フクシマ・アクション・プロジェクト共同代表の皆様へ


2013年3月22日

小渕樣、武藤樣、関樣

2013年3月12日付けの天野之弥事務局長へのお手紙を、ありがとうございました。

手紙は確かに事務局長自身が受け取りました。皆様にIAEAの公式報道官として皆様に今一度、お答えいたしますのは、事務局長の指示によるもので、彼の許可を得て、機関の意見を表明させていただきます。

正確を期すために一言指摘させていただきますならば、私が皆様からの手紙を声を上げて読んだという皆様の言明は正しくありません。事実は、私は手紙が日本語で読み上げられ、続いて英語に翻訳されている間、じっと聴いていたのでした。

皆様方のご質問に対し、私共の前回のご返事がIAEAの立場を一点一点ごとに指摘するまでもなく、明確にご説明していると、私は信じております。

あのお答えは、まず英語で書いてから翻訳したのではなく、最初から日本語で書いたものです。皆様ご自身の請願書が日本語で提示されたものだったからです。ですので、微細な点が間違っている、といった危険性もありませんし、公式な英語の翻訳も用意されませんでした。

敬具

ジル・チューダー
国際原子力機関、報道官/メディア広報部門責任者

IAEAは核推進派の機関です


2013年12月15日に、郡山で国際会議を開催したIAEAに対して、フクシマアクションプロジェクトが提出した要請書に、2013年1月17日 付で、広報官ジル・チューダー氏名の回答が寄せられました。この中でチューダー氏は「現在IAEAは原発を推進するという立場をとっておりません。」と書 いています。

けれども、「原子力の貢献を加速し、増大させる」のが目的の国際機関が、「原発を推進するという立場をとっていない」というのは、どういうことなのでしょうか。この機関の憲章には、次のように明記されているのです。

第2条
目的
この機関は、全世界の平和と健康と繁栄への原子力の貢献を加速し、増大させるよう務める。(…)
第3条
機能
A.この機関は属性として
1.全世界において、平和的目的の原子力の開発と実際的使用を、またその分野の研究を、勧奨しかつ援助する。(…)

こ れらの文言は、1956年10月23日に、国際連合本部で開かれた国際原子力機関の会合で採択され;1957年7月29日以降、効力をもっているもので す。この憲章は、1963年1月31日、1973年6月1日、1989年12月28日に少しずつ改正されていますが、憲章の基本精神と言うべきこの第2条 (目的)と第3条(機能)には、微塵の改変もないまま、今日に至っているわけです。

チューダー氏の言っていることは憲章に反しているのではないでしょうか。

確かに、「原発を推進する」かどうかは、「原子力を推進するか」どうかと、厳密に言えばイコールではないでしょう。けれども、原発を除いて、いったい何を推進すると言うのでしょうか。

先程の文言の少し先でチューダー氏はこう書いています:
「IAEAとして、加盟国に対して原発を導入すべきである、原発の運転を継続すべきである、あるいは原発を停止させるべきであると言う立場にはありません。」と述べています。

こ れは、「原発を推進するという立場をとっておりません。」ということの具体的な言い直しに当るのでしょうか。ここで言っているのは、「べきである」と言っ ていない、つまり強制的な文言を用いることはしていなし、そんな権限もない、ということを言っているわけで、しかし、原発を推奨はするし、運転継続の要望 はする、ということが含まれているわけです。

現に、郡山の国際会議は、事故の直後に現場近くで開かれたのにもかかわらず、原発の危険についてはほとんど議論しないというものでした。天野氏はIAEAの憲章に忠実だったわけであり、チューダー氏の回答書の文言は残念ながら瞞しであるということにならざるをえません。

要請書への回答


2013年1月17日
フクシマ・アクション・プロジェクト
共同代表
小渕真理 樣
武藤類子 樣
関  久雄 樣

国際原子力機関
広報官  ジル・チューダー

昨年12月15日に貴団体より受領しました要請書(IAEAに「福島原発事故を過少評価せず、被災者の声に真に応えることを求める」要請書)に対し、以下のとおり回答を致します。

東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故により被災された方々に対して改めてお見舞い申し上げます。国際原子力機関(IAEA)としては、被災者の皆様が一日でも早く元の生活に戻れるよう、引き続きできるだけのお手伝いをしたいと考えております。

去 る12月15日に福島県知事との間で署名された覚書に基づき、IAEAは今後、放射線モニタリング・除染、人の健康などの分野で、福島県と協力していくこ とにしています。これらのプロジェクトは、福島県からの要望に基づき福島県の方々と一緒に実施していくものであり、IAEAが有する国際的な知見・経験を 福島の人たちと共有し、少しでも復興のお役に立ちたちと考えています。

現在IAEAは原発を推進するという立場をとっておりません。自国の エネルギー政策をどうするのか、また、その中で原子力発電をどう位置づけるのか、あるいは既に原子力発電所を稼動させている国については将来原発をどうし ていくのか、などはそれぞれの加盟国が自ら決定する問題であります。IAEAとして、加盟国に対して原発を導入すべきである、原発の運転を継続すべきであ る、あるいは原発を停止させるべきであると言う立場にはありません。しかし、加盟国が原子力発電を導入する、あるいは継続するという決定をした場合には、 それらの原発が国際的な安全基準を十分満たし、周辺国の懸念にも十分対応する形で、安全かつ持続的に運転されるよう支援をするということがIAEAの役割 です。加盟国が自国の原発の稼動を停止し将来原発から撤退するという決定をした場合であっても、原発が停止するまでは安全基準に沿った運転が必要ですし、 IAEAとしてはそのための支援を行います。

いずれの国においても原子力発電の推進は高い透明性と信頼性をもって行われなければならないのは当然であり、IAEAは国際的評価ミッションの派遣や得られた情報の共有などを通じて、国際的な透明性・信頼性の向上に貢献しています。

アクションプロジェクト武藤類子共同代表より IAEAジル・チューダー報道官へ


(2013年12月15日、郡山ビッグパレット駐車場で、報道官に対面しての発言)

ruiko_bigpal

私からお願いしたいことがあります。覚えておいて 欲しいこと、それは福島県はもう脱原発を決めたということです。それからもう一つ、IAEAはぜひ、チェルノブイリの真実を語ってください。チェルノブイ リの健康被害の真実を語ってください。そして放射線防護の規準を見直してください。決して放射線の過少評価をしないでください。

命よりもだいじなものがあるでしょうか。そして最後のお願いです。今日から3日間行なわれている会議を、原発の安全性をではなくて、原発の危険性について語ってください。そして世界中の原発をなくすという合意の会議に切り替えてください。

tudor_bigpal