南相馬のセンター予定地

竹内雅文

福島県の環境創造センターは、三春に建設されるものが基幹施設であるということにようですが、さらに南相馬市ほか数カ所に関連施設が建設されることになっています。

うち、南相馬の施設の建設地は基幹施設よりも一足先、2012年の9月に発表されています。原町区の萱浜(かいばま)にある市営のニュースポーツ広場と言わ れている場所です。遠目には木立の手前に芝生が拡がっているように見えますが、近寄ってみると、ここはパークゴルフ場です。

浜通りはパーク ゴルフが人気があるそうで、あちこちの町村にパークゴルフ場があるようです。ただ、市としてこの土地を保有しているのは、工場や企業を誘致するためなのだ とも言われてきました。ここがパークゴルフ場になったのは、震災より後で、鹿島区の牛島にあった施設が津波で壊れてしまったために、代替施設としてここに 仮設されたということのようです。

2012年1月27日に市はここの一角に「放射線対策総合センター」を開いています。市の広報によると、ここの敷地は28アール。建物は床面積513平方メートルの鉄筋平屋であると言いますが、大きなプレハブのような外観です。

市のWEBサイトには「被災した地元企業や福島大、東北大、北里大の研究チームなどが入居します。企業は食品や工業製品の放射性物質の測定、効率的な除染方 法の開発、各大学は放射能が環境や家畜に与える影響などの研究を行います。」と書かれていて、市の「対策総合センター」という名称の施設であるのに、市そ のものがここで何をするのかははっきり書かれていません。

センター設立の発表された2011年の10月には、ここで、被害補償の相談を受け付ける、雇用確保の拠点とする、人材育成の場とする、といったお題目が並んでいたように思うのですが、どこかへ消えてしまったのでしょうか。

もう一つ、この敷地には、この市のセンターに隣接して「原子力災害対策センター(オフサイトセンター)」を建てるということも発表され、2013年7月25 日には基本・実施設計業者の入札も行われました。「建設新聞」の記事(WEB版)によれば、エスデー設計研究所が落札したということです。

オフサイトセンターは原子力災害対策特措法によって、事業所ごとに設置するということが義務付けられています。これは原子力発電所で事故が起きた時の復旧拠点になるはずの施設ですが、福島原発事故の時に、大熊町のオフサイトセンターは何の役にも立たなかったようですが、その後、どうなったのでしょうか。

現在の破壊された福島第一でさらに事故が起きた場合、オフサイトセンターがどう機能するのか、分りにくい話ではありますが、とにかく、現在の状態は違法の状 態のようです。で、福島県が改めて整備するということなのですが、費用は国が負担することになっています。またこのオフサイトセンターは福一専用で、福二 用には別のセンターを楢葉南工業団地
に作るのだということです。

東日本大震災の時、萱浜では、ヨッシーランドという老人保健施設が根こそぎ流され、入所されていた方々が悲惨なことになったのですが、そこから数百メートル中に入っただけの平地にオフサイトセンターが作られるというの は、理解し難いことです。国も県も、よほど緊張感がないのでしょうか。

さて、その同じ敷地に、環境創造センターもできるとなれば、ここは文字通りの原子力村ですね、規模は小さいですが。

「基本構想」によるとこの施設はセンターの「B施設」と位置付けられ、延床面積:3,000m2程度、鉄筋コンクリート2階建1棟とされています。B施設の機 能は 1 原子力関連施設周辺のモニタリング 2 原子力関連施設の安全監視 と記載されているのですが、何のことでしょうか?

文字通りに考えれば、福島第一の周辺をモニタリングし、監視するということになります。ならば浪江町にでも作れば良いので、25kmの距離があるこんな場所に作るのか、説明が欲しいところです。浪江の住民には家に帰れるかの幻想を押し付けておきながら、結局、自分たちは、そんなところで働きたくない、という考えでないのだとすれば、きちんと説明しなさいよ。


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