«資料» IAEA、福島第一解体作業の最終報告書を提出


2014213

IAEAプレスリリース

国際原子力機関(IAEA)は2014212日、東京電力の福島第一原子力発電所解体の計画と遂行に関する日本の作業を二つの部分から見直す作業の中での発見事項を述べた報告書を、日本政府に提出した。

日本からの求めに応じて、日本の「東京電力の福島第一原子力発電所の解体に向けた中期および長期行程表」を、それぞれに独立して見直す専門家チームをIAEA2つ編成した。最初のチームは日本を201341522日に、2つめのチームは1125124日に訪問した。

「日本は、戦略を改善し、福島第一の安全な解体を推進するに必要な財源の割り当てるのに、よい基盤を作り上げた」とIAEA核燃料サイクル&廃棄物部長のフアン・カルロス・レンチホは述べた。「状況はしかし、なお錯綜しており、施設の長期の安定を確実にするためには、解決しなければならない、たいへん困難な問題点が幾つも残っている」

専門家チームは発電所解体に関する広範な問題点を点検した。例えば、東京電力の4号炉使用済み燃料プールからの燃料棒取り出しの作業、現場に溜り続けている汚染水の管理などである。

チームは、経済産業省の高級官僚や東電とも突っこんだ話し合いを行なった。またチームは事故の現場を2度訪ずれ、発電所の状況と、施設の解体に向けての進展具合に関する生の情報を得た。

またチームは海水、海底堆積、生物相を含む海洋環境での放射能状況をモニター作業に、日本がどのように力を尽しているかを調べた。その結果を、原子力規制委員会と議論した。

「チームは日本が設置している海水と食用海産物とのモニターシステムが、納得のいくものであるという印象を受けた。さらに、チームは日本が国際標準レベルに基いた食品限度規準を導入していることを観察した。こうした体系的なアプローチは、関係地方行政による流通制限とともに、市場に出ている海産物の安全を確かにする」とレンチホは述べた。

報告書は福島第一原発の解体の準備に向けた日本の進歩に敬意を表し、燃料取り出しの努力や、汚染水の管理、廃棄物管理などの、広範な諸問題に技術的政策的な助言をしている。

現場での汚染水の保管量が増大していることについて報告書は、東電はこうした水の処理にいっそう力を注ぐべきであり、その上で、これから先の管理については、あらゆる選択肢を検討すべきであり、許容限界を満している秩序立ったものでさえあれば、放出もを始める可能性もその中に含まれるとしている。この選択肢に向かうのであれば東電は、適切な安全性と環境影響のアセスメントを準備しなければならないし、またそれは定期的な見直しに付されるべきである。この文脈の中で報告書はまた、規制委が海水モニタープログラムを強化すべきであり、そのためには研究機関間の突合せを行なって、環境データの調和を保障していかなければならないと強調している。

「核の安全に関するIAEA行動計画」に基いて日本が申請した解体派遣団は、20119月にIAEA加盟国によって承認を受けている。「行動計画」は地球的な核の安全枠組みを強化するためお作業計画を定義しており、世界中の経験から最大の利益を引き出せるよう、別の国の専門家が相互に出入りして見直しをすることを奨励している。

グレグ・ウェブ (IAEA広報担当)

福島県への公開質問書


2013年11月11日
福島県生活環境部環境センター整備推進室長 片寄久巳様

福島県は
IAEAが今、県内で進めている事業内容をいかに把握し、
当事県としてそれに対していかなる見解を持ち、
IAEAに何を求めるのかを問う   公開質問書

フクシマ・アクション・プロジェクト
共同代表  小渕 真理
______武藤 類子

< 要旨 >
最近、「国際原子力機関(以下 IAEA)の国内外での言動が目立っています。IAEAの天野之弥事務局長は、茂木敏光環境相(10月中旬)、田中俊一原子力委員長(10.10)、米国ケリー長官(10.31 於ワシントン)などと次々に面談し、汚染水問題や調査団派遣による海洋モニタリング実施などについての意向を伝えています。

また、IAEAが福島県内に研究拠点として建設予定の「県環境創造センター」の施設概要も少しずつ明らかになって来ています。三春町の施設は2階建てで本館・研究棟・交流棟の3棟から成り、「日本原子力開発機構」(以下 JAEA )や国立環境研究所から200人規模の研究者も呼び込み、国内外の知見を結集し、2015年度の運用開始を目指しているとのことです。

主要目的は
(1)放射線量の測定と放射性物質の分析の調査研究
(2)除染技術や放射線、県土の環境回復情報発信
(3)子どもや県民のための環境教育と交流
などが挙げられています。

交流棟には世界で2基目の360度の球体シアターを設置し、「放射線の正しい知識や本県の美しい自然美の映像を上映」し、県内の小学5,6年生全員が一度は来館できるようにするとの方針が打ち出されました。これは「放射能の安全教育」につながる洗脳教育にならないかが危惧されます。

また、10月17日~21にかけてIAEA調査団が福島県に入り実地調査を行いました。期間を同じくして、来日中のIAEA専門家チームのフアン・カルロス・レンティッホ団長は21日、都内で記者会見を行い、日本政府が除染の長期目標に掲げている年間追加被曝線量1mSvについて「1mSvに必ずしもこだわる必要はない。」との見解を環境相に提言しました。この発言は原発立地町村に混乱をもたらしたばかりでなく、福島県としても看過できない重要な視点です。11月下旬には政府とIAEAが共同で海洋モニタリングを実施し、その報告書も出される予定です。

今、福島県は東京電力福島第一原発敷地内の汚染水問題が緊迫しています。汚染水貯蔵タンクからの汚染水漏れの連続発覚に加えて、台風26号後の8月19日に汚染水貯蔵タンク周辺の高い放射線量の水たまりの確認、それらの堰からの汚染水の漏えいと海洋流出問題、それらに対しての東電による「止まらぬ人為ミス」(9月27日~10月9日間に5件発生)も発覚しています。

さらに11月8日からは第一原発4号機の使用済核燃料プールから燃料1533体の取り出しが始まるとされています。一度でも失敗すれば「第2、第3のフクシマ」になりかねない「汚染水以上に心配。」(田中原子力規制委員会委員長談話)とまで言われています。余震も頻繁に起きています。まさに福島県は“非常事態下”にあります。2020年の招致予定のオリンピック・パラリンピックどころか2年後の2015年いわきで開催するとされている「第6回島サミット」(日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議)を安全な状態で開催できる保証はどこにもありません。この深刻事態をどのように捉え、どのように対応していくのかが喫緊の課題です。

私たちはこれまでのチェルノブイリ原発事故などに対するIAEAのあり方からIAEAは世界的な原子力の推進機関であり、その平和利用を強調し、危険性を矮小化してきた機関と捉えています。IAEAが私たち原発被災者のためになる実績を私たちに示してこの疑念を払拭してくれるように福島県として全力を尽くすことを求めます。

以上を踏まえて、福島県としてIAEAの最近の一連の言動をどのように受け止め、IAEAの県内の動きをどのように捉え、IAEAに当面、最重点に何を求めていくのかについて、以下についての回答を求めます。恐れ入りますが11月19日までに文書での回答をお願いいたします。

-  記  -

1、 福島県はIAEAが現在福島県で行っている活動をどのように把握していますか。
(1) 調査活動の内容とそのデータ取得について
(2) 「県環境創造センター」研究棟での研究内容について
(3) 福島県立医大との「健康管理調査」の実態
(4) 汚染水の問題解決策と一の4号機からの燃料棒取り出しについて安全対策についての協力内容
(5) その他
2、 福島県として、最近のIAEAの言動に対する見解を述べてください。
(1) IAEA団長による10.21除染目標発言「年間1ミリシーベルトにはこだわらない。」に対しての見解
(2) 三春町に建設予定の「県環境創造センター」交流館への小学5,6年生全員の来訪計画の目的は何か。「放射能の安全教育」と繋がる恐れはもっていないか。
3、 福島県は県内原発全基廃炉と再生可能エネルギーへのシフト転換を正式に決定しています。そのことをIAEAにしっかり伝えていますか。また、その方向での協力依頼をしていますか。

以上

«資料» 日本:福島の原子力発電所の修復には莫大な労力が必要,とIAEA


国連ニュースセンター配信記事

2013年5月24日

金曜日に公表された報告書の中で国際原子力機関(IAEA)は、2年前に強力な地震と津波とによって損壊した福島第一原子力発電所を沈静化するには、日本がその方向で多大な進展を果してきているとは言え、まだまだたくさんの障害があることを、改めて喚起している。

福島第一原子力発電所の沈静化に向けたロードマップの作成に日本は努力しているが、それを査定する任務を負ったIAEAのチームが現地に派遣された。この報告書は、その結果としてまとめられたものである。

「日本の作業者たちは発電所の原子炉を冷却と安定化に漕ぎつけました。」報道へのコミュニケの中でこう解説するのは、IAEAの核燃料サイクル&核廃棄物管理技術部の部長、フアン・カルロス・レンチホである。

「しかし、現場での汚染水が累積してしまっていることが、状況の安定に致命傷を与えかねず、これ以外の修理、修復のプロセスに着手するより前に、できるだけ早く解決しなければならない、深刻な問題であり続けています。」とレンチホ氏は付け加えた。

報告書には、戦略や計画作成、立場の異なる諸関係者のかかわり方、原子炉の核燃料の管理などについて、一連の勧告が記載されている。

「IAEA の専門家たちによる報告書が日本にとって有益であり、また日本で原子力を運用している諸機関が福島第一の破局の教訓を忘れないための、手助けになって欲し いと思います。そうした点から見ますと、日本政府がこの報告書をちゃんと出版してくださるというお話を有り難く思います」とレンチホ氏は付け加えた。

 

«資料» IAEAのチームが日本の福島第一廃炉計画の初回見直しを完了


IAEAプレスリリース

2013年4月22日東京発

IAEAの専門家チームが本日、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉の計画実施に向けた日本政府の作業の初回見直しを完了した。日本の「東京電力福島第一原子力発電所1ー4号機の廃炉に向けた中長期行程表」の国際同僚による見直しチームは2013年4月15日から22日の日程で日本を訪問していた。

日本政府からの要請によって、IAEAチームは経済産業省および東京電力の係官との包括的な話し合いを行なった。チームはまた、原子力規制委員会の係官たちとも会談した。チームは核事故の現場を訪問し、発電所の現状と施設解体に向けた進展に関して直接的な情報を得た。

「熱意に溢れた作業者たちが2011年以来、福島第一では大きな成果を上げていますが、それでも日本はなお、廃炉に向けて作業するうえで多大な困難を今なお抱えています」と、チームのリーダーでIAEA核燃料サイクル廃棄物技術部長のフアン・カルロス・レンチホは述べた。「東京電力が構内の原子炉と使用済み燃料プールで安定した冷却を達成しているのが分りました」

IAEAの13人のメンバーからなるチームは福島第一原子力発電所の廃炉に関連した広範囲にわたる問題点を検討した。例えば、ロードマップの全般にわたる戦略的アプローチ、原子炉と使用済み燃料プールの現在の状態、構内に溜め込まれている多量の水、さらには放射性物質の放出などである。

本日日本政府に提出された報告書草案の中でチームは、福島第一原子力発電所の廃炉の準備として多くのことが成し遂げられたことを確認している。例えば:

★日本は初期に作成された行程表から、1ー4号機からの使用済み燃料取り出しを前倒しすることにしたが、そうしたものに従って日本は、発電所の廃炉にタイムリーに取り掛った。加えて、原子炉から損壊した燃料を除去するというもっとも複雑な任務に向けて、論理的、合理的な計画を有している。

★東京電力は先進的で大規模な処理技術を成功裏に展開し、構内に集積している放射線に高度に汚染された水を除染し、脱塩した。

★日本政府と東京電力は廃炉プログラムを取り扱っていくうえでは、関係者の実効性のある抱き込みと、一般の人々へのコミュニケーションが重要なことを認識した。

加えて、IAEAのチームは改善の余地のある領域について助言を行なった。例えば:

★福島第一原子力発電所の終局的状態を定義する努力を押し進めることが、廃炉のための努力の焦点を定める助けになるのではないか。こうした努力は、関係者を効果的に中に入れることを通じて推進されなければならない。

★東京電力が関係者の信頼と尊敬を得るためには、その事故報告、(政府、規制当局、一般の人々との)コミュニケーション活動には査定が必要。

★東京電力は基本的なシステムの信頼性を高め、構内施設の構造的一体性を査定し、外部からの加害への防護を強化する努力を続けるべき。

★構内での放射性物質の放出や放射線被曝に関する諸問題の管理を引き続き改善する手段を講じていく必要がある。特に、溜った水の保管によって生じる問題がそうである。

「日本で私たちと同じ仕事をしている方々からは、多大なご協力をいただきました。皆さん、前向きに素早く、しかも安全に仕事することを心得ていらっしゃいます」とレンチホは述べた「私たちの派遣任務がこうした方々の助けになれば嬉しいです。国際社会は、日本の経験から多くのことを学びつつあるのだと私は思います」

IAEAチームの最終報告書は一月以内に日本に渡される。

日本政府の派遣要請は2011年9月にIAEA加盟諸国によって採択された「核の安全のためのIAEA行動計画」に沿ったものである。「行動計画」は核の安全の国際的枠組みを強化する作業プログラムを定義していて、経験の世界的共有の利点を充全に活かすために、国際同僚の査察派遣を推奨している。

«資料» フアン・カルロス・レンチホ、核燃料サイクル&廃棄物技術部長に就任


IAEAのニュースソースより

2012年6月12日

IAEA核燃料部門の核燃料サイクル&廃棄物技術部(NEFW)の部長職を、2012年6月12日、フアン・カルロス・レンチホが引き受けることになった。今年初めに母国フィンランドに帰任したテロ・ヴァージョランタの後任である。

レンチホ氏は核エネルギーと放射線防護の領域で30年の経験を積んでいる。スペインの核規制機関である、核保安委員会(CSN)にあって、レンチホ氏は技術監督を務めていた。

この役職にあった間、レンチホ氏は、燃料サイクル施設、核施設の閉鎖、低レベルおよび中間レベル放射性廃棄物、労働者防護、公衆と環境の防護、そして医療、工業、教育と研究での放射線利用、また緊急事態の処理と生体防護などの責任者であった。

「核 燃料サイクル&廃棄物技術部の部長としてIAEA入りさせていただきましたことは、多大なる喜びでございます。IAEAは核エネルギーと電離放射 の応用の分野で、世界をリードする組織です。核と放射線の部門でもっとも質の高い集団であると評価されているIAEAの一員となったことは私の誇りとする ところです。」とレンチホ氏は語った。

「私は核の安全と保安、そして放射線防護の規制を、私の職業的キャリアの中心に置いてきました。私個人の考えでは、核エネルギーと電離放射線は、安全と保安、そして放射線防護が最優先されるような仕組みの中でのみ、平和利用が可能です。

意欲的で挑戦的なプログラムをもったこの部の目指すものに、そしてより広く核エネルギー部門の目的、、またIAEAの目的に貢献でき、技術の発展と安全性の強化との間の協調性の強化に貢献できるのは、楽しみなことです。

NEFWが挑もうとしている最重要課題の一つは、福島の事故によって、損傷した施設からの燃料の取り出しと閉鎖に至る計画と、環境の回復プログラムにおいて、日本を支援するということです」とレンチホ氏は明言した。

「私はやる気満々ですよ。そして私はNEFWのスタッフたちの証明済みの技能と、専門知識とに信頼を置いています」

レンチホ氏はIAEAの会議や報告会、専門家派遣などに長年関わりをもってきたので、IAEAについても、その仕事振りについても、よく知っているのだ。

2011年には、彼はIAEAから日本に派遣された、福島第一原子力発電所周辺の広く汚染された地域の回復を目指した国際専門家チームの責任者であった。

彼はまた2011年5月にIAEAから日本に派遣された実態調査チームの一員でもあったし、ロシアに派遣された統合規制見直しサーヴィス(IRRS)でも活躍した。引き続くスペインでの任務では、スペインの規制官庁であるCSNとの連携担当官の一人として役目を果した。

フ アン・カルロス・レンチホの職歴は1982年に始まり、CNS入りは1984年である。沸騰水型原子炉(BWR)のある原子力発電所でプロジェクトマネー ジャーとして働き、1986年から1996年にはコンフレンテス原子力発電所でCNSの常駐査察官であった。1996年から2002年までレンチホ氏は緊 急事態と生体防護の副監督を経て環境放射線防護の副監督を務めている。2002年にレンチホ氏はCNSの放射線防護技術監督となった。

レン チホ氏はスペインのマドリード技術大学から工業技術者の称号を得ており、CSNのシニアエンジニアのためのMBAプログラムを修了している。彼は国内およ び海外の教育機関、例えばマサチューセッツ工科大学(MIT)、ベルギー核研究中枢SCK-CEN、スペインのCIEMATやTECNATOMなどで、核 エネルギー、核の安全保安、放射線防護の専門訓練を受けた。

「私はフアン・レンチホを歓迎します。彼が新しい任務にあって成功なさるようにと、願っております」とIAEA核エネルギー部門副総監督のアレクサンダ・ビチュコフは述べている。「これまで代理としてNEFW部門を運営してきたゲイリー・ダイク氏に感謝いたします。」