ハンス・ブリクス氏の暴言


竹内雅文

ハンス・ブリクス氏は国際原子力機関(IAEA)の事務局長だった人で、任期は1981年11月30日から1997年の12月1日まででした。現在の天野氏の2代前の方だということになります。

チェルノブイリの事故の時には、ちょうど彼が事務局長でした。困ったことに、当時のブリクス氏には、起っていることの重大さがあまり理解できていなかったようです。フランスの日刊紙「ル・モンド」の1986年8月28日には「原子力産業の重要さを考えれば、チェルノブイリ規模の事故が年に一度くらいあっても、それで良しということだ」という発言が掲載されました。この発言はその後、今に至るまで、IAEA責任者の失言として繰り返し取り上げられ、糾弾されています。

それに先立つ6月2日には、「チェルノブイリでは、昨年ブリュッセルで起ったヘイゼルサッカー場の乱闘事件ほどにも、人は死んでおりません」と発言して物議を醸しています。1987年頃には、もうあと一年くらいの間に、ベラルーシやウクライナの避難民たちは、皆、故郷に帰れる、と言った意味のことをあちこちで発言していたようです。

ところでブリクス氏はスエーデンの出身(1928年生まれ)で、1978年10月18日から1979年10月12日まで、同国の外務大臣でした。その後、国際舞台に転出したわけです。外務官僚の超エリートであったわけなのでしょう。これは、後任のエルバラダイ氏、天野氏も同様です。

ブリクス氏には原子力発電所の事故とはどういうものか、被災者はどんな状態に置かれるのか、といった点について知識が不足していたようですし、エリート官僚特有の「上から目線」で、現場の人たちの苦しみも十分に見えていなかったのだろうと思われます。しかし、こうした人たちが国際組織を動かしているのです。

ブリクス氏は決して無能な人間でも信念のない人間でもなく、イラク戦争に至る過程で国連の要員としてIAEAでの後任者エルバラダイ氏とともにイラクに入ったブリクス氏は、根も葉もない核兵器保有疑惑をネタにイラクを攻撃しようとしていたブッシュ政権に追従しようとはしませんでした。天野氏のイラン問題を巡る動きが公正を欠く点にも、きちんと批判をし続けているようです。

現在のブリクス氏は、チェルノブイリ原子力発電所の石棺に被せる、巨大な覆いのための資金集めの財団で代表をしています。こんなものを毎年一基ずつ作るわけにいかないことをブリクス氏は理解していると思いますが、覆いが完成しても、彼の失言が人々の記憶から消え去ることにはなりそうもありません。

«資料» 福島第一発電所周辺地域の除染に、IAEAはチームを再度派遣


IAEAプレスリリース

2013年10月4日

国際原子力機関(IAEA)は今月下旬、福島第一原子力発電所の事故によって被害を受けた諸地域の、除染活動見直しのための国際専門家チームを日本に派遣する。

「福島第一原子力発電所周辺の汚染された広範な地域の除染に関するIAEA第二次国際派遣団」は2013年10月14日から21日までの日程で派遣される。16人のチームは、国際的な専門家とIAEAのスタッフからなる。

この派遣団は2011年10月に実施された「福島第一原子力発電所周辺の汚染された広範な地域の除染に関するIAEA国際派遣団」の後を継ぐものである。

日本で進行中の除染作業の進展を査定すること、除染という課題に向けて助言することが主目的の派遣団であるが、環境大臣を含む、関連部門の政府要人との会談も予定されている。10月16日から18日までは、福島県内の除染現場を訪問することになっている。

派遣日程の最終日には、派遣チームの所見と助言との概観的な報告書が日本政府に手渡され、また一般の人々にも公開されることになっている。

«資料» 日本:福島の原子力発電所の修復には莫大な労力が必要,とIAEA


国連ニュースセンター配信記事

2013年5月24日

金曜日に公表された報告書の中で国際原子力機関(IAEA)は、2年前に強力な地震と津波とによって損壊した福島第一原子力発電所を沈静化するには、日本がその方向で多大な進展を果してきているとは言え、まだまだたくさんの障害があることを、改めて喚起している。

福島第一原子力発電所の沈静化に向けたロードマップの作成に日本は努力しているが、それを査定する任務を負ったIAEAのチームが現地に派遣された。この報告書は、その結果としてまとめられたものである。

「日本の作業者たちは発電所の原子炉を冷却と安定化に漕ぎつけました。」報道へのコミュニケの中でこう解説するのは、IAEAの核燃料サイクル&核廃棄物管理技術部の部長、フアン・カルロス・レンチホである。

「しかし、現場での汚染水が累積してしまっていることが、状況の安定に致命傷を与えかねず、これ以外の修理、修復のプロセスに着手するより前に、できるだけ早く解決しなければならない、深刻な問題であり続けています。」とレンチホ氏は付け加えた。

報告書には、戦略や計画作成、立場の異なる諸関係者のかかわり方、原子炉の核燃料の管理などについて、一連の勧告が記載されている。

「IAEA の専門家たちによる報告書が日本にとって有益であり、また日本で原子力を運用している諸機関が福島第一の破局の教訓を忘れないための、手助けになって欲し いと思います。そうした点から見ますと、日本政府がこの報告書をちゃんと出版してくださるというお話を有り難く思います」とレンチホ氏は付け加えた。

 

活動の簡単な報告


佐々木慶子

(2013年4月25日、「女たちの一票一揆」第11回学習会での発言)

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フクシマアクションプロジェクトを立ち上げたっていうことは、もう前にもご紹介させていただいたし、前々回かな、FoEの吉田明子さんから活動報告もなされたので、ある程度、ご理解なさっておられるかと思うんです。その後の活動も含めて、ちょっと報告させていただきます。

実はこのフクシマアクションプロジェクトっていうのは、IAEA、国際原子力機関ですが、私たちは「国際原子力推進機関」っていうふうに捉えています。ある意味、原子力ムラの「世界のドン」ではないかなって、私なんかは捉えてるんですけれども。それを立ち上げることをですね、「脱原発世界会議」はご存知ですね、そのメンバーの方たちとの会議の中で出まして、私は最初は聞いていて「え?何?」っていう感じだったんですけれど。

で、東京の人たち、 ピースボートの人たちとかが、福島に来て、月一回、「福島を忘れるな!」っていうことで会合をやってくれていたんですね。私も初めてそこに参加して、聞いてたら、「とんでもない、え?福島でやるの?東京の人たちが一所懸命、福島で何かやろうとしている、えらい、福島の私たちが立ち上がらないでどうする の?っていう形で立ち上げたっていうようなことなんですが、それからこういうチラシを作ったり、パンフを作ったり。そして、この「IAEAに正しく対処するための参考資料集」っていうふうにやりまして、これ全部、デザインは人見さんなんですよ。こういう能力を持っている素晴しい方ですけど。

それで12月15日に「原子力安全に関する福島閣僚会合」っていうでっかい国際会議を、福島は郡山市のビッグアパレットっていうところで、3日間、何と130ヶ国から700人も来たんですよ。その時に焦点を合わせて、まず直接、IAEAと向き合おう!とんでもない目標を立てました。そのために一つ、要請書を出そう、と。

で、後、福島に来るんだから、被災者の声を直接、世界の閣僚たちに聞かせたいっていうことですね。私たちは、黙ってはいないよ、っていうことを知らせようっていう膨大な目標を、立ててやって、喚び出して、要請書を直接、手渡す場は、外務省交渉をして、やりました。

で、その回答は1月にちゃんと文書回答で下さいっていうことで、広報官のチューダーさんっていう女性の方だったんですけど、その人に直接手渡しました、英訳をして。

共同代表は3人、武藤類子さん、小渕真理さん、あと、男も入れなきゃっていうことで関さん。で、3人です。私は事務局長です。あとはまあ、人見さんとか、谷田部さんとか、本当に協力していただいています。まあ、こんな感じです。

この経過はDays Japanの3月号に、詳しく載ったんですよ。私たちのことっていいうよりも、IAEAはいかに悪者であるかと。ええ恰好した、実はとんでもない組織だということを、本当に詳しく、彼は8ページにわたって出してくれました。で、この写真は私たちがやった時の福島のビッグパレットの写真です、反対運動の。この時は東京からたくさん来ていただいて。で、200人の仲間のいる中で要請書を共同代表から渡しました。

で、最初にこういうとんでもない閣僚会議があって、フクシマアクションプロジェクトっていうそれに対抗する組織ができたよっていうことを紹介していただいていまして、最後にですね、最後の ページは参考資料としてこれ(「IAEAに正しく対処するための参考資料集」フクシマアクションプロジェクト刊)も挙げてくれています。

最後のこの色違いの記事があるんですけれど;これは私たちが出した要請書の一部抜粋っていうことで、出していただいて、詳しく、これを読んだだけでも、IAEAの実態とかが分るかな、って思ってます。

で、 文書回答もいただきました。ちゃんとくれました。で、その中には「私たちは推進をする機関ではない」とか「国の方針に従って協力する」とか、だから、美辞麗句がたくさん詰ったものでしたけれど、でも「推進する機関ではない」ってはっきり最初に言っているんで、そこのところをこれからしっかり詰めていこう と。

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あ、 これがそのジル・チューダーさんなんです。で、ちゃんと文書回答も持ってきて、それに対する再質問書も出しました。それに対してちゃんと再回答も来ました。こんなふうにして今、IAEAと直接、やってるっていうことですね。それと、直接やるには限度があるんで、県と直接やろうっていうことで、何回かやっ ています。これを設定する前にもやったし、外務省にも来ました。それから、つい先週、4月19日、県の、ここと窓口になっている何だかとてつもない面倒臭い名前なんですけれど、「福島県環境創造センター推進室」っていう、ところとのトップを喚び出して、3人と、私たちは共同代表とか私も混ざって5人で、 色々、質問をしました。

IAEAの組織の複雑さっていうことも分って、それからIAEAが福島県と単純にかかわっていないっていうことも分 りました。で、IAEAと福島県が協定交したんですね、その12月15日に正式に、県と協力しあうという。それからその他にIAEAはですね直接、医大、 福島県立医大とも直接、協定交しているんですよ。そして、要するに健康データですね、それを集めて何とかしようという。何をするんだっていうことで、福島県に色々聞きました。

環境創造センターっていうのを二カ所、三春町と南相馬市に建てるっていうことも分って、まだ地均ししているところで建物は建っていません。5月には別の機関を県庁のすぐ隣りに常駐させるっていうことも分りましたので、じゃとりあえずその常駐する方の機関の人と話し合う場を設定してくれっていうふうに、トップの人とやって、「難しいかもしれないけれど、やりましょう」っていうことで、進めて、あんた何すんのって設けたいなって思ってます。

それから福島県はですね、今、緊急事態になっているんだってこと、分るでしょう?3月18日に電源、止まりましたよね。 鼠一匹だったですよね。それから今度は冷却水漏れっていうことで、とんでもない、仮設住宅で後手後手後手後手その場凌ぎの対応しかやってないっていうこと を、皆さんもお分りになったと思うんですけれど、そういう状況も分ったんで、福島県は非常事態なんです。地震も大きいの何回もきてますよね、この間も起きましたけれど、福島は震度4、しょっちゅうです。震度3以上は  もう900回以上も起きているっていう、本当に、活動期なんですよ、地震。だから、福島県はまた、崩れそうな原発、4機ありますよね、特に4号機が危いっ て言われてて、本当、いつ第二のフクシマが起きるか分らない状況だっていうことは皆さんと共有したいと思います。

そういうことで、これから もとにかく、頑張っていきたいと思ってます。その中でちょっとした望みは、県としての正式な目標が福島原発10機廃炉なんです。ね、これは言ってます。それから、再生可能エネルギーにシフトするっていうのも、はっきり出てます。これは県として動かない、と。国がなかなか言うことを聞いてくれないという、そこも分りました。でも、「県職員として頑張ってくださいね!」って一所懸命プッシュしたら、その交渉の時でも、「頑張ります!」って言ったんで、それを実現させるように、私たちもやっていきたいと思ってます。

«資料» IAEAのチームが日本の福島第一廃炉計画の初回見直しを完了


IAEAプレスリリース

2013年4月22日東京発

IAEAの専門家チームが本日、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉の計画実施に向けた日本政府の作業の初回見直しを完了した。日本の「東京電力福島第一原子力発電所1ー4号機の廃炉に向けた中長期行程表」の国際同僚による見直しチームは2013年4月15日から22日の日程で日本を訪問していた。

日本政府からの要請によって、IAEAチームは経済産業省および東京電力の係官との包括的な話し合いを行なった。チームはまた、原子力規制委員会の係官たちとも会談した。チームは核事故の現場を訪問し、発電所の現状と施設解体に向けた進展に関して直接的な情報を得た。

「熱意に溢れた作業者たちが2011年以来、福島第一では大きな成果を上げていますが、それでも日本はなお、廃炉に向けて作業するうえで多大な困難を今なお抱えています」と、チームのリーダーでIAEA核燃料サイクル廃棄物技術部長のフアン・カルロス・レンチホは述べた。「東京電力が構内の原子炉と使用済み燃料プールで安定した冷却を達成しているのが分りました」

IAEAの13人のメンバーからなるチームは福島第一原子力発電所の廃炉に関連した広範囲にわたる問題点を検討した。例えば、ロードマップの全般にわたる戦略的アプローチ、原子炉と使用済み燃料プールの現在の状態、構内に溜め込まれている多量の水、さらには放射性物質の放出などである。

本日日本政府に提出された報告書草案の中でチームは、福島第一原子力発電所の廃炉の準備として多くのことが成し遂げられたことを確認している。例えば:

★日本は初期に作成された行程表から、1ー4号機からの使用済み燃料取り出しを前倒しすることにしたが、そうしたものに従って日本は、発電所の廃炉にタイムリーに取り掛った。加えて、原子炉から損壊した燃料を除去するというもっとも複雑な任務に向けて、論理的、合理的な計画を有している。

★東京電力は先進的で大規模な処理技術を成功裏に展開し、構内に集積している放射線に高度に汚染された水を除染し、脱塩した。

★日本政府と東京電力は廃炉プログラムを取り扱っていくうえでは、関係者の実効性のある抱き込みと、一般の人々へのコミュニケーションが重要なことを認識した。

加えて、IAEAのチームは改善の余地のある領域について助言を行なった。例えば:

★福島第一原子力発電所の終局的状態を定義する努力を押し進めることが、廃炉のための努力の焦点を定める助けになるのではないか。こうした努力は、関係者を効果的に中に入れることを通じて推進されなければならない。

★東京電力が関係者の信頼と尊敬を得るためには、その事故報告、(政府、規制当局、一般の人々との)コミュニケーション活動には査定が必要。

★東京電力は基本的なシステムの信頼性を高め、構内施設の構造的一体性を査定し、外部からの加害への防護を強化する努力を続けるべき。

★構内での放射性物質の放出や放射線被曝に関する諸問題の管理を引き続き改善する手段を講じていく必要がある。特に、溜った水の保管によって生じる問題がそうである。

「日本で私たちと同じ仕事をしている方々からは、多大なご協力をいただきました。皆さん、前向きに素早く、しかも安全に仕事することを心得ていらっしゃいます」とレンチホは述べた「私たちの派遣任務がこうした方々の助けになれば嬉しいです。国際社会は、日本の経験から多くのことを学びつつあるのだと私は思います」

IAEAチームの最終報告書は一月以内に日本に渡される。

日本政府の派遣要請は2011年9月にIAEA加盟諸国によって採択された「核の安全のためのIAEA行動計画」に沿ったものである。「行動計画」は核の安全の国際的枠組みを強化する作業プログラムを定義していて、経験の世界的共有の利点を充全に活かすために、国際同僚の査察派遣を推奨している。

IAEAは核推進派の機関です


2013年12月15日に、郡山で国際会議を開催したIAEAに対して、フクシマアクションプロジェクトが提出した要請書に、2013年1月17日 付で、広報官ジル・チューダー氏名の回答が寄せられました。この中でチューダー氏は「現在IAEAは原発を推進するという立場をとっておりません。」と書 いています。

けれども、「原子力の貢献を加速し、増大させる」のが目的の国際機関が、「原発を推進するという立場をとっていない」というのは、どういうことなのでしょうか。この機関の憲章には、次のように明記されているのです。

第2条
目的
この機関は、全世界の平和と健康と繁栄への原子力の貢献を加速し、増大させるよう務める。(…)
第3条
機能
A.この機関は属性として
1.全世界において、平和的目的の原子力の開発と実際的使用を、またその分野の研究を、勧奨しかつ援助する。(…)

こ れらの文言は、1956年10月23日に、国際連合本部で開かれた国際原子力機関の会合で採択され;1957年7月29日以降、効力をもっているもので す。この憲章は、1963年1月31日、1973年6月1日、1989年12月28日に少しずつ改正されていますが、憲章の基本精神と言うべきこの第2条 (目的)と第3条(機能)には、微塵の改変もないまま、今日に至っているわけです。

チューダー氏の言っていることは憲章に反しているのではないでしょうか。

確かに、「原発を推進する」かどうかは、「原子力を推進するか」どうかと、厳密に言えばイコールではないでしょう。けれども、原発を除いて、いったい何を推進すると言うのでしょうか。

先程の文言の少し先でチューダー氏はこう書いています:
「IAEAとして、加盟国に対して原発を導入すべきである、原発の運転を継続すべきである、あるいは原発を停止させるべきであると言う立場にはありません。」と述べています。

こ れは、「原発を推進するという立場をとっておりません。」ということの具体的な言い直しに当るのでしょうか。ここで言っているのは、「べきである」と言っ ていない、つまり強制的な文言を用いることはしていなし、そんな権限もない、ということを言っているわけで、しかし、原発を推奨はするし、運転継続の要望 はする、ということが含まれているわけです。

現に、郡山の国際会議は、事故の直後に現場近くで開かれたのにもかかわらず、原発の危険についてはほとんど議論しないというものでした。天野氏はIAEAの憲章に忠実だったわけであり、チューダー氏の回答書の文言は残念ながら瞞しであるということにならざるをえません。

要請書への回答


2013年1月17日
フクシマ・アクション・プロジェクト
共同代表
小渕真理 樣
武藤類子 樣
関  久雄 樣

国際原子力機関
広報官  ジル・チューダー

昨年12月15日に貴団体より受領しました要請書(IAEAに「福島原発事故を過少評価せず、被災者の声に真に応えることを求める」要請書)に対し、以下のとおり回答を致します。

東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故により被災された方々に対して改めてお見舞い申し上げます。国際原子力機関(IAEA)としては、被災者の皆様が一日でも早く元の生活に戻れるよう、引き続きできるだけのお手伝いをしたいと考えております。

去 る12月15日に福島県知事との間で署名された覚書に基づき、IAEAは今後、放射線モニタリング・除染、人の健康などの分野で、福島県と協力していくこ とにしています。これらのプロジェクトは、福島県からの要望に基づき福島県の方々と一緒に実施していくものであり、IAEAが有する国際的な知見・経験を 福島の人たちと共有し、少しでも復興のお役に立ちたちと考えています。

現在IAEAは原発を推進するという立場をとっておりません。自国の エネルギー政策をどうするのか、また、その中で原子力発電をどう位置づけるのか、あるいは既に原子力発電所を稼動させている国については将来原発をどうし ていくのか、などはそれぞれの加盟国が自ら決定する問題であります。IAEAとして、加盟国に対して原発を導入すべきである、原発の運転を継続すべきであ る、あるいは原発を停止させるべきであると言う立場にはありません。しかし、加盟国が原子力発電を導入する、あるいは継続するという決定をした場合には、 それらの原発が国際的な安全基準を十分満たし、周辺国の懸念にも十分対応する形で、安全かつ持続的に運転されるよう支援をするということがIAEAの役割 です。加盟国が自国の原発の稼動を停止し将来原発から撤退するという決定をした場合であっても、原発が停止するまでは安全基準に沿った運転が必要ですし、 IAEAとしてはそのための支援を行います。

いずれの国においても原子力発電の推進は高い透明性と信頼性をもって行われなければならないのは当然であり、IAEAは国際的評価ミッションの派遣や得られた情報の共有などを通じて、国際的な透明性・信頼性の向上に貢献しています。

福島医大とIAEAとの2013年12月協定書


竹内雅文

2013年12月に福島県は国際原子力機関(IAEA)との間に幾つかの協定書を取り交 しました。その中に、「福島県立医科大学とIAEAとの間の実施取決め」という題目の協定書があり、医大学長の菊地臣一氏と、IAEA事務次長(原子力科 学・応用担当)のモハマド・ダウド氏が署名をしています。(原文英語版:http://www.mofa.go.jp/policy/energy /fukushima_2012/pdfs/fukushima_iaea_en_06.pdf 日本語版:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/fukushima_2012/pdfs /fukushima_iaea_jp_06.pdf )

この文書には見過しにできない文言が色々と含まれています。

「1目的」という条項には、「事故後の福島県における放射線が人の健康に与える影響及び放射線リスク管理の分野において、協働活動を発展させ実施することを目的とする。」とあります。
この「放射線が人の健康に与える影響」という言葉は、次の条項にも現われます。
「2協力の範囲」という条項を読むと、「●啓発の強化:IAEAは、放射線が人の健康に与える影響に関する啓発を強化し、福島県民の放射線に対する不安及 び心的外傷後ストレス障害に取り組むことを目的として、大学と協力して、会議、セミナー及びワークショップを開催するよう努める。」となっています。
「放射線が人の健康に与える影響」という言葉には、例えばどのようなものを指しているのか、何ら具体的な説明はありません。そして、これとほとんど同じ比重で「県民の放射線に対する不安及び心的外傷後ストレス障害」なるものが並置されています。

私たちはこうした文言を、この覚書締結当時まだ県立医大の副学長であった山下俊一氏の発言として繰返し伝えられている「100mSvでもニコニコしていれば大丈夫」という文言と、相通ずるものとして理解しないわけにはいきません。
かねてよりIAEAは、放射線被曝による疾病であることが疑われる個々の症例で、その真の原因を被曝によるものと特定し連関を確実に立証することが困難で あることを論拠に、放射線の人の健康への影響をほとんど丸ごと否認してきました。そして、それに変る病因として、ストレス障害なるものを繰返し持ち出して います。
けれども、チェルノブイリ周辺で事故後に発現した大量の死者や病者、障害者、死産等に関して、個々の症例の立証が困難であるからと言って、まとめて否認す るのは、一かけらの科学性もない暴挙であり、さらに、彼らの言うストレス障害なるものに、どのような学説的論拠があるのか、一度として説得的に示されたこ とはありません。

一方の「放射線リスク管理」という言い方は、「××癌による死亡可能性は0.0×パーセントの上昇です」といった枠内に問題を押し込めるもので、こういったリスク論なるものは、実際に発病してしまった人の命の問題を確立統計の中に疎外するものです。

この医大とIAEAとの協定は、放射能による健康障害の問題を、ストレス論、リスク論という2つの軸によって成り立つ軸の中に押し込めようというもので、このような設定を行なった福島県知事の佐藤雄平氏と医大の菊地臣一氏との責任は重大であると言わなければなりません。

以上の点が、この協定の最大の問題点と思いますが、それ以外にも、幾つか留意しておくべき条項があります。

「9 知的財産」には「IAEA憲章上の任務を尊重しつつ、適当な場合かつ必要に応じ、知的財産及び知的財産権に関連する事項について相互に協議する。」とあり ます。総じてこの協定には、福島県側のみがIAEAの立場に留意するべきことが規定されています。そうした力関係に立った協定であることに注意しておく必 要があります。

「10特権及び免除」には「日本国政府が1963年4月18日にIAEAの特権及び免除に関する協定を受諾したことに留意する。」と書かれています。この協定については、別に項目を立てて解説していますので、そちらを参照してください。(準備中)

今、福島で何が起っているのか


武藤類子

2012年12月16日、市民会議「海外からみた福島原発震災・福島から考える未来」(フクシマアクションプロジュエクト主催・於:郡山女子大)での発言

皆さん今日は。私は三春町というところに住んでいる武藤類子と申します。私の家は原発から約45キロのところにあります。で、昨年3月11日に原発事故が起 きて、福島がいったいどんな状況になっているのかということをお話ししたいと思います。ここに福島の方がたくさん会場に来ておられますけれども、皆さん一人ひとり、本当に一人ひとりに困難があった、という状況なんですね。で、そのことについて語り切れませんけれども、代表的なことをお話ししたいというふう に思います。

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これが福島原発の3号機と4号機の写真ですね。4号機がたまたま点検中でしたので燃料棒が取れて、原子炉から使用済み核燃料プールに入っていました。今、 1600本の核燃料が入っています。で、つい昨日も地震がありましたけれども、ちょっと前にも大きな地震がありましたね。この地震で、この燃料棒の入った プールがいつ崩れるだろうか、そしてこの燃料がさらに爆発しないだろうか、という不安を思っています。

それから3号機はついこの間、瓦礫の撤去作業中に鉄骨が燃料プールに滑り落ちたという事故がありました。近寄れないので、鉄骨が外に転がっています。それで、クレーンの操作を間違えて、鉄骨が入ってしまったんですね。プールの中を覗いたらさらに2本の鉄骨が入っていたということが分りました。

それから2号機の建物は壊れていな いんですけれども状況はいちばん深刻でいちばん線量の高いところが原子炉格納容器の上の部分だと言われえちます。それは73シーベルトあるそうです。73 シーベルトというのは、人が1分間そこにいたら100%死亡するという数値だそうです。生身の人間がここに入ることができるようになるためには、300年 かかる、というふうに言われています。

そこで今、1日3000人の労働者たちがいらいています。彼らは年間50mSvが線量の許容数値でし たけれども、いきなり250mSvに引上げられたんですね。夥しい被曝の中で作業をしているという状況です。そこで働いている人たちは約60%が福島県民だと言われているんですね。その人たちは仕事を失くした人や田畑で田圃を作ることができなくなって、そういう人たちが原発労働者として多く働いています。

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これは福島県内に2700個所あるモニタリングポストです。これは3ヵ月くらい前の郡山駅前、東口というところですね。0,998、約1マイクロですね。 で、こういうホットスポットが今も町の中にたくさん存在しています。もっと高いところもあります。このモニタリングポストに関して、疑惑が持たれたんです ね、これは本当に正しい数値なんだろうかということが言われていました。どうも、測っている測定値の線量と違うようだと、気付いた人たちがたくさんおられたんですね。

それでXXの人たちが測って、それからグリーンピースジャパンというところも測りました。そしたらどうも数値が低く出ているものが多い、すべてのではないんですけれども、多いということが分りました。で、どうしてなのかということで、発表されたのは、これはソーラーパネルを使った自家発電の装置なんですね。それで発電された電気がバッテリーに蓄められます。で、バッテリーというものの中には鉛が入っています。鉛で遮蔽されて、線量が低く測られているのではないかということも言われています。あとは、このモニタリングポストを設置する前に測るところだけを除染しているのではないかということも言わています。

次に、これを測定した半月後に私が同じ場所に行ったら、0,5μSvに変わっていたんですね。それで、どうしてかなっと思ったら、そこを除染したと言うことを聞きました。この広場だけを除染したということです。このように、自分たちが住む場所の空間線量という最低限の情報すら私たちは得ることができない、というふうに認識しています。

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これが早川先生という方が出しておられる早川マップというマップですけれども、非常にこの、放射線の拡散っていうのは日本中に拡がっているのですね。こうい う中でですね、福島市や郡山市っているとろは非常にたくさんの人がいるんでしけれどもとても高い線量が今だに測られています。それから、避難が義務の地域、チェルノブイリで言えば避難の義務の地域、あるいは避難の権利がある地域、というところに今だにたくさんの人たちが暮しています。子供たちもそこに家族といる、ということになっています。で、この原発事故があってすぐに、日本の国はデータを隠すことや安全キャンペーンを張って、「この事故は大したこと ないんだよ」っていうことを言い、そして数値ですね、規準値を上げるということをしました。
それによって福島県民は、もしかしたらしなくても良かったかもしれない被曝をたくさん強いられたっていうことがあるんだと思います。

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これは川内村という村です。原発から20キロくらいのところです。この村は原発事故があってすぐに全村避難ということになって、全員で避難したんですね。ところが一早く、全村帰村、帰村宣言をしたんですね。3000人くらいの小さな村なんですけれども、すべての家を建て直して戻る、ということを決めました。 これは8月に私が写した川内村です。ここで除染の作業というものが行なわれたわけなんですね。これはどういう除染かと言いますと、家のまわりを20mも木 を切って、それから敷地の中の木を全部、抜いて、5センチも土を剥ぎます。そして新しい土を入れて整地をするという、それで終りなんですね。それで1軒めを除染して次々とやっていくと、10軒くらいまでいくと、最初にやった家がまた元の線量に上がっているということを言っていました。たまたま私の友達がこの除染作業に出ているんですけれども、そういうことを言っていました。

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これは先程の家の道路を隔てた向い側です。先程の家から出た除染ののゴミですね。土や切った木の枝などがここに入っています。これは1m20cmくらいの大 きな袋なんですけれども、ここに線量計を近付けたら4μSvありました。こういうものが今、福島県中にたくさん置いてあります。これを山の中の村では、こうして仮置き場にするところもあるんですけれども、町の中ではちょっと大変です。置くところがありません。だから家の、家から除染されたゴミは、自分のうちの庭で穴を掘って、そしてそこに埋めて土を被せる、またはブルーシートを被せただけっていうところも中にはあります。

で、今、1年と9ヵ月経ったわけなんですけれども、今だに放射線というのは原発から毎日、1000万ベクレルですね、放出されていると言われています。この間、こういうこと がありました。農業試験場というところで、大根を測ったんですね。まったく放射能の出ない大根を測ったんですけれども、それを切干し大根にしたんですね。 切って外に干しました。そしたら、3000ベクレルになったということを発表しました。だから放射性物質はまだまだ私たちのまわりにたくさんあるっていうことですね。数字にもなっているということですね。

そして、約1年経った頃から、福島では「復興」ということが言われ始めたんですね。先程、佐々木慶子さんがおっしゃっていましたけれども、子供たちを復興のシンボルにしています。例えば、子供の参加するマラソン大会とか、スケッチ大会が外で行なわれるようになり、それから学校の外に出る制限時間が解除されました。それから外でのプールも行なわれるようになりました。それから家庭の子供たちがいわき市というところの瓦礫の片付けのボランティアに行ったということもニュースで聴きました。

それからですね、どんどん、最初に行われ た安全キャンペーンと同じようなものではなくて、もっと違った形の放射線の安全キャンペーン始められるっていうように思います。例えば、子供たちがよく行くような施設で、「正しく怖がる放射線」っていうことをやり、それから伊達市というところでICRPの第4委員会の委員長であるジャック・ロシャールという人が来まして、市民との対話集会、ダイアローグというのがありました。そうしたことがあります。

それから賠償がどんどん遅れ、それから借 り上げ住宅の新規打ち切りという案も出ているんですね。これはどういうことかと言うと、福島県民をどんどん元に戻して、ここに住まわせるという、そういうことに取り組もうという、福島県も自治体も進めているということです。他で暮す、避難をするとか、そういうことに関しては選択肢になれないような、そんな状態になっています。

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これは一昨日、行なわれたIAEAの人々の福島原発の視察ですね。真ん中に天野さんがいます。私は三春町というところに住んでいますけれども、私の住んでい る町に今度、福島県が作る、環境創造センターというものができます。ここにIAEAが常駐することになっています。約60億円を使ってこの環境創造センターを作るそうなんですけれども、ここに関係している人々はどんな構成メンバーでできているかと言いますと、JAEA(日本原子力研究開発機構)、それから国立環境研究所・資源環境廃棄物研究センター、日本原子力学会、それから放射線防護研究センターですね。そして日本大学と福島大学も入るということになっていますね。

その中で出てくるのは、環境放射能等のモニタリング、廃棄物処理の研究、それから情報収集、発信、それから研究交流機能っていうのがあるんですけれど、ここでは放射線の影響に関するリスク・コミュニケーション、そういうことが研究されるというふうに言われています。これに関しては、どういった形でどんなふうに行なわれていくのかっていうことに、とても不安に感じます。

先程の方もおっしゃっておられましたけれども、こうしたことが私たちにはまったく何も知らされないで決まってしまったんですね。すべてが私たち抜きで決められていくという感じがしています。で、三 春町にこの創造センターができるっていうので、福島県が三春町に説明に来るっていうことになったんですけれども、それに出席できるのは議員と区長だけで、 一般住民は入れないということなんですね。そういう中で進められていくのだ、というふうに思います。

IAEAへの要請書


2012年12月15日
IAEA事務局長 天野之弥様

IAEAに「福島原発事故を過小評価せず、被災者の声に真に応えることを求める」要請書

フクシマ・アクション・プロジェクト
共同代表  小渕真理・武藤類子・関久雄

こ の度、貴機関IAEA(国際原子力機関)が福島県の「環境創造センター」創設の一環として県内2か所に研究拠点を設置することを知りました。私たちはこれ までのIAEAのあり方からIAEAは世界的な原子力及び原発の推進機関であり、原子力の平和利用を強調し、危険性を矮小化してきた機関と捉えています。 そのような強大な機関が福島県にやって来て、いったい何をしようとするのでしょうか。私たち原発被災者のためになるのだろうかなど多くの疑問があり、その 真意に懸念をもっています。それらを払拭するために私たちはフクシマ・アクション・プロジェクトを起こし、福島原発被災者からの要望を提出いたします。 2013年1月中に文書回答をいただきたくお願いいたします。

2011年3月11日、東日本大震災としての福島原発事故によって美しく自然 豊かな私たちのふる里・福島はそれまでの生活と環境が根底から覆されました。マグニチュウド9.0という地震と津波はすさまじいものでしたが、これは誰も 止められない天災です。しかし、それに伴って起きた福島原発事故は原発さえ建設しなかったら起きなかったものであり、あきらかな人災です。
未曾有の原発事故によって放射能被害を受けた私たち福島県民は、生きるために最も大事である安全な空気・水・食べ物を多少なりともそれらの全てを失ってし まいました。自然の恵みを生活の糧に出来ない環境になってしまいました。先人たちから善とされ是とされてきた自給自足、地産地消、自然遊牧、有機農法など は打ち砕かれてしまいました。私たちは外部被曝、内部被曝による低線量被曝に常時さらされ命までが脅かされています。なによりも子どもたちから健全に育つ 自然環境と明るい未来を奪ってしまいました。子どもたちに取り返しのきかない膨大な「負の遺産」を与えてしまったことが悔やまれます。子どもたちを放射能 被害から守ることこそ急務です。子どもたちを守らずして福島県の、日本の、否、人類の未来はないと言えるでしょう。

事故から1年9カ月たっ た今も、爆発を起こした1号機から4号機はいずれも炉心には近づけず、全容は明らかになっていません。中でも4号機は建屋そのものが傾いており、頻繁に起 こっている余震にどれだけ耐えうるのか予断を許さない状況です。私たち県民は余震が起きるたびに「第2のフクシマ」の恐れにおびえています。そこがくずれ たら今回の事故の何倍もの放射能汚染によって東京はおろか日本全国壊滅に追い込まれ、世界規模の放射能汚染がさらに深刻になると予測されています。そうで なくても毎時、1千万ベクレルもの放射能が空に海に放出され続けています。処分法の定まっていない核廃棄物の問題もあります。これまで溜まり続けてきた上 に、事故後の除染作業による廃棄物は家庭の庭先や校庭の一隅に山積みされブルーシートで覆われてあちこちに放置されています。日本は地震王国であり国土に は縦横無尽に活断層が走っており、原発は一基たりともあってはならない所なのです。
こんな中、昨年12月17日、日本政府は「福島原発冷温停止状態の終息宣言を出しました。私たち県民には納得できるものではありません。目にも見えず、に おいもない放射能への恐怖と体制側からの「ただちに健康に影響ない。」「年間100m㏜以下は大丈夫」などの「安全キャンペーン」のはざまで、私たち県民 は揺れ動き、悩み、家族や仲間との間でさまざまなあつれきやいさかいも生まれました。一本の線引きで分断や差別がおこりました。そして強制避難、県内外へ の自主避難、避難したくてもできない定住、避難も移住も望まないふるさと定住、保養など様々な生き方に分散し、多くの家族分断や地域破壊が発生しました。
放射能汚染によって突然、着の身着のままでふるさとを追われ、非人間的環境の避難所生活から、その後、狭くて不自由な仮設住宅に移り、先の見えない生活を 強いられている人たちがいます。その多くはふるさとの我が家へ帰りたくても、何年経っても帰れないと分かっている人たちです。今も16万人ほどの原発難民 と言われる人たちがいます。私たちはどんな生き方にしても強制されず自主選択の自由を要求します。そしてそこには安全・安心に生活を維持していくための職 や社会保障などの補償も伴わなければなりません。

これらの実態は「原発は全てを奪う。」「核と人類は共存できない。」ことの何よりの証明です。原発はひとたび事故を起こせば野に放たれた放射能プルームは止める術がなく、生態系や社会体系の維持も破壊するのです。原発問題は人類にとって最大・最優先課題と言えます。
IAEAには原発即時廃炉に向けての技術開発と放射性廃棄物の処理にこそ世界中の叡智を結集することを切望し、以下のことを要望します。

― 記 -

(1) 人類の最大限の叡智を集めて、福島第一、第二の原発10基全てを即刻、廃炉にし、福島原発事故を真に終息させること。
(2) 地震王国日本、活断層や破砕帯が縦横無尽に走っている日本国土に原発はあってはならないものである。福島原発事故の教訓を生かして、「第2のフクシマ」を 起こさないように日本全国の全ての原発の再稼働はありえず、即刻、廃炉にするように日本政府に働きかけること。
(3) 子ども・若者たちの放射能被害の最小化とその重点化に努めること。希望する家族には子どもたちの安全地帯への避難・疎開・保養を早急に行うこと。
(4) 福島医大が行っている子どもたちをはじめとする健康調査のデータは本人への情報開示と説明責任を果たすこと。本人や保護者の疑問や心配には充分に応えること。
(5) 3.11「福島県の被災者」全員に「健康手帳」(仮称)を配布し、必要に応じて生涯にわたる健康と生活の補償を行うように東電・日本政府・福島県に働きかけること。
(6) 被曝労働者の放射能積算量低下に配慮した廃炉技術を促進させ、新たな雇用を生み出すこと。
(7) 使用済み核燃料廃棄物の処分法を早急に確立させること。
(8) エネルギー政策を脱原発依存に転換すること。再生可能・低炭素エネルギーへの技術革新を促進し、新たな社会構築を行うこと。
(9) これまでの原発推進方針を見直し、「人類への放射能被害の低減化」に切り替えること。
(10) 以上の全ての事業は透明性をもって行われ、外部から不信や疑惑を招かないこと。
以上

要請書を読み上げる小渕真理フクシマアクションプロジェクト共同代表

要請書を読み上げる小渕真理フクシマアクションプロジェクト共同代表