野生生物を専門に調べる施設?


竹内雅文

福島民報(2013年5月26日)によると、福島県は環境創造センターの付属施設として、大玉村の鳥獣保護センター内に、「野生生物を専門に調べる施設」を「新設する方針を決めた」ということです。

鉄骨造り平屋で、「対象生物の管理、分析に活用する」としています。

記事を少し先まで読んでいくと、「野生動物の放射性核種の動態調査は、イノシシ2千頭を捕獲し、体表面や筋肉組織、胃の放射性物質濃度を測定する。」とあります。「IAEAの助言を受けながら、今年4月から平成28年3月までに実施する」のだそうです。

大玉村は安達太良山の南西の山麓に拡がる村です。ここに「ふくしま県民の森/フォレストパークあだたら」という森林を生かした公園があり、その一角に鳥獣保護センターがあります。

文 字通りの保護センターとして福島県の自然保護課が運営してきた施設で、県民が野山で発見した傷ついた鳥獣を持ち込む場所です。施設内には鳥獣のための治 療、入院、リハビリ施設が設けられ、傷病を癒して野生に復帰させる活動を行っています。数十年の歴史があり、実績を評価されてもきました。

猪 は日本では人間との付き合いの長い獣ですが、生態は意外と分っていません。これを捕獲するとなると、通常は餌でおびきよせて罠を掛けることになります。檻 などの中におびき寄せて蓋を閉じてしまう「箱罠」という方法と、餌の近くに隠された仕掛けで足を挟んで動けなくする「括り罠」という方法がありますが、ど ちらにしても、そう簡単には罠にかかりません。罠にかかって興奮した状態の猪はかなり危険で、捕えた個体を研究施設に生きた状態で搬送するのは、容易なこ とではありません。

2000頭という目標値から判断して、その場で殺してしまう積りなのだろうと思われます。その遺骸を「鳥獣保護センター」の中に次々と運び込むのでしょうか?

それを解剖して、臓器に分けたうえで、放射能を測定するのでしょうか?どのような核種を想定しているのか分りませんが、その過程で「IAEAの助言を受け」るというのも、理解し難い話です。