毎年群れをなしていた赤トンボが、今年は1匹しか来ませんでした

森園和重

2012年10月13日、「さようなら原発集会in日比谷」(東京・日比谷野外音楽堂)での報告

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皆さん、今日は。福島県から参りました。

始めに、今年の夏休み、全国の皆様のご支援により、福島県の子どもたちがこの夏も保養に出掛けることができました。本当に感謝いたします。有難うございました。

忘れてはいけないということを3つ、まずお話しさせていただきます。1つは福島原発告訴団について、ご存知の方、手を挙げていただけますか?有難うございます。今日、ここに参加された皆様にぜひとも、告訴人になっていただきたいと思います。1年7ヵ月たった今も原発事故の責任を誰一人取っていません。告訴は今月一杯、受け付けていますので、よろしくお願いしたいと思います。11月15日、福島地方検察庁に提出いたします。後ろの方のブースに資料が用意してございますので、詳細はそちらでお尋ねください。よろしくお願いいたします。

2つめは福島集団疎開裁判についてです。現在、仙台高裁で審議中です。第一回の審訊は10月1日に行なわれました。第2回の審訊は11月26日です。疎開裁判の詳細についてはこちらのブックレット600円にて、説明していますので、ぜひ、お買い求めいただいて、お勉強していただいて、皆様に広めていただいたら、有り難く思います。こちらもよろしくお願いいたします。

3つめは、原発事故子ども被災者支援法、正式名称、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住人等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が、今年の6月21日に超党派の議員の皆様の力により、国会で成立いたしました。この法律についての話し会いが今日も郡山で行なわれている予定になっております。私も今日、こちろの集会とデモを終了後、すぐにトンボ返りする予定でおります。

この3点をお伝えするという私の大役をまずは果したと思います。

続いて、今回も何時ものように、私のお話しをさせていただきたいのですが、話が飛んでしまうと分らなくなってしまうので、書いてきたものを読まさせていただきます。

今年の夏、我が家のある、私の住んでいる地域では蚊や娥やコガネムシがほとんどいませんでした。ゲリやドーウも昨年より少なく、コンビニエンスストアの青白い光に飛び込む網いっぱいの虫たちの姿もまったく見掛けませんでした。今年、お米の収穫期を迎えた田圃から、毎年、聞こえてくる雀避けの空砲の音を一度も聞きませんでした。毎年、夏の終りに群れる赤トンボが、今年は我が家の庭に1匹しか飛んできませんでした。コオロギや鈴虫、スイッチョンやバッタも弱々しい鳴声です。

福島の子どもたちはこの夏も虫に、昆虫に触ることはできませんでした。毎年、沢山、沢山出ています。去年の方がまだ元気でしたが、今年はなぜか皆、弱々しいです。この先、昆虫たちの姿を見ることができるのでしょうか。子どもたちに既に出ている健康被害、無色透明、無味無臭の放射性物質。今日も容赦なく私たちに降り注ぐ放射線。

これはある小学校の線量です。遠くの方、見えないと思いますが、その小学校はテレビにも放送され、有名な小学校でした。除染に継ぐ除染を重ねても、先日、9月29日、線量を測ってきました。5,736μSv/hです。5マイクロあります。こんなホットスポットが、校舎の中にもまだまだ点在しています。こういうホットスポットが、郡山市、福島市…福島県の中にはまだまだあります。そんな中で先日も郡山市ではシティマラソンが開かれました。昨年夏からマラソン大会、駅伝大会、ビール祭り、ラーメン大会、屋台や出店、そして先日、霧雨降る中で、神輿を子どもたちが引いていました。放射能の雨です。

その霧雨の中で子どもたちが楽しそうに太鼓を敲きながら神輿を引いているんです。誰がやらせているんでしょう? でも本当に子どもたちは雨に濡れながらも楽しそうでした。

企業、商工会議所、教育界、医学界までもが行政と結託して昨年早々から「安全安心キャンペーン」を繰り広げてまいりました。それを垂れ流し続けた読売朝日。大手メディア。原子力事業は国策であると言い放ち、原子力村の言うがままに放送を続けたNHKの大罪、どう責任を取るんでしょう。

でも、私たち大人の責任でもあります。私の責任でもあります。無知で無関心で、数十年生きてきました。もっともっとどこまでもどこまでも貪欲で強欲で…そんな人間たち。地球は私たち人間だけのものではありません。

12月15日から、IAEAが郡山で会議を開くそうです。原子力村が何をしに日本に来て、居を構えるのか。原子力産業を海外に輸出し続ける東芝・日立・三菱の皆さん。皆さんにお聞きしたい。私たちの命と健康をどう考えているのか。この時、この瞬間の福一では原発事故の収束の作業を続けられている作業員の方々たちが、約3000名いらっしゃいます。今年の夏は本当にうだるような暑さで、ご無事でいるかと、皆、祈っていました。6割が福島県民です。被害者が加害者に雇われているのです。これが現実です。

皆、家族を守るため命を守るため、生活を続けるため、日本を守るため、高線量の中で、命懸けの作業です。何時また地震が来るかも分らない。私はこうして東京に出て来る度に、連れ合いにメールをします。「大丈夫ですか?地震は来てないか?」必ず確認を取ります。何もなかったように生活をしている福島気県民も、地震や余震があると、福一は大丈夫かと、連絡を取り合います。どんなに「安全安心キャンペーン」を張られても、地震があると一瞬で311の時に戻ります。

原発事故後、窓という窓を締め切り、目張りをして揺れるカーテンを見て過した恐怖が甦ります。今度こそ風向きを確認して逃げようと、もう二度と再び地震は起きませんか? 誰か断言できますか? 福一は収束していません。ここ東京が何も変わらず、安全に生活できているのは、福一で収束作業にあたってくれている被曝労働作業員の方々がいるからです。そのことを絶対に忘れないでいただきたいと思います。

人間の手に負えない原発は、もう作っても再稼動してもいけないのです。最後に、日本人の女性の皆さん、世界中の女性の皆さんに、繋って、No Nukes、原発はいらないよ、止めようよ、と声を挙げていただきいと思います。そしてそれをサポートしてくれる男性の皆さんも、一緒になって、絶対に、再稼動された原発、これを止めて、廃炉作業も被曝が少ない綿密な計画のもとで、行われるように、行動していく、皆さんと一緒に、進んでいきたいと思います。

今日はお話を聴いていただいて本当に有難うございました。


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