IPPNWドイツ支部のアレックス・ローゼン(Alex Rosen)小児科医が「IPPNWのUNSCEAR報告書の批判的分析」について説明:”Nuclear Hotseat” ポッドキャストから…(2)

グローガー理恵

6. UNSCEARは非がん疾病および遺伝的影響を無視している

LH:(30:28)  これは、IPPNWがUNSCEASRに対して申し立てた異論表の中で、私にとっては大変に印象深い点だったのですが、非がん疾病と遺伝的影響がUNSCEARによって無視されているということですね。

AR: そうなのです。これは、また別の大きなイシューなのです。長年の間、私たちは、放射線、電離放射線が、「がん」だけでなく、例えば、心臓血管系疾患、緑内障、心理的/神経的影響、内分泌系疾患、甲状腺疾患などのような非がん疾病も誘発するということを知っているのです。

私たちは、これら全てのことを、広島や長崎の犠牲者達や、また、チェルノブイリのリクビダートル(爆発の後に事故処理のために現場へ送り出された人々)からも認識しているのです。そして、このことはUNSCEARによって完全に無視されました。彼らは、あたかも、それを証する科学的証拠が存在しないかのように振る舞っています。しかし、例えば、広島や長崎で低線量被曝をした人々の中に心臓血管系疾患や甲状腺疾患が発生したという放射線による顕著な影響を明らかにしている、多数のスタディーが存在しているのです。

そして、同じことが、例えば、私が前に言及しましたティム・ムソーによる動物の研究調査のような、将来世代における何世代にも及ぶ影響や遺伝的影響に当て嵌まるのです。そればかりでなく、英国の核作業員の子供たちにおける白血病罹患率の増加ー 子供たちの親が放射線被曝した場合ー も同様のことなのです。したがって、これらの影響/結果は簡単に言い逃れができるようなことではないのです。しかし、この事実はUNSCEARによって簡単に無視されました。

7. 核フォールアウトと自然放射線の比較は誤解を招く

LH:(32:13) さらにIPPNWの分析によりますと、UNSCEARは、核フォールアウトと自然放射線とを比較することで誤解を招くようなことをやったということですが…。

AR: これは、UNSCEARや他の機関/組織が度々やっていることなのです。彼らは、「やあ、私たちは、年間1ミリシーベルトか2ミリシーベルトの追加放射線量について議論してるだけのことだから、これが実際に有害だなんてことはあり得ないよ。だって、自然バックグラウンド放射線なんていうのは、もうすでに年間で2ミリシーベルトになるんだから。」と言っているのです。

ここが、彼らの誤っているところなのです。明らかに、自然バックグラウンド放射線というものは、私たちが完全に避けられることができないものです。そして、世界にはバックグラウンド放射線量が他の地域よりも高かったり低かったりする地域があるのです。しかし、研究調査が再三再四、明らかにしていることは、線量が高い地域では実際に、より多くのがん発症があり、線量が低い地域における人々のがん罹患率はもっと低いのです。

そして、地殻内の放射性物質が多い環境に住んでいるために、より多量のラドンガスに晒されている人々における発がん率はより高く、飛行機で旅することが多い人達、大西洋横断飛行は宇宙放射線に照射される度合いが増えますが、このような人達における発がん率は高くなります。より高いレベルの地殻放射線に晒されている人達においても、がん発症率がより高くなります。なぜなら、がん、または、発がんするリスクと被曝線量の相関関係は直線的であり閾値なしの直線で、それはゼロまでに下がります。低い放射線量でさえも、かなりの、がん発症のリスク上昇をもたらすのです。そして、彼らが人々に伝えようとしているような、ある境界値以下だったら安全であると言えるような閾値なんてないのです。

フクシマのフォールアウトのために、年間たったの1ミリシーベルトか2ミリシーベルトの被曝線量を浴びるのだとしたら、あなたは心配することは何もありません、というのは真実ではありません。これは、ある人が、「いいかい。君が一日に一本のタバコを吸っているだけのことじゃないか。それはみんながやっていることだよ。だから心配することなんてないよ」と、言っているようなものです。

でも、健康な生活を営みたい人達、放射線に晒されたくない人達、発がん率の上昇を望まない人達、ー 彼らは、健康で核フォールアウトによる放射能汚染のない環境に住む権利を持つべきです。これは人為的なものであり、防ぐのが可能なことなのです。フォールアウトが起こったために、もうそれを防ぐことができない地域に居る人々には汚染区域を離れて別の場所へ移る選択が与えられるべきです。ーでも、そのようなことは、起こっていないのです。

8. UNSCEARのデータ解釈には疑問がある

LH:(34:32) 次の結論はナンバー8です。私は、これは、見事で控えめな表現だと思うのですが、IPPNWが

UNSCEARのデータ解釈は疑わしいと述べていることです。

AR: はい。 私たちがここで、意味していることは: それは、単に、データと仮定についての基本的な算定に関するだけのことではないし、また単に、彼らの算定の方法に関するだけのことでもない。しかし、最終的には、結論を引き出すことであり、結論として、「オーケー。これで、我々は(UNSCEARは)、何人の死亡者、もしくは、何件のがん症例数が予測されるのかを推算することができる」と、述べることができるのではないだろうか、という意味です。

しかし、UNSCEARはそういったことをしていないのです。彼らは自分達が出したデータについて真剣に考察していないのです。そうです。私たちの言っていることは、両天秤策のようなものです。一方で、私たちはUNSCEARがシステマティックに過小評価していると批判し、他方では、UNSCEARは少なくとも、自分達の手中にあるデータを利用して、それらを、人々が理解できるような方法で解明するようにせよ、と求めているのですから。

これが、住民が晒される集団線量であると人々に告げたところで、それが大いに役立つとは言えません。なぜなら、集団線量の数値をもらったところで、人々は実際、何もすることができないのです。しかし、公にアクセスが可能であるリスク係数を実際に用いて、健康影響はどうであるか、何件のがん症例数またはがん死亡をもたらすかを算定するのです。そうすれば、人々に、実際に何が予測できるのかということを教示することができます。同時に、私たちが前述しましたような要因が理由となって、おそらく、これらの予測や評価はやはり過小評価になるものと、私たちは述べなければなりません。

9. 政府によってとられた防護措置が誤って伝えられている

LH:(36:07) もうひとつ持ち出された批判というのが、政府によって為された防護措置が誤って伝えられているということですが…..。

AR: そうです。UNSCEARは報告書の中で、「もし政府が、あれだけよく住民を防護していなかったのなら、住民の被曝線量はもっと高くなっていたであろう」と言及しているのです。

日本の住民がもっと高い放射線量に晒されたかもしれないということは、明らかに事実ですが、私たちは、日本政府の素晴らしいクリーンアップの努力とか素晴らしい防護への努力とか言って、喝采を送る気にはなれないのです。なぜなら、福島で実際に何が起こったのかと言えばーこれは私たちの意見ではないのです、これは日本の国会事故調によって言明されたことなのです: 「住民を実際には守るべきであったはずの危機管理体制がまったく機能しなかった。完全なる大混乱の中で、住民は何をしてよいものか分からず、手元には何のプランもなく、首相は完全に不意打ちを喰わされた状態であった。例えば、彼は、住民に放射線の拡散状況を知らせることができたはずである、緊急時環境線量情報予測システム(Speedi)の存在を知らなかった。それどころか、ある人々は低線量の区域から高線量の区域に避難させられた。なぜなら政府の上層部において誰一人として、このシステムが存在することを知らなかったからである。」

私たちは皆、安定ヨウ素剤が、核災害によって放出された放射性ヨウ素が甲状腺へと入り込み、甲状腺がんを誘発するのを防ぐことができることを知っているのです。しかし、日本では、集団パニックを防ぐために、ヨウ素剤は住民に配布されませんでした。ですから、災害への緊急対応や避難、避難範囲やクリーンアップの取り組みに関してたくさんの問題があるのに、「全てが完璧でうまくいった。そうでなかったら災害はもっと大変なものになっていたのだ」と、実際に述べるのは、まったく有益なことではありません。

「緊急対応が如何に酷かったのか、何をもっと適切に為すことができたのか」との国会事故調の批判に、私たちも加わるということは、この時点で、まさに適切なことだと感じています。なぜなら、私たちは、50以上もの原子力サイトがあり地震多発国である日本において、核事故はいつでも起こり得る可能性があるという問題について論じているからです。それは一度起こったことなのだから、もう二度と起こるようなことはない、というようなことではないのです。私たちは、チェルノブイリから、フクシマから、ハリスバーグ(スリーマイル島原発事故)から、核災害というはいつでも、どの国でも起こり得るのだということを知っているのです。住民のための安全対策と公衆安全を改善するために、「今回は、全てがうまくいった」と、単に述べるだけのことでは何の役にも立ちません。なぜなら、そうでは、なかったのですから。

そして、明らかに、もっと酷いことになっていたかもしれないのです。そうです。日本は、言わばラッキーだったのです。風が東方に向かって吹いていたために、放射能の80%以上が海の方へと吹かれていったことで、日本の人達はラッキーだったのです。もし風が、たったの一日でも南方向へ吹いたのだとしたら、首都東京は放射性フォールアウトを被っていたことでしょう。これは、それが、どんなことをもたらしたのであろうかと想像したくもないようなことなのです。しかし、実際において、一日だけ風が北西方向に吹いたということが、今、私たちが見ているような、放射性フォールアウトの影響を受けた都市やコミュニティーにおいて、ほとんどの問題を引き起こしているのです。そうです。ある意味で、この核大災害はもっと酷いことになっていたかもしれないと言えます。

10. 集団線量推計値からの結論が提示されていない

LH: (39:27) 最後のポイントは、集団線量推定値からの結論が提示されていないということですが……。

AR: はい。私が言いましたように、UNSCEAR報告書は集団線量推定値について言及しています。これは、UNSCEARは、今後何十年間の間に、日本国民が「何人・シーベルト」に晒されるのかということを述べているわけですが、彼らは、それが人々にとって、どんなことを意味するのか、実際に述べていないのです。例を挙げてみますと: UNSCEARは、日本全国の生涯線量の集団積算線量が【48,000人・シーベルト】になると述べています。合計集団線量(生涯線量の集団積算線量)とは、フクシマ核事故のために被曝した日本における全ての人の生涯における、一人当たりの個人被曝線量の全てを加算したものです。これが【48,000人・シーベルト】なのです。

そして、国際的に認められているリスク係数を使って、これを計算しますと、日本におけるがん過剰症例数が4,000件 から16,000件になるとの結果が出ます。これは、すでに説明しましたように、過小評価されたものをベースにしているのです。

したがって、もし、実際に正しいデータおよび正しい仮定を用いるのだとしたら、この数値は、おそらく、もっとはるかに高いものとなるでしょう。しかし、UNSCEARが表示し算定している数値だけを用いるのだとしたら、4,000件から6,000件のがん症例の過剰発生、2,000件から9,000件のがん死の過剰発生を論じていることになります。

すなわち、もし、フクシマ核災害がなかったら、がんを発病しなかったであろうという人々が、フクシマ核災害が誘因となってがんを発病する、そういった人々の数が16,000人になるであろうということです。また、化学療法、手術もしくは放射線治療を受けて生き延びる人々は多数いるけれども、フクシマ核災害によって誘発されたがんのために死ぬ人々が9,000人もしくは9,000人以上ちょっとになるであろうということになります。このことは、人々に知らされなければならない事柄です。

これは、認めなくてはならないことであり、「いいかい、聞いてくれたまえ。フクシマは大惨事だったのだ。だから、こういった結果を誘発することになるのだ」と、言わねばなりません。そして、私たちができることは、ー ①実際に食物の放射能汚染を厳しくコントロールすること、②人々を、特に若年世帯と子供たちを放射能汚染地域から移住させること、③彼らが放射能汚染区域を離れるために、私たちができる、ありとあらゆる全ての支援を提供すること、④がんや他の疾病を早期発見して、より良い治療が施されるために充てられた健康管理と健康診断を提供することー によって、この数値を低減させるように試みることです。

しかし、これに関しては、ほとんど何も起こっていません。人々は、経済的要因のため、放射能汚染された地域へ帰還することを奨励されている、これが事実なのです。彼らは、これらの地域が空になってほしくないのです。彼らは、この核災害が起こったことを忘れたいのです。彼らは、人々が何事もなかったが如く、いつものように生活し続けていってほしいのです。彼らは、これから何十年間の間に核災害による健康影響が生じることを認めたくないのです。彼らは、人々が、健康被害に苦しむであろうということを認めたくないのです。私が、ここで「彼ら」と呼んでいるのは、核エネルギーからお金を受け取っている、核エネルギーの陰に潜む原子力ムラの政治家たち、核エネルギーを支持する会社、国家の規制機関を指しているのです。

「彼ら」の全てが、この大惨事を隠蔽しており、UNSCEARもこの動きの一部なのです。UNSCEARは「彼ら」を援助しています。 私たちは、科学者として医師として、このことを、すなわち、UNの組織体が実際にこの大惨事を隠蔽して取り繕っていることが、容認できないのです。

ーIPPNWによるUNSCEAR報告書の破滅的分析ー

LH:(42:44) これは、UNSCEARおよび彼らの報告書の破滅的分析ですね。あなたの評価では、UNSCEARによるこのような振る舞いは、意見の相違や彼らが用いているデータの別の解釈から来ているのことなのでしょうか、それとも、核産業を守るためのUNSCEARによる虚言やプロパガンダが多少あるのでしょうか?

AR: これは取り組む上で、とても困難なイシューだと思います。まず、UNSCEARはUNの組織体なのであるということを分からなければなりません。そして、UNの組織体として、UNの加盟国が派遣団員や代表者を、この組織体に派遣しているのです。ここで問われることは:「どの国が代表者を派遣しているのか?」ということです。それは、原子力国家です。それは米国であり、カナダであり、ドイツであり、日本であり、インドで…..あるのです。

これらの国は核エネルギーを保有しており、核プログラムを持てる能力があるのです。そして、明らかに、これらの国には、核エネルギーおよび核能力を保持していく上での既得権益があります。したがって、彼らは、核プログラムから直接出てきた科学者や、これらの核プログラムの中で育て上げられた科学者をUNSCEARに派遣しているのです。それらの科学者の中には、IAEAで専門家として働いてきた経歴のある科学者もいますし、核燃料企業で働いてきた科学者もいます。

ですから、これらの人達が核エネルギーに批判的であるとは言えません。核エネルギーや電離放射線による健康被害に関する批判的論文を発表した何れの科学者もUNSCEARに入るのを認められたことがありません。UNSCEARは、原子力国家の権益を代表する科学者達のクラブなのです。このことに人々は気づかなければなりません。UNSCEARは、独立した研究組織体ではありませんし、一方では、批判的な科学者で成り立っている組織体ではなく、他方では、核を支持する科学者で成り立っている組織体なのです。

UNSCEARは全くの核支持派です。UNSCEARのメンバーには、自分達の国で、一生涯、核産業のために働いてきた科学者達がいます。また、UNSCEARの報告書に引用されている科学者にも、やはり自分達の国で、一生涯、核産業のために働いてきた人達がいるのです。ですから、私は、彼らが虚言していて、プロパガンダをやっているとまでは言いません。しかし、彼らの思考は集団思考であり、彼らは非常に核支持派である組織からの出身者なのです。

彼らは決して異なった見解などを耳にしたことがないのです。そして、彼らは、全く逃れることが不可能であるような特定の意見/判断の偏りを持っているのです。科学において、真の科学において必要なことは、科学者それぞれが様々の異なった意見を持っていて、種々の異なった分野からの科学者達がお互いに論議しあい、実際に、各々の仮説を査定して、それぞれの見解をお互いに評価し合うことです。そうすれば、そこから最終的に出されるものが、可能な限り、真実に近い結論となるのです。ですから、私は、UNSCEARが故意に虚言しているとかプロパガンダを用いているのだとは言いません。しかし、私が言わなければならないことは、UNSCEARの情報と論文は、そのために、誰が勘定を支払っているのか、また勘定支払人はどこから来ているのかを明らかに示しているということです。

ーIPPNWの批判的分析は、メディア、政府、UNSCEARによってどのように受けとめられたか?ー

LH: (45:41) IPPNWの批判的分析はメディアによってどのように受けとめられたのでしょうか?それに対する政府からの反応はありましたか?UNSCEARはIPPNWによる批判的分析の存在を認め、それに対して応答してきたのでしょうか?

AR:  大変に興味深い質問です。私たちは、この批判的分析を公表する前にUNSCEARから連絡を受けました。去年の10月、UNSCEARは、彼らの報告書の一種のエグゼクティヴ・サマリー、ティーザーと言うかプレビューのような類のものを国連総会で公表したのです。それで私たちは、そのプレビューを読んでから、即座にUNSCEARに返答を出して、彼らに告げました。:「さて、聞いてください。私たちは、あなた方のエグゼクティヴ・サマリーを通読したのですが、私たちには、これらの点、イシューに問題があるのです。これらの点を、私たちは批判的に見ているのですが、あなた方は、私たちと意見交換をしたくありませんか?」

そこで彼らが何をしたかと言いますと、実際に、彼らは私たちの言い分を幾らか受け入れたのです。今、私たちは、彼らの最終報告に、幾つかの私たちの表現や言い分を見つけています。しかし結論は、そのまま、以前と同様です。

私たちがUNSCEARに宛てた最初の文書の中で、私たちは、彼らを、こう批判しました。: 彼らは象牙の塔に座っていて、実際に、遠方の他国に住む人々の一人一人が持つ苦悩や個人個人の状況を検討することなしに、これらの人々についての判決を下している。そして、ただ、「心配することはないですよ。全て、大丈夫になるでしょう」と言っているが、実際に福島に行って、そこの人々と話をして、彼らがどのような状況/気持ちでいるのかを尋ねることもしないでいる。

それで、UNSCEARの最終報告書で彼らが述べている結論は同じです。ー「全て、大丈夫になるでしょう」ーでも彼らは、そこに「被災者達が苦しんでいることを認識し、現地の人々の一人一人のストーリーに気を配ることは、明らかに非常に重要なことである」との文章を付け加えているのです。

ですから、私たちは、ある意味では、彼らが応答してきており、私たちの批判をいくらかは取り上げたのですが、彼らの結論においては何も変わっていなかった、と見ています。私たちは、何れにせよ、そのようなことを期待してはいません。また、UNSCEARの組織を弱めるようなインパクトを与えるようなことも期待していません。なぜなら、明らかに、彼らは、批判的思考もしくは、核エネルギーに関する批判点を許さないようなバックグラウンドから来た人達なのですから。

彼らがお金を儲け、このような地位に収まって、UN組織体の中で世界中のあちらこちらを飛び回っていられるのは、彼らが核エネルギーに批判的であるからではなく、彼らが、政府に、こう言ってほしいと頼まれたことを言っているからなのです。

私たちの論文に対するメディアの反応に関してですが: 2つの大きな記者会見がありました。ひとつはニューヨークの国連の前でヒューマン・ライツ・ナウと一緒にした記者会見と、もう一つはベルリンでの記者会見でした。

両方ともかなりよい参加者数でした。私たちの所見に関しての、テレビ出演もありました、新聞記事にもなりました、ラジオでも放送されました。

全体的にみれば、これは、とても科学的で特定なテーマですので、メインストリームメディアには余り受けません。でも、それが私たちの意図ではないのです。私は、今後何年もの間、UNSCEAR報告書が言及され引き合いに出されることになり、人々は常に、「そうだね。UNSCEAR報告者は、ああ述べているよ。こう述べているよ」と言うことになるだろうと考えています。

私たちの意図は、人々にUNSCEARとは別の見解を提供したいということだけなのです。私たちは、「そう…UNSCEAR報告書ではそう述べられているかもしれないけれど、UNSCEAR報告書に書かれていることが実際に真実なのか、私たちの批判と疑問について読んでくれませんか」と言いたいのです。私たちは、私たちが真実を自分達の掌中に握っているのだとは思っていません。IPPNWの組織は余りにも小さすぎますし、日本における何十万人という人達を対象にして、実際に、これらの人々にどのような影響が及ぼされたのかを突き止めていくための非常に大規模な研究調査を行うには、私たちのリソースは余りにも限られています。

しかし、私たちが科学者および医者として、また人間としてできることは、批判的な疑問を提示して問うていくことです。: 「これは本当に信じられることだろうか?これが本当に真実なのだろうか?」と。そして、この私たちの「問い」を理解してくれたジャーナリスト達は、私達が、- ①自分達の患者を、とにかく守りたいと試みている、②公衆衛生に害をもたらしている産業ロビーに立ち向かおうと試みている、③放射能汚染のない健康な世界を促進している、 – 医者達なのである、ということに気づいてくれたのだと、私は考えます。そして、彼らは正しく理解してくれており、私たちのメッセージを広めてくれるものと、思うのです。

私たちは、これから何年か何十年か後に、人々がUNSCEAR報告書を考察するとき、IPPNWによる批判的分析も見つけてくれ、その結果、彼らが、UNSCEARの調査結果について、より批判的で偏らない見解を、おそらく、持ってくれるであろうということを望んでいます。

ー どのようにすれば、この重要な分析に国際的注目が向けられるようになるか? ー

LH:(49:49) この重要な分析に国際的注目が向けられるように援助するために、私たちは何をすることができるでしょうか?

AR: そうですね。 今、私たちは、このIPPNWの批判分析を、この10月に催される国連総会で、UNSCEAR報告書を再検討することになっている様々な国連代表団に、実際に届けようと試みています。

個人、ブロガー、ジャーナリスト、このテーマに関わっている全ての人ができることは、この情報を広め、こう述べることです: 「そう。これがUNSCEAR報告書です。読んでごらんなさい。いろんな情報を見つけることができます。それから、これがIPPNWによるUNSCEAR報告書の批判的分析です。これは、UNSCEAR報告書の限界や問題点がどこにあるのかをよく理解するために役に立ちますよ。」

例えば、あなたの(Libbeさんの)ショーやブログ、Wikipedia記事のようなニュース・アウトレットを通じて、誰かが、この情報をもっと広く知らせることができれば、ですね。ー 私は、この情報が人々に届くことがとても重要だと思います。

この情報をもっと広く知らせることができる人とは、自分のクラス・プロジェクトのための調査をしている学生になるかもしれません。自分達の生徒に何を教えていこうかと探索している先生になるかもしれません。政策を形付けるために調査している政治家たちや彼らの助力者かもしれません。バックグラウンド調査をしているジャーナリストになるかもしれません。または、原子力発電所に近接したところに住んでいて、フクシマで何が起こったのかを知りたいと願っている一般大衆かもしれません。

これら全ての人々は、企業・産業、ロビー団体の利害関係、強力なロビー団体によって色づけされていない、そして、フクシマ・フォールアウトの結果として電離放射線がもたらす健康影響について、実際に理解しようとの意図を持った医師達や科学者達によって注釈された、「UNSCEAR報告書に対する科学的で偏りのない取り組み方」から学び、利することになるでしょう。

LH: 以上はアレックス・ローゼン、ベルリンからの電話でした。彼はドイツ人の小児科医、IPPNWドイツ支部副議長、IPPNW理事会の前副会長です。彼が言及していたUNSCEAR報告書の批判的分析は英語、独訳、和訳があります。

以上

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye2779 :140927〕


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