「原子力に反対する100個の十分な理由」の日本語版


ドイツのEWSシェーナウ電力会社が、「原子力に反対する100個の十分な理由」の和訳版を発行しましたので、そのリンクをご紹介させて戴きます。これは、35頁から成るPDFドキュメントです。

http://100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf

和訳版の発行に伴い、ウアズラ・スラーデク(Ursula Sladek)女史がEWS電力会社を代表して、下記のメッセージを日本の皆様に送っています

日本の読者の方々に

福島の原子力発電事故は、私たちにこの冊子を日本語に翻訳することを思い立たせました。

ここに記した数多くの数値やデータは、ドイツの原子力発電所に関するものですが、事実は世界中どこでも同じです――原子力エネルギーは危険であり、 非民主的で、高額で、不要なものです。この小さな冊子が日本において、原子力に反対する市民運動に少しでも力を与え、支持するものであれば幸いです。

日本にお住まいの方で、地震に、津波に、そして原子力災害で悲惨な目に遭われたすべての方々に、私たちから心からのお見舞いを申し上げます。

自然災害による脅威は、この先も私たち人間が完全に管理することはできないでしょうが、日本において原子力は私たち人間で終りにすることができます――この道を進まれ、幸運を心から願っています!みなさまのことを心から想って、

ウアズラ・スラーデク(Ursula Sladek)EWSシェーナウ電力会社代表

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以下、EWSシェーナウ電力会社が設立された歴史について簡単に説明させて戴きます:

EWSシェーナウ電力会社は1、000人の市民が所有する電力会社で、ドイツのシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald-ドイツ南西部に南北につらなる高原状の山地 )に位置する、人口2,000人ちょっとの小さな町、シェーナウにあります。

1986年、チェルノブイリ原発事故から放出された放射能雲がヨーロッパ全土をおおったとき、シェーナウに住む多くの親たちは、自分たちの子供たち の健康を憂慮しました。そして、原子力発電に反対する行動を起こそうと市民運動を立ち上げ、「原発のない未来のための親の会」を結成しました。

まず、彼らが取り組んでいった課題は、「電力節約(省エネルギー)」でした。彼らは他の住民たちにも「電力を節約すること」を勧めていく活動を行い ました。電力会社にも「電力節約」への協力を要請したのですが、「我々のビジネスは、電力を売ることであって、電力を節約することではないのですよ」と、 簡単に拒否されてしまいました。

そこで、住民たちは「電力送電網」を自分たちのものにしていくことを思い立ったのでした。「市民が自らの手でソーラ、風力、水力を利用して電力を生 産すること、そして、それを自分たちが所有する送電網に送る込み、電力を供給すること」、これが、彼らの目指すべきゴールとなりました。

その間、送電網の所有に関する住民投票が2度あり、市民が運営するEWS電力会社は2度とも、住民投票で勝利を得ました。しかし、電力会社からは、 「得票があっても、送電網の所有権は我々にあるのだ。送電網を自分たちのものにしたいのなら、900万マルク(約4億5千万円)で売ってやるよ」との言葉 がかえってきたのでした。

送電網を自分たちのものにするための資金集め市民運動が始まりました。それから、彼らは7年間を費やして、ついに送電網を自分たちのものにすることができたのでした。

現在、ESWシェーナウ電力会社は、ドイツ全国にわたり計およそ15万の個人世帯へ電力を供給しています。

ドイツにおける電力購入は、どこから電力を買うのか、個人個人が自由に選択できるシステムになっています。

以上

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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