鮫川の焼却炉と塙のバイオガス発電


武藤類子
2013年4月28日、東京四谷ニコラパレでの講演より

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鮫川村という村があります。ここに突然、8000ベクレル以上の農林関係の廃棄物、例えば稲藁ですとか、牧草、そういうものを焼却する実験炉ができる、ということが突然、分ったんですね。村の地権者だけに了解をとってですね、他の村人にはぜんぜん知らされないで、どんどん工事が始まっていたんですね。

このように、ふと気がついた時には、基礎が、焼却炉の基礎がもうできていたっていう状況だったんだそうなんですね。それで気がついた人が、「これはいったい何だ!」ということで村に質問をしたり、「大変だ」ということで反対運動を始めました。

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この鮫川村というのは、福島県の中では比較的、線量の低いところなんですね。さっき一つ前の写真に測定器があって、0,13Svだったかな、とても線量が低いところなんですね。こういうふうに線量の低いところに、焼却施設というものをもってきて、果して大丈夫なんだろうか?さらに汚染が進むのではないかっていう懸念もあります。

そしてこれは実は環境省が直接、やっている仕事なんですけれども、ふつう、焼却炉なんかを作るばあいには必ず、環境影響調査、環境アセスメントというのをやりますよね。1時間に200kgの焼却能力がある場合には必ず環境アセスメントをしなければならない、でもこの焼却炉の場合は、1時間に199kgの焼却という申請がなされているものなんですね。これは本当にもうアセスメント逃れの悪徳業者がやることではないかと思うんですけれども、これを環境省がやっているわけなんですね。

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この地域というのは非常に水の豊富なところで、きれいな清水とかがいっぱいあるんですね、湧き水などが。そしてここは隣接するいわき市の水源地になってます。それから隣の茨城県の高萩市っていうところの水源地にもなっています。2つの市が水源が汚されるとたいへんだっていうことで反対運動を始めたんですね。それで最初に了解した地権者の人たちの2/3の人たちが撤回をしたんですね。それでいったん、工事は止まりました。

止まったんですけれど、村は村長さんがやる気満々なんですね。焼却場を誘致したいという思いが一杯で、今、撤回した地権者たちの切り崩しをしているという、そういう状況なんだそうなんです。

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この地図を見ていただくと分りますが、赤い丸の下のほうが焼却場、で、ちょっと色が薄いのが分りますね。本当に奇跡的に原発から近くても奇跡的に線量が低い場所なんですね。こういうところはまだまだ暮せる可能性のある場所です。

この焼却所の赤い丸の左に真っ直ぐ行くと塙(はなわ)という町があるんですね。これはまた別の話になるんですけれども、この焼却所のことで大変だっていうことになっていましたら今度は、この塙町というところに、木質バイオガス発電所というものができることが分ったんですね。

木質バイオガス発電は原発に比べればもちろん安全でエコロジカルなものというイメージがありますけれど、その燃やす木質というのが、除染のための伐採した木 を燃やすっているうことなんです。非常に汚染されたものをここで焼却するっていうことなんですね。で、燃やした時にはバグフィルターというフィルターが付いているから大丈夫なんだっていうことを言う方もおられます。でもフィルターというのは新しいと、どんどん、このフィルターの能力が半分くらいなんだそうですね、付けたばっかりの時には。そして段々こう逹していって眼が詰った時にフィルターの能力が上がってくる、そして洗うとまたガクっと下がるっていうことで、完全にシャットアウトすることはできないっていうことを言っておられる方もおられます。

それから、灰にはとても高濃度の放射性物質が濃縮されてしまいます。私の家は薪ストーブを使っていたんです。けれどもその薪は、薪そのものを粉砕して測ると900ベクレルだったんですけれども、燃やして灰にしたら、9000ベクレルになったんですね。そういうふうに非常に高濃度に濃縮されていきます。この灰をいったいどうするのかっていう問題があります。

福島県や環境省で考えているのは、その高濃度の灰にもっと汚染の少ない低濃度のゴミを混ぜてそしてコンクリート固化するという、そういう計画なんだそうなんですけれども、私は、それで本当に放射性廃棄物を保管できるかっていうことについては、まだまだ疑問だっていうふうに思っています。