ドイツ環境団体代表が来日


吉田明子

10月18日から21日まで、FoEドイツ(ドイツ環境自然保護連盟、BUND)の代表らが来日します。
目的は、福島の現状や、川内原発再稼働反対運動など、ドイツであまり伝えられない日本の状況を見ることと、ドイツの原発・エネルギー政策に関する状況を共有することです。
チェルノブイリ原発事故により、特に南ドイツ地域は影響を受け、現在の日本と同様に、多くの市民や環境団体が、独自の放射線測定や脱原発運動に立ち上がりました。FoEドイツも、そうした活動に中心的携わってきました。
19日、ヴァイガー氏、メルクナー氏は「原発いらない福島の女たち」の案内で、三春町、川内村、富岡町を視察します。その後、福島の状況について、またドイツでの市民運動についてなど、意見交換の場をもうけます。どなたでもご参加いただけますので、ぜひお気軽にお越しください。

福島の市民とドイツ環境市民運動代表との意見交換会

【日時】 2014年10月19日(日)15:00~17:00
【場所】 福島県教職員組合郡山支部 2F会議室

(福島県郡山市桑野2丁目33ー9)

【プログラム(予定)】
1)趣旨説明、参加者の紹介
フーベルト・ヴァイガー、リヒャルト・メルクナー、(FoEドイツ)
福島で活動する市民
2)視察に関する感想やコメント
3)ドイツでの市民活動について
4)質疑・意見交換

【主催】 FoE Japan
【協力】 原発いらない福島の女たち、フリードリヒ・エーベルト財団
【参加費】 無料
【申込】 不要。直接会場にご来場ください。
【問合せ】 03-6909-5983 /080-5173-0136 (吉田)

●スケジュール
10月19日(日) 午前:環境創造センター(三春町)、川内村、富岡町ゲートなど視察
(コーディネート:原発いらない福島の女たち 武藤類子さん)
10月20日(月) 福島県庁訪問+記者会見(調整中)
10月21日(火) 公開セミナー(東京・衆議院第二議員会館、16:30~19:00)
「ドイツのエネルギーシフトと市民参加、核廃棄物最終処分場問題」

●現在のドイツの状況と環境団体、FoEドイツの取り組み

1)エネルギーシフトの現状と政策
ドイツでは、再生可能エネルギーの割合が23%以上に達するなど、再生可能エネルギー法により、エネルギーシフトへの実質的成果が上がっている。

一方で、現政権(第二次メルケル内閣、CDU・FDP連立)は、化石燃料へのゆり戻しの動きもある。
再生可能エネルギー優遇政策はブレーキをかけられ、石炭回帰の動きも強い。最近は脱原発運動への世論喚起も以前よりは難しくなってきている。

2)高レベル放射性廃棄物最終処分場問題と市民参加
長らくゴアレーベンが、最終処分場の候補とされてきたが、安全性や住民の反対などにより2013年に白紙撤回された。新たに審議会「処分場委員会」が立ち上げられ、2015年までに選定基準を提案、2031年ごろまでに決定する予定。
この、処分委員会メンバーには、各政党や各州の代表のほか、専門家や市民団体の代表も参加しており、FoEドイツからも、副代表のクラウス・ブルンスマイヤー氏が参加している。市民の意見を伝えるために重要という一方、核廃棄物について責任を取るべきは推進はであるという意見など、参加については内部でも複雑な議論がある。
しかしながら、倫理委員会なども含め、市民団体の代表や若者、教会関係者、など幅広いステークホルダーが政策決定プロセスに参加しているという背景も興味深い。
・処分場委員会(ドイツ) http://www.endlagerung.de/

●プロフィール

<フーベルト・ヴァイガー氏> Hubert Weiger
2007年よりFoEドイツ(ドイツ環境自然保護連盟)代表理事。またFoEドイツ・
バイエルン州支部代表理事。
1974年より自然保護連盟(FoEドイツの前身、バイエルンの環境団体)の代表
メンバーの一員であり、1975年のドイツ環境自然保護連盟創設者のひとり。
専門は森林生態学、農学など。また反原発運動にも40年来携わる。
ドイツ政府・持続可能な開発審議会委員、欧州自然財団理事、バイエルン州公
共ラジオ評議会評議員、トランスペアレンシー・インターナショナルドイツ評
議員、ドイツ食糧農業消費者省・森林政策審議会委員 ほか。1947年生まれ。
2011年9月、2012年3月に来日し、福島、東京、福岡を訪問、講演。

<リヒャルト・メルクナー氏> Richard Mergner
2002年よりFoEドイツ・バイエルン州支部理事。
経済地理学専攻。1990年よりFoEドイツバイエルン州支部ニュルンベルク事務
所のスポークスパーソン(専門担当官)。地域グループの取りまとめの他 、
公的機関である地域開発組合における環境団体の代表、地域開発計画の作成や
遂行に関わる。1999年からFoEドイツの交通政策分科会の代表をつとめる。欧
州交通政策グループITEや、プロテスタント教会の環境会議(KUK)メンバーな
どもつとめる。2012年3月に来日。

トルコ・シノップ報告(速報)


吉田明子

脱原発首長訪問スタッフの吉田です。

トルコより帰国しました。今回の訪問で、シノップ県内で原発建設に反対している首長に、日本の「脱原発を目指す首長会議」からの応援レターを持参しました。

シノップ県には9つの自治体があり、地元のシノップ中央市長バキ・エルギュル氏は、2014年4月の市長選挙でも原発反対を掲げて当選しています。今回は残念ながらこの市長には直接会うことはできませんでしたが、地元の人などに託しています。

また隣接するゲルゼ(Gerze)町、アルフェレク(Erfelek)町長には、直接会って手渡すことができました。

Erfelek町長ムツァファー・シムセク氏は、「黒海沿岸の町はチェルノブイリの影響を実際に受けていて、がんになる人などが多い。子どもたちのために環境を残すためにも原発には反対。ドイツにも行ったことがあるが、自然エネルギーに移行すべき」と語ります。
シノップ市長にも呼びかけてみる、とのこと。

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Gerze町長オスマン・ベロヴァジクリ氏も、町のお祭りの中で脱原発シンポジウムを企画した人です。「私の妻もがんをわずらっている、原発には絶対に反 対」といいます。今年から政府で再生可能エネルギーへの補助金がはじまり、市役所前のバザール(市場)の屋根に、2年後に太陽光発電をつけたいと計画して いるとのこと。「脱原発のために市長としてできることをしたい、例えばトルコのほかの首長にサインを呼びかけるようなことがあれば協力する」と言ってくれ ています。

ほかにも、アックユ原発建設予定地のある地中海沿岸(南部)のメルスィン県にも脱原発首長がいて、可能性があるとのことです。今回シノップ・ゲルゼ訪問を一緒に行った市民メンバーも、トルコでの脱原発首長ネットワークができないかと、取り組みを始めたところです。

持参したレターを紹介します。

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2014年8月3日

トルコ・シノップ県シノップ中央市長 バキ・エルギュル様

脱原発をめざす首長会議
事務局長 上原公子
事務局次長 佐藤和雄

時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
わたしたち、日本の「脱原発をめざす首長会議」は、2012年4月に発足し、現職、元職をあわせ現在100名近くが参加しています。

自治体首長の第一の責任は「住民の生命財産を守る」ことです。福島第一原発事故で学んだことは、たとえ経済効果が期待されるとしても、リスクの大きい政策 は大きな犠牲を払う可能性の覚悟がいるということです。しかし、住民の犠牲の上に経済が優先されていいはずがありません。そして、子どもの生涯にわたる健 康不安をもたらすようなものは、決して取り扱うべきではありません。

自治体の首長も自らの責任として、この事態に黙することなく、原発に依存しない社会「脱原発社会」をめざし、すみやかに省エネルギーと再生可能なエネルギーを地域政策として実現することを、積極的に進めていかなければなりません。

私たちは日本の市民として、福島原発事故の収束と原因究明も途上の中、日・トルコ原子力協定が締結され、日本企業による原発輸出が決まったことに対し、大 きく失望し遺憾の意を共有しています。トルコは日本と同様に地震国です。活断層調査等の結果も公表されておらず、経済性の評価も不十分、何より地元自治体 や市民が反対し合意形成がまったく不十分な中での決定を深く憂慮しています。

そのような中、貴殿がシノップ市長として原発建設反対を掲げ、また私たちと同様に、自治体首長として発信をされていることに、大変勇気づけられ、心より敬意を表明します。ぜひ、日本からも、トルコからも、連帯して声を上げ続けていけたらと願います。
敬具
上原公子          佐藤和雄

国民の議論を完全に無視した安倍政権の酷さ


吉田明子

「エネルギー基本計画の閣議決定を許すな!」:経産省への申し入れ行動・記者会見(2014年1月6日、経産省前テントひろば)での発言

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FoEジャパンの吉田です、よろしくお願いします。

このエネルギー基本計画、本当に内容としても酷いものなんですけれども、その作成プロセスもとても民主的と言えるものではありません。皆さん、私たち、パブコメを今日までということで呼び掛けていますけれども、パブコメ、実はもう2回目ですよね。

2012年の夏、3つの選択肢が示されて、国民的議論、2ヵ月間にわたって行なわれました。その時、パブコメ、40日間行われましたけれども、その時に89000件を超える声が集って、そのうちの87%が«原発ゼロ»シナリオ、しかも78%が即時脱原発を主張した、そのパブコメの結果…パブコメだけではありません。他に世論調査ですとか、討論型世論調査、各地での意見聴取会、そういったことをすべて総合して外部の委員会、外部の有識者の検討を経て、国民の過半が原発をゼロにする方向を望んでいるというふうにまとめられました。

これは2ヵ月の期間をかけ、相当のお金をかけて実施された国民的議論です。政権交替をしたからと言って、その国民の意志が変っているわけではありません。政権交替を経ても、変わらない、普遍的な形でなるべく普遍的な形で国民の意見を聴取するように、そのように設計された国民的議論でした。

もちろん、不十分な点もたくさんありました。しかしそれでも2ヵ月の期間を掛けて、大々的な議論を経て、国民が原発ゼロを望んでいるという方向性、それが安倍政権になって、いとも簡単にまったく無視されてしまいました。安倍首相は就任後、その原発ゼロの方向性をゼロベースで見直すというふうに就任後、本当にすぐですね、表明しました。

そこからして本当に、あり得ないというか、国民の声をこれほど簡単に無視して良いのか、無視されてしまうものなのかと、本当に怒りがこみ上げてくるものでした。

で、エネルギー基本計画、だいたい3年毎に見直しをするということになっていて、2010年の原発推進の方向から、見直しの作業がずっと続けられていたわけなんですけれども、今年、安倍政権になってから、新たな審議会体制…見直されました。民主党政権の時はまがりなりにも8名の脱原発派の委員が参加していた基本問題委員会というところで、全部で24人の委員がいましたけれども、まあ、審議をされていました。審議と言っても、賛成派、反対派、まったく意見の溝が埋まらなかったわけなんですけれども、それでも反対の人が8人いた。

その基本問題委員会が安倍政権になって解散し、新たに総合部会、そして6月から基本政策分科会というふうに名前が変わっていますけれども、新しい枠組みになりました。この委員長の三村さんがですね、先程、淵上さんからもありましたように、個人的にも原発は維持すべきだという意見をですね、基本問題委員会の時から表明されていました。

「個人的にも」という意見発表を公式の委員会の場でされるということがまずちょっと、どうなのかなと思います。その方向にしかもう、議論が…まあ、もって行かれるという状況だった…というのが、本当に、まあ、酷い状況です。

その総合部会、そして基本政策分科会での議論、今年の3月から12月まで13回にわたって開催されてきたんですけれども、その中で、昨年の国民的議論の結果、そしてそれを元にして決定された革新的エネルギー環境戦略:原発ゼロの方針については、事務局側からはいっさい資料提示もありませんでした。脱原発派の、現在は2名になっている委員が、指摘したに留まりました。

そのような状態ですね。その基本政策分科会、現在の審議会の議論は8月ぐらいにですね、今後のエネルギー政策に向けて、このエネルギー基本計画のベースになる方向性が示されたんですけれども、3.11を経て原発が止まっている、と。ですので、化石燃料の輸入が増えている、と。それによって財政支出が増えている、CO2の排出も増えている、そして一方で世界各国を見てみるとまだまだ原発回帰、原発推進をしている国が増えている、特にアジアでもそうだ…安全保障上の観点から、このまま化石燃料に頼っているのは危ない、中国など新興国が原発を使おうとしている中、日本が原発を止めていいのか、と…そのような方向性の資料が出されていました。

そういう枠組みの中での議論だったわけですね。ですので、こういうことが出てくるのは、もうその時から分っていた、というか、そういう大きな流れの中で今、ここに来ています。

まあ、プロセスの大きな問題としては、2012年の国民的議論がまったく無視されているということ、そして、それを無視するのであれば新しい、それと同程度の、またはそれ以上の国民的議論をするのであれば、まあ、分るんですけれど、そうでないんですね。今、このパブコメが実施されていますけれど、そのパブコメが始まったのが12月6日、そして締切が今日ということで僅か1ヵ月、そして今月中、1月中にも閣議決定されようとしている、というような拙速なスケジュールです。

そして意見聴取会、公聴会の開催も予定されていません。2010年のエネルギー基本計画の見直し、前回の見直しですね、それも酷かったんですけれども、その時でさえ、全国5カ所での一応、形だけでも意見聴取会が開催されていました。秘密法の時も、これも本当に形だけですけれども、開催されていました。今回ありません。

経済産業省にメールで公聴会の予定があるのか、と、問い合わせのメールを送ったんですね。そしたら昨日の夜、返事が来ていまして、「ありません」ということでした。本当に酷いですね。

内容についても、原発を純国産エネルギーとして、これ本当に何時の時代かという表現ですけれども、「重要なベース電源として引き続き活用していく」と。そして世界でもっとも厳しい水準の新規制規準によって安全が確認された原発は再稼動して使うと、そして核燃料サイクル政策は引き続き着実に推進する、と。何が着実なのか、まったく分りませんけれども、そのような酷い内容となっています。

で、最後になりましたけれど、こういう訳で本当に酷いプロセス、そして国民の声をまったく聞く姿勢もない見直しのプロセスなんですけれども、それでも今日までのパブリックコメント1つでも多くの声を、数も重要だということで、呼び掛けています。もし、今、中継をご覧になっている方で「まだ書いていない」という方がいらっしゃいましたら、今日の24時までです。最後の方は混みあう…通じにくくなる可能性もありますので、ぜひ急いでアクセスしていただければと思います。

さらにファックスが年明けから不通になっているという本当に酷い状況ですけれども、諦めず、今日の24時まで頑張りましょう!よろしくお願いします。

エネ計画パブコメちらしができました!!配布先・ボランティア募集中


吉田明子

FoE Japanの吉田です。

プロセス、内容ともにひどい「エネルギー基本計画案」が市民に意見をほとんど聴くことなく閣議決定されようとしています。(無視されることは明らかであっても・・)1月6日までのパブコメでは一つでも多い声をと、再度呼びかける必要があります。(2012年のパブコメは約9万件)ということで・・

★パブコメ呼びかけのカラーちらしができました!!
こちらからPDFをダウンロードできます。
http://publiccomment.wordpress.com/
友達や家族にわたす、デモやイベントで配る、街頭で配る・・・など、一人でも多くのひとに伝えるために、配布してくださる方を募集中!
希望枚数、送付先を、到着希望日(あれば)を添えて、eシフト事務局(info@e-shift.org、03-6907-7217)までご連絡ください。

★このパブコメを広めるために、短期ボランティア募集中!!
eシフト事務局(FoE Japan、連絡先同上)までご連絡ください。
内容:イベントや集会でのチラシ配布、各地へのチラシ発送、オンラインでの呼びかけ など
場所:FoE Japan事務所(東京・池袋、www.foejapan.org)
もしくは都内、全国各地

<転載・拡散歓迎!>
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【1/6〆】エネルギー基本計画にあなたの声を!数万のパブコメを
http://publiccomment.wordpress.com/
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12月6日、総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会第12回会合で、エネルギー基本計画見直しの事務局(資源エネルギー庁)素案が示され、同日そのまま、パブコメにかけられました。
(その後、6日と13日の2回の審議を経て若干内容に修正が加えられ、パブコメ対象文書は差替えられています。〆切も4日→6日に変更)

「エネルギー基本計画」案の内容は、
・準国産エネルギーである原子力は、重要なベース電源である。
・世界で最も厳しい水準の新規制基準の下で安全が確認し、再稼働を進める。
・核燃料サイクル政策については、引き続き着実に推進する。
などを明確に打ち出したもので、2012年の「国民的議論」を事実上まったく無視しています。

しかし、市民の声を聴き、反映させるプロセスが極めて限られている現在、このパブコメを出さないわけにいきません。
数万を超える声を届けましょう。

★一通でも多くのパブコメが必要です!まずは資料をご覧ください★

[新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた御意見の募集について]
2014年1月6日〆切り
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620213015
&Mode=0

[基本政策分科会 開催状況と資料]
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonseisaku/index.htm

★「エネルギー基本計画案」とは?
~民意無視・原発回帰でいいの?!

<民意無視のプロセス>
●2012年「国民的議論」の結果を無視
・経済産業省の審議会の議論の中で、パブリックコメントの結果(8割以上が原発ゼロを選択!)や、その他の調査の結果を受けて「国民の過半が原発ゼロを望む」とまとめられた結果は、資料としてすら出されていない。
・審議会のメンバーは、15人中13人が原発維持・推進の意見を表明。

●市民の声を聴くプロセスが非常に限定的
・1月に閣議決定と言われていますが、それまでに市民の声を聴くプロセスは、ほぼこのパブリックコメントのみ。
・福島や各地での意見聴取会すら予定されていない。

<原案の内容は・・・>
●「準国産エネルギーである原子力は基盤となる重要なベース電源」?
・「準国産」という言葉は詭弁。ウランはほぼ100%輸入しており、核燃料サイクルも破綻。
・事故や災害で止まる原発は不安定な電源
・事故で明らかになった原発の莫大なコスト(事故リスク、損害賠償等)は過小評価

●「世界で最も厳しい水準の新規制基準の下で安全が確認された原発は、再稼働を進める」?
・新規制基準には、抜け穴がたくさん。原子力規制委員会も「規制基準は安全基準ではない」と認めている。
・事故の原因究明も終わっていない。

●「核燃料サイクル政策は、引き続き着実に推進する」?
・核燃料サイクル政策は相次ぐトラブルで破綻。
・六ヶ所再処理工場は1997年竣工予定がいまだ竣工せず。建設費は当初予算の3倍。
・高速増殖炉もんじゅ(まだ実用段階前)は1995年の試運転段階で事故。15年ぶりに運転再開したがまた事故で停止中。
・普通の原発でプルトニウムを無理やり燃やすプルサーマル。10年遅れの4基で実施中だったが、福島原発3号機はキノコ雲を吹き上げる。

★パブコメに加えて
すでに、反映のプロセスがほとんどないパブコメ(それでも重要!!)。加えて、プロセスの不当性についての指摘など、新聞に投書したり、議員さんに呼びかけたりしましょう!

IAEAの福島閣僚会合とフクシマアクションプロジェクト


吉田明子

(2013年1月23日、「女たちの一票一揆」院内集会での報告)

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吉田明子です。私はFoEジャパンでスタッフをしていまして、311の後からは原発エネルギー担当として福島の問題、原発の問題そしてエネルギー政策の問題 に携わっています。今日はIAEAの閣僚会議、「原子力安全に関する福島閣僚会合」が昨年12月15日から17日に開かれました。で、これに対して福島の女たちを初めですね、フクシマアクションプロジェクトという活動体を作って、このIAEAに市民の声を届ける、福島の声を届けるという活動をしてきました。このことについて簡単にご紹介したいと思います。

私は東京からこのプロジェクトに参加さぜていただいたんですけれども、一週間くらいその間ですね、福島と郡山に行ってきました。

IAEA, これは原発推進派の組織として、皆さん、当然、ご存知だと思うんですけど、これはIAEAのホームページで、about usというページを見ますと、このようにatoms for peaceというのが高々と掲げられていると、こういうことになっています。まあ、IAEAの成り立ちとして第二次世界大戦の後に原子力の平和利用という ことで1953年にアメリカのアイゼンハワー大統領がatoms for peaceという演説をしたというところから、それがまあ今にも引き継がれているというか、今だにこういう組織であるというものです。

IAEAweb

こ れは外務省の今回の閣僚会議に関するページなんですけれども、ここに今回の会議のプログラムですとか、様々な決定文書、それから後でご紹介しますけれども 福島県などとの協定文書がすべてこちらにアップされています。外務省のWEBサイトで、今ちょっと分りにくいところにあるんですけれども。

この「原子力安全に関する福島閣僚会合」なんですけれども、開催目的としては国際的な原子力安全強化に貢献することを主な目的としているという風に掲げられ ています。これはその閣僚会議の公式のサイトに載っているものなんですけれども、テーマが3つぐらいありまして、一つは「東京電力福島第一原発事故から得 られた更なる知見および教訓を国際社会と共有」すること。そして「原子力安全の強化に関する国際社会の様々な取組の進捗状況を議論」すること。そして3点目、「放射線からの人及び環境の防護について議論・共有」すること。

で、これと並んでですね、「福島の復興に向けた確かな歩みを国際社会に発する」と。こういったことが目的に掲げられて開催されました。で、これは会場の本会議場の前の一番目立つところに掲げられていたものなんですけど、 making nuclear power safer、まあ、もっと安全にというということが正面に掲げられていました。

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福島県郡山市で開催されまして、こちらの会議はですね、113ヶ国から約700名が参加したということで、この期間中ですね、郡山市はこの関係者、そしてスタッフの方で溢れていたんですね。で、スタッフの方はピンク色のジャンパーを着て、郡山の駅前だとか、各ホテル、まあ一つのホテルでは宿泊できないので何カ所かの、まあ7つか8つくらいのホテルに分れて宿泊していたんですけれども、それぞれのホテルのところにこのIAEA専用の受付があって、そこにまあ、 ピンクのジャンパーの人が常駐している、というような、まあ、ある意味で、賑いで開催されていました。

スケジュールはこんな感じだったんで すけれども、この前に14日に県内の視察ツアーというものが行なわれまして、浜通り・中通り・会津の3るのコースがあったと。そしてその夜に福島県産の農作物の安全に関する説明会のようなものも行われたという、まあ、積極的に復興をアピールするような、まあ;全体的には内容だったですね。

一日目、二日目と、全体会合というか本会合が開かれたいまして、その中では各国からの、117ヶ国の代表がそれぞれの国で原子力の安全についてどう考えているか、というような6分間のスピーチを開催していました。そして、二日目、三日目は専門会合ということで先程のテーマ、福島原発事故からの教訓、そして原子力安全の強化、放射線からの人および環境の防護ということで、それぞれテーマについて専門会合が開催されていました。

これは会場にパネル展示が幾つかあったんでしけれども、子供たちへの放射線教育、まあ、そういった授業をやっているというパネルですとか、それから「県民健康管理調査」についてもこういったパネルが整然を並んでいたんですね。

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これが全体会合の様子でこういう広い会場で開催さていました。

この12月15日、会議の初日なんですけども福島県とIAEAとの間で協定が結ばれました。覚書が結ばれたんですけれども、これは福島県とIAEAの覚書な んですけれども、3種類の覚書が締結されました。一つ目は「福島県とIAEAとの間の実施取決め」、これは福島県とIAEAとの間で今後、放射線モニタリ ングや除染について協力していく、これは三春町、そして南相馬市にIAEAと福島県による共同の研究センターが設置されて、そこでこういった除染の実験な どが行われていく、そして福島県立医科大学とIAEAとの間では県民健康管理調査、そして研究、啓発。この啓発というのは、放射線とはどういうものなのか、そのリスクだとかそういったものについて県民、人々にどう伝えていくか、ということについて協力していくということだそうです。

そして3つめが「務省とIAEAとの間の実施取決め」というもので、緊急時の対応、まあ、事故が起った時の対応について、協力していく。この3つの種類の協定が この会議で結ばれました。とは言っても原発推進のIAEAが福島県にやって来てこの健康問題、そして除染問題その他について協力するということは、 IAEAがチェルノブイリ事故の後にやってきたことを見れば、その影響を過少評価する、矮小化するとぴうことに他ならないだろう、ということで立ち上がっ たのがこのフクシマアクションプロジェクトなんですね。

このフクシマアクションプロジェクトは、今日はいらしていないんですけれども福島の佐々木慶子さんなどが中心になってスタートをしたんですけれども、11月24日に福島でキックオフ会合を開いて、出発しました。その時にはこういった覚書の内容だとか、どういったものになるか、まだ分っていなかったんです。けれども、とにかくこういった決定をする場に福島県民の、市民の声が届かないというのはいかがなものか。そんな県民不在で決めることは許されない、ということで、市民の声をこの場にいかに伝えるか、ということをまず主眼としてスタートしました。

この会議の情報とかも、外務省のホームページにアップされて、なかなか直前だったんですけれども、最初は一般市民の公開は予定され ていなかったんですね。で、それであれば現地の福島の状況については、福島県だとか、県立医大だとかが、代表して伝えるということにはなっていたんですけ れども、それではせっかく福島県で開催するのに市民の声を聞かないで、何の意味のある会議なのか、と。その点について訴えまして、で、辛うじてなんですけ れども、50人程度、事前に傍聴の登録をした人に限っては市民の傍聴も認められるですとか、それから直前になってですね、市民の声を、、福島県民に対する 説明会、どういうことを話して、まあ、郡山市で実際に開催するわけですので、交通規制含め様々な、まあ大規模な催しなので、市民に対してどういう意義があ るのか、どうやっていくのか、その方針などを説明する説明会を開催して欲しいということを要求しまして、これは12月9日の日曜日、この会議開催の僅か1 週間前だったんですけれども、そういった市民説明会が、郡山市で開催されることになりました。

で、その場でもですね、この本会議の場で、被 災者、福島県民の方から直接、意見を述べる場を持って欲しい、直接、会議の出席者に福島県の声を伝える場を設けて欲しいということを外務省に交渉しまし て、で、まあ、検討すると言ってくれたんですけれど、まあ1週間前だったということもあって、その会議のプログラムの中に組込むということは叶わなかっ た、しかし、そいういった声をですね、メールやファックスなどで外務省に贈ればそれを会場に掲示するということはこのフクシマアクションプロジェクトから の訴え掛けによって、実現しました。

これがそのメッセージボードですね。本当に普通のホワイトボードにプリントアウトした物が貼ってあるという簡素なものだったんですけれども、まったくこれが無ければ、政府と福島県が用意した美しいパネルが並ぶだけの会議だったかもしれないっていうところ に、生の声、こうした声が届きまして、資料にもあるフクシマアクションプロジェクトの要請書も、こちらに二日目には貼り出されました。

こういった形で、私たち、外務省と何とかお話しをしたんですけれども、少しずつでも市民の声に耳を固むけようという姿勢を引き出したという点でまあ、こうしたアクションを実際に起したことに意義があったかな、と考えています。

最初は目立たない場所に置かれていましたが、最後の日には、本会議場の目の前のよく目立つ場所に貼ってありまして、参加者の方も、「結構ですね、生の声」ということで、興味深くこの掲示板に立ち停って読んでいたり、写真を撮っている方もたくさんいたそうです。

これは12月15日なんですけれども、その要請書ですね、これをIAEAの担当の方に直接手渡ししたいという、この要求も佐々木慶子さんを中心に粘り強く外務省に交渉していまして、ついに実現することになりました。15日11時半からですね、何と30分以上にわたって、この寒空の下ですね、IAEAのスポークスマン、広報官の方が出てきて、この要請書の読み上げ、そして現地からの直接の声を聞いてくれました。

で、フクシマアクションプロジェクトとしてはそちらに要求事項を書いてあるんですけれども、1月の末までに文書で回答して欲しいということを伝えまして、その広報官の方からは、その点は強調して本部に伝えるという回答をいただいています。

もう一つ注目していただきたいのはこの被っているお面なんですね、これは人見やよいさんがデザインをしてくださったんですけれども、IAEA、福島でこれか ら活動していくんですけれども、決っして過少評価を許さない、それをしっかりと見ているという意志を込めたこの「眼」を着けてこのアクションをしました。

そ して12月16日、会議二日目なんですけれども、こちら市民会議を開催しました。で、フクシマアクションプロジェクトの関係者、そして海外からですね、 IAEAの本部があるウィーンからFoEオーストリアのラインハルトさん、そしてWHOの本部のあるジュネーブやパリのフランス厚労省の前で活動している クリストフ・エランさん、このIAEAやWHOに対して市民活動を続けているこのお二人を招いて、今後フクシマアクションプロジェクトはどういった姿勢で このIAEAを監視していくべきかということについて、会議を開催しました。

で、ここに元外務省の天木直人さんもいらしていただきまして、 ワワワの会のイベントのチラシが入っていますけれど、天木さんからは元外務官僚といった立場としてたいへん興味深いお話しをいただきました。まあ、外務省 の役人という、まあ、中にいるとですね、本当に大きな権力が動かす大規模なプロジェクトを淡々と進めなければいけない、そうすると市民の声とかを聞いてい ると、それを進めることができない、だから外務省の官僚は不勉強だし、情報もなかなか取り入れようとはしないというようなことを言っていました。本当にそれ、私たちのこのフクシマアクションプロジェクトを通じて外務省の方と話している中で感じたことなんですね。

で、その12月9日の説明会で も説明にきた外務省の方はですね、IAEAとWHOの協定についても、チェルノブイリの影響についても、知らなかったという風におっしゃっていました。で すので、まあ、粘り強くですね、コミュニケーションをして情報を伝えていくということが今後も引き続き必要だと実感しました。フクシマアクションプロジェクトは今週末、会議を開いて、継続していきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。