーの人が常駐している、というような、まあ、ある意味で、賑いで開催されていました。

スケジュールはこんな感じだったんで すけれども、この前に14日に県内の視察ツアーというものが行なわれまして、浜通り・中通り・会津の3るのコースがあったと。そしてその夜に福島県産の農作物の安全に関する説明会のようなものも行われたという、まあ、積極的に復興をアピールするような、まあ;全体的には内容だったですね。

一日目、二日目と、全体会合というか本会合が開かれたいまして、その中では各国からの、117ヶ国の代表がそれぞれの国で原子力の安全についてどう考えているか、というような6分間のスピーチを開催していました。そして、二日目、三日目は専門会合ということで先程のテーマ、福島原発事故からの教訓、そして原子力安全の強化、放射線からの人および環境の防護ということで、それぞれテーマについて専門会合が開催されていました。

これは会場にパネル展示が幾つかあったんでしけれども、子供たちへの放射線教育、まあ、そういった授業をやっているというパネルですとか、それから「県民健康管理調査」についてもこういったパネルが整然を並んでいたんですね。

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これが全体会合の様子でこういう広い会場で開催さていました。

この12月15日、会議の初日なんですけども福島県とIAEAとの間で協定が結ばれました。覚書が結ばれたんですけれども、これは福島県とIAEAの覚書な んですけれども、3種類の覚書が締結されました。一つ目は「福島県とIAEAとの間の実施取決め」、これは福島県とIAEAとの間で今後、放射線モニタリ ングや除染について協力していく、これは三春町、そして南相馬市にIAEAと福島県による共同の研究センターが設置されて、そこでこういった除染の実験な どが行われていく、そして福島県立医科大学とIAEAとの間では県民健康管理調査、そして研究、啓発。この啓発というのは、放射線とはどういうものなのか、そのリスクだとかそういったものについて県民、人々にどう伝えていくか、ということについて協力していくということだそうです。

そして3つめが「務省とIAEAとの間の実施取決め」というもので、緊急時の対応、まあ、事故が起った時の対応について、協力していく。この3つの種類の協定が この会議で結ばれました。とは言っても原発推進のIAEAが福島県にやって来てこの健康問題、そして除染問題その他について協力するということは、 IAEAがチェルノブイリ事故の後にやってきたことを見れば、その影響を過少評価する、矮小化するとぴうことに他ならないだろう、ということで立ち上がっ たのがこのフクシマアクションプロジェクトなんですね。

このフクシマアクションプロジェクトは、今日はいらしていないんですけれども福島の佐々木慶子さんなどが中心になってスタートをしたんですけれども、11月24日に福島でキックオフ会合を開いて、出発しました。その時にはこういった覚書の内容だとか、どういったものになるか、まだ分っていなかったんです。けれども、とにかくこういった決定をする場に福島県民の、市民の声が届かないというのはいかがなものか。そんな県民不在で決めることは許されない、ということで、市民の声をこの場にいかに伝えるか、ということをまず主眼としてスタートしました。

この会議の情報とかも、外務省のホームページにアップされて、なかなか直前だったんですけれども、最初は一般市民の公開は予定され ていなかったんですね。で、それであれば現地の福島の状況については、福島県だとか、県立医大だとかが、代表して伝えるということにはなっていたんですけ れども、それではせっかく福島県で開催するのに市民の声を聞かないで、何の意味のある会議なのか、と。その点について訴えまして、で、辛うじてなんですけ れども、50人程度、事前に傍聴の登録をした人に限っては市民の傍聴も認められるですとか、それから直前になってですね、市民の声を、、福島県民に対する 説明会、どういうことを話して、まあ、郡山市で実際に開催するわけですので、交通規制含め様々な、まあ大規模な催しなので、市民に対してどういう意義があ るのか、どうやっていくのか、その方針などを説明する説明会を開催して欲しいということを要求しまして、これは12月9日の日曜日、この会議開催の僅か1 週間前だったんですけれども、そういった市民説明会が、郡山市で開催されることになりました。

で、その場でもですね、この本会議の場で、被 災者、福島県民の方から直接、意見を述べる場を持って欲しい、直接、会議の出席者に福島県の声を伝える場を設けて欲しいということを外務省に交渉しまし て、で、まあ、検討すると言ってくれたんですけれど、まあ1週間前だったということもあって、その会議のプログラムの中に組込むということは叶わなかっ た、しかし、そいういった声をですね、メールやファックスなどで外務省に贈ればそれを会場に掲示するということはこのフクシマアクションプロジェクトから の訴え掛けによって、実現しました。

これがそのメッセージボードですね。本当に普通のホワイトボードにプリントアウトした物が貼ってあるという簡素なものだったんですけれども、まったくこれが無ければ、政府と福島県が用意した美しいパネルが並ぶだけの会議だったかもしれないっていうところ に、生の声、こうした声が届きまして、資料にもあるフクシマアクションプロジェクトの要請書も、こちらに二日目には貼り出されました。

こういった形で、私たち、外務省と何とかお話しをしたんですけれども、少しずつでも市民の声に耳を固むけようという姿勢を引き出したという点でまあ、こうしたアクションを実際に起したことに意義があったかな、と考えています。

最初は目立たない場所に置かれていましたが、最後の日には、本会議場の目の前のよく目立つ場所に貼ってありまして、参加者の方も、「結構ですね、生の声」ということで、興味深くこの掲示板に立ち停って読んでいたり、写真を撮っている方もたくさんいたそうです。

これは12月15日なんですけれども、その要請書ですね、これをIAEAの担当の方に直接手渡ししたいという、この要求も佐々木慶子さんを中心に粘り強く外務省に交渉していまして、ついに実現することになりました。15日11時半からですね、何と30分以上にわたって、この寒空の下ですね、IAEAのスポークスマン、広報官の方が出てきて、この要請書の読み上げ、そして現地からの直接の声を聞いてくれました。

で、フクシマアクションプロジェクトとしてはそちらに要求事項を書いてあるんですけれども、1月の末までに文書で回答して欲しいということを伝えまして、その広報官の方からは、その点は強調して本部に伝えるという回答をいただいています。

もう一つ注目していただきたいのはこの被っているお面なんですね、これは人見やよいさんがデザインをしてくださったんですけれども、IAEA、福島でこれか ら活動していくんですけれども、決っして過少評価を許さない、それをしっかりと見ているという意志を込めたこの「眼」を着けてこのアクションをしました。

そ して12月16日、会議二日目なんですけれども、こちら市民会議を開催しました。で、フクシマアクションプロジェクトの関係者、そして海外からですね、 IAEAの本部があるウィーンからFoEオーストリアのラインハルトさん、そしてWHOの本部のあるジュネーブやパリのフランス厚労省の前で活動している クリストフ・エランさん、このIAEAやWHOに対して市民活動を続けているこのお二人を招いて、今後フクシマアクションプロジェクトはどういった姿勢で このIAEAを監視していくべきかということについて、会議を開催しました。

で、ここに元外務省の天木直人さんもいらしていただきまして、 ワワワの会のイベントのチラシが入っていますけれど、天木さんからは元外務官僚といった立場としてたいへん興味深いお話しをいただきました。まあ、外務省 の役人という、まあ、中にいるとですね、本当に大きな権力が動かす大規模なプロジェクトを淡々と進めなければいけない、そうすると市民の声とかを聞いてい ると、それを進めることができない、だから外務省の官僚は不勉強だし、情報もなかなか取り入れようとはしないというようなことを言っていました。本当にそれ、私たちのこのフクシマアクションプロジェクトを通じて外務省の方と話している中で感じたことなんですね。

で、その12月9日の説明会で も説明にきた外務省の方はですね、IAEAとWHOの協定についても、チェルノブイリの影響についても、知らなかったという風におっしゃっていました。で すので、まあ、粘り強くですね、コミュニケーションをして情報を伝えていくということが今後も引き続き必要だと実感しました。フクシマアクションプロジェクトは今週末、会議を開いて、継続していきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。


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