3・11 甲状腺がん子ども基金 設立記念シンポジウム


満田夏花

甲状腺がんの子どもたちの支援および健康被害状況の調
査・把握を目的とした「甲状腺がん子ども基金」が設立されます。
以下の設立シンポジウムにぜひご参加ください!
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3・11 甲状腺がん子ども基金 設立記念シンポジウム(9/17)
9月17日(土)14:00~16:30 @北とぴあ つつじホール
講演:松本市長 菅谷昭さん
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/evt_160917.html
福島原発事故後、福島県では172人が甲状腺がんまたは疑いと診断され。131人が手術を受けました。リンパ節転移や遠隔転移、再発など、深刻な症例も報告されています。福島県外でも、自治体や民間の自主的な検診により、子どもたちの甲状腺がんが報告されています。 甲状腺がんと診断された子どもと家族は一生治療と向き合わなければなりません。その上地域社会では孤立を強いられ、たび重なる診察や通院費用などで経済的にも困窮している家庭もあります。  こうした中、民間からの寄付により、甲状腺がんの子ども等への支援および原発事故による健康被害状況の調査・把握を行うことを目的とし、「3・11甲状腺がん子ども基金」が設立されました。  チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がんの子どもたちの治療にあたってきた、菅谷昭・松本市長(3・11甲状腺がん子ども基金 特別顧問)をお迎えし、設立記念シンポジウムを行います。ぜひご参加ください。
◆日 時:2016年9月17日(土)14:00~16:30 (開場13:30)
◆会 場:北とぴあ つつじホール (東京都北区王子1丁目11?1)
最寄駅:JR王子駅北口より徒歩2分、地下鉄南北線・王子駅5番出口直結、都電荒川線 王子駅前 徒歩 5分
◆内 容
基調講演
「チェルノブイリと福島…子どもたちの未来のために」 菅谷 昭さん(松本市長)
「甲状腺がん子ども基金」設立について
パネルディスカッション「いま、求められていること」
パネリスト:崎山比早子さん/武藤類子さん/河合弘之さん(予定)
◆参加費:500円
◆主 催:3・11甲状腺がん子ども基金
◆申込み:不要
◆問合せ:090-6142-1807  E-mail:311kodomokikin@gmail.com
※3・11甲状腺がん子ども基金」 フェイスブックページはこちら ← 「いいね!」をよろしく!
https://www.facebook.com/311kodomokikin/
※設立シンポのイベントページ
https://www.facebook.com/events/1485839351442088/

満田夏花(みつた・かんな)/携帯:090-6142-1807
国際環境NGO FoE Japan(認定NPO法人)
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
http://www.foejapan.org/

【緊急声明】 G7首脳たちは、福島原発事故のもたらした人々の苦しみにこそ目を向けるべき


満田夏花

G7伊勢志摩サミットの宣言文が発表されました。
いろいろひどいとは思いますが、とりわけ原発部分については目を疑う内容です。
「我々は,福島第一原子力発電所における廃炉及び汚染水対策の着実な進展,並びに福島の状況に関する国際社会の正確な理解の形成に向けて,国際社会と緊密なコミュニケーションの下でオープンかつ透明性をもって日本の取組が進められていることを歓迎する。原子力の利用を選択する国にあっては,原子力は,将来の温室効果ガス排出削減に大いに貢献し,ベースロード電源として機能する。」などとしています。

FoE Japanでは、以下の緊急声明を発表しました。
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【緊急声明】 G7首脳たちは、福島原発事故のもたらした
人々の苦しみにこそ目を向けるべき

http://www.foejapan.org/energy/world/160527.html

本日、「G7伊勢志摩首脳宣言」が発表されました。
この中で、福島原発事故に関して、「廃炉及び汚染水対策の着実な進展」「オープンかつ透明性をもって日本の取り組みが進められている」とし、「原子力は,将来の温室効果ガス排出削減に大いに貢献し,ベースロード電源として機能する」としています。
しかし、宣言文では、福島原発事故がもたらしたとりかえしのつかない惨禍、永遠に失われてしまった美しい故郷やそこで暮らす人々の営みやつながり、そして、今もその被害が続いていることにはいっさいふれていません。
事故はまだ終わっていません。多くの方々が過酷な収束作業にあたっていますが、大量の汚染水はもれ続けており、タンクの数が追いつかず逼迫した状況にあります。対策として登場した「凍土壁」は、経産省の密室の会議の中で、きわめて不透明なプロセスで選定された上、未だにその効果を発揮していません。本来であれば、規制をすべき立場の原子力規制委員会が、汚染水の放出をせかしている状況です。
福島県からだけでもいまだに10万人近くの人々が故郷から離れ、避難生活を送っています。その多くが、「帰還しない」「帰還か移住か決められない」としています。それなのに、政府は、遅くとも来年の3月までには、帰還困難区域を除く避難区域を解除し、自主的避難者の住宅支援を打ち切る予定です。すなわち、統計上からも「避難者」をどんどん減らし、被害を小さくみせ、形だけの復興を演出しているのです。福島県県民健康調査で甲状腺がんまたは疑いと診断された子どもたちは、現在、166人にのぼっています。
世界の首脳たちが目を向けるべきは、このような現実、いまも続く人々の苦しみです。福島原発事故の被害の大きさをふまえ、核なき世界に向け、再生可能エネルギーの促進や省エネ型の社会、大量エネルギー消費社会からの脱却をこそめざすべきでしょう。

311シンポジウム 福島を忘れない


満田夏花

3・11に、参議院議員会館にて、以下のシンポジウムを開催します。
この5年、ともに悩み、考え、たたかったみなさまとともに、3・11を振り返り、新たな一歩を踏み出したいと思いす。
ぜひご参加ください。

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311シンポジウム 福島を忘れない

~福島第一原発事故から5年、チェルノブイリ原発事故から30年~
http://www.foejapan.org/energy/evt/160311.html
フェイスブック・ページ(ぜひ、お友達をお誘いください)
https://www.facebook.com/events/532428603584808/
ちらし
http://www.foejapan.org/energy/evt/pdf/flyer_160311.pdf
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□日時:2016年3月11日(金)14:00~17::30 開場13:30
※13:30から参議院議員会館ロビーにて、入館証を配布します。
□会場:参議院議員会館 講堂
※最寄り駅;東京メトロ 永田町駅(徒歩1分)、国会議事堂駅(徒歩5分)

□プログラム(予定)

<第1部>福島
○基調講演:福島原発事故から5年…長谷川健一さん(飯館村・元酪農家)
○避難者はいま…宇野朗子さん(「避難の権利」を求める全国避難者の会)
○福島の母親たちが直面していること…福島のお母さんが参加します

<第2部>チェルノブイリ
○保養から見えてくること…佐々木真理さん(チェルノブイリ子ども基金)
○福島とチェルノブイリの比較…吉田由布子さん(「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク
○ベラルーシでみた「希望」と「かけはし」… 深草亜悠美(FoE Japan)
○ドイツからの報告…フーベルト・ヴァイガーさん(FoEドイツ代表)

<第3部>今、必要なこと
帰還政策/健康影響/保養/原発フリーの電力会社を選ぼう…FoE Japanより
コメント:メアリー・オルソンさん(生物学者。 米国・原子力情報サービス(NIRS)所属)、
核なき世界へ~脱原発と核不拡散
川崎哲さん(ピースボート)、スティーヴン・リーパーさん(平和活動家)
□参加費:500円 (学生・FoEサポーターは無料)
□主催:FoE Japan
□協力:
「さようなら原発1000万人アクション」実行委員会、eシフト(脱原発とエネルギーシフトを実現する会)、チェルノブイリ子ども基金、ピースボート、「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク、「避難の権利」を求める全国避難者の会、原発事故被害者団体連絡会

 

日印原子力協定「大筋合意」報道を受けて


満田夏花

本日は、官邸前にて、日印原子力協定締結反対、武器輸出反対の抗議の声がとどろきました。インドともスカイプで結び4名の方に力強いアピールをいただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。な、なんと武器や原発を売り歩く安倍首相も登場!?
原子力協定締結協定にはいたりませんでしたが、原子力協定締結に向けてのMoU(覚書)が締結された模様です。
武器輸出に関しては、「防衛装備移転に関する協定」が締結されたようです。これを受け、FoE Japanでは緊急声明を発表しました。広めていただければ幸いです。

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【緊急声明】日印原子力協定「大筋合意」(覚書MoU締結)報道を受けて
~世界の核不拡散体制をゆるがし、福島原発事故の痛みを忘れた
無責任な原子力協力は許されない~
FoE Japan

本日、12月12日に開催された日印首脳会議において、原子力協定が「大筋合意」され 、原子力協定に関する覚書(MoU)が締結されたと報道されています。
事前報道によれば、「使用済み核燃料を核兵器に転用しないという確約にめどがだった」(NHK )、「インドが核実験を実施した場合、日本が協力を停止す

る規定を盛り込む」(産経新聞 )などとされていますが、MoUの詳細は現時点では明らかになっていません。
いずれにせよ、協定が締結に至れば、はじめてのNPT(核不拡散条約)非加盟国との原子力協定となり、日本が守ってきた核廃絶の国是を大きく損なうことには変わりありません。被爆国である日本が、NPTやCTBT(包括的核実験禁止条約)を批准せず、核兵器を所有するインドの立場を認めたことにはほかならず、国際的な核廃絶の努力に大きな悪影響をもたらすことになります。

もし、日本がインドに対して、日本が協力する原発の使用済み核燃料の再処理を認めるとすれば、原子力協定としてははじめてのことになります。たとえ「軍事転用をしない」という約束をとりつけたとしても、インドがプルトニウムを取り出すという事実には変わりなく、今までの原子力協定の一線を大きく踏み越えるものです。世界にとっては大きな脅威になります。
パキスタンとの軍拡競争を繰り返しているインドに対して原子力協力を行うことは、南アジアの安定を大きく損なうものです。
インドはIAEAの追加議定書を批准していますが、民生利用と軍事利用の核施設を分け、 前者のみをIAEAの査察対象としており、原子力の軍事利用に歯止めをかけられる保証とはなりません。
なによりも、福島原発事故を起こし、多くの被害者が苦しんでいるさなかに、斜陽ビジネスである原子力産業を救済するために他国に原発を輸出し、他国の住民を危険にさらす非倫理性は到底看過できるものではありません。
現在インドでは22 の原発が稼動していますが、多くの原発立地で市民による命がけの反原発抗議が展開されています。クダンクラムやジャイタプールなどでは建設に反対する住民の非暴力行動を、警察が暴力的に鎮圧し、死者やけが人もでています。
広大な国土を有し、送電ロスが大きく、分散型の再生可能エネルギーの潜在能力が高いインドにおいて、大資本による原子力の推進は、住民にリスクを押し付け、地域の活力を奪うことになりかねません。
私たちは、一部の企業の目先の利益追求のための、中央集権的で危険な原発輸出と武器輸出を進めることは、両国の社会および国際社会に大きな悪影響をもたらすものとして強く抗議します。
軍事や原子力ではなく、環境的に持続可能な社会の実現のための協力に転換することを求めます。

国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
http://www.foejapan.org/

福島県の子どもたちの甲状腺がん:破綻した「過剰診断」論


満田夏花

8月31日の「福島県県民健康調査委員会」で公開された資料の内容および当日の審議内容をもとにまとめました。
深刻な状況なのに受診率も下がっています(1巡目検査の受診率は81.7%であったのに比して、2巡目の検査の受診率は激減し、44.7%)。
もはや「事故との因果関係」を否定することに固執するのはやめ、政治的な思惑抜きに、手術後の症例などもふまえてきちんと議論するべき局面です。
また、「リスコミ」という放射線安全神話のプロパガンダではなく、被ばく低減、健診の拡充にこそ予算を投じるべきでしょう。
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ファクトシート:福島県の子どもたちの甲状腺がん
「悪性または疑い」137人に
http://www.foejapan.org/energy/news/150904.html
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2巡目25人、うち前回「問題なし」23人

8月31日、福島県県民健康調査委員会で、福島県の子どもたちの甲状腺がんの最新の状況が明らかになりました。
それによれば、甲状腺がんの悪性または疑いと診断された子どもたちの数は、合計137人。2014年から始まった2巡目検査で甲状腺がんまたは疑いとされた子どもたちは25人。この中には、1巡目の検査で、問題なしとされた子どもたち23人が含まれています。
「疑い」とは、ここでは、細胞診において「甲状腺がん」と診断された人のことです。「確定」とは手術後に摘出した組織などを調べて診断した結果です。
国立がんセンターの統計データでは、甲状腺がんは10代後半で10万人に約0.9人とされています。現在、福島の子どもたちの甲状腺がんの率がそれをはるかに上回ることについては、「スクリーニング効果」、すなわち一斉に甲状腺エコー検査を行うことにより、通常よりも前倒しで発見されたことによるものと説明されてきました。しかし、すべてを「スクリーニング効果」とする根拠が不十分である上、2巡目の検査で前回問題なしとされた23人については、説明できません。
多いリンパ節転移や甲状腺外浸潤
破綻した「過剰診断」説

政府は、2巡目で甲状腺がんが見出されて以降も、「事故との因果関係は考えにくい」とし、一部の専門家たちが唱えている「過剰診断論」を盾にして新たな対策を取ろうとしません。

「過剰診断」とは、ここでは「生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりしないようながんの診断」をさしています。すなわち、大したがんでもないのに、「甲状腺がん」と診断し、手術を行うことをさしています。
しかし、8月31日、手術を受けた子どもたち99人の症例について、福島県立医大(当時)の鈴木眞一教授によるペーパーが公開され、リンパ節転移が72例にのぼること、リンパ節転移、甲状腺外浸潤、遠隔転移などのいずれかに該当する症例が92%にのぼることが明らかになりました。県民健康調査委員会の清水一雄委員も「医大の手術は適切に選択されている」と述べています。すでにこの「過剰診断論」は破綻しているのです。

資料はこちらから>https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/129308.pdf

鈴木眞一教授は、ずっと甲状腺がん検査の責任者でしたが、以前より、「過剰診断」という批判に対して、手術を受けた患者は「臨床的に明らかに声がかすれる人、リンパ節転移などがほとんど」として、「放置できるものではない」としていました。

1巡目と2巡目の比較
福島県立医大は、2011年10月から2014年4月まで行われた1巡目の検査を「先行検査」とし、事故前の状況の把握と位置づけています。また、2014年4月からはじまった2巡目検査を「本格検査」として事故後の状況の把握としています。この両者を比較してみましょう。

1巡目調査

2巡目調査

* 対象:平成23年3月11日時点で、概ね0歳から18歳までの福島県民。 367,685人。
* 受診者300,476 人(81.7%)
* 悪性ないし悪性疑い113人
* 男性:女性38人:75人
* 平均年齢17.3±2.7歳(8-22歳)、震災当時14.8±2.6歳(6-18歳)
* 平均腫瘍径14.2±7.8㎜(5.1-45.0 ㎜)

細胞診等で悪性ないし悪性疑いであった113人の年齢、性分布(検査時の年齢)

* 対象:先行検査における対象者に加え、事故後、2012年4月1日までに生まれた福島県民にまで拡大。 378,778 人、
* 受診者169,455人 (44.7%)
平成26年度実施対象市町村において
* 悪性ないし悪性疑い25人
* 男性:女性11人:14人
* 平均年齢17.0±3.2歳(10-22歳)、震災当時13.2±3.2歳(6-18歳)
* 平均腫瘍径9.4±3.4㎜(5.3-17.4㎜)
細胞診等で悪性ないし悪性疑いであった25人の年齢、性分布(検査時の年齢)
<第20回福島県県民健康調査委員会(2015年8月31日)資料をもとに作成>
受診率の低下~リスコミという名の不安対策の弊害

心配されるのは受診率の低下です。1巡目検査の受診率は81.7%であったのに比して、2巡目の検査の受診率は激減し、44.7%です。
ただでさえ、被ばくによる健康リスクについて考えたくない心理がある上に、政府の「被ばくは大したことはない」「不安に思うことのほうが健康に悪い」といった放射線安全キャンペーンが効を奏していると考えられます。
政府は、リスク・コミュニケーションといった不安対策に巨額の予算を投じるのではなく、個々の症例についての分析と、県外への健診の拡大、甲状腺がんのみならず、甲状腺の機能低下やその他の疾病も見据えた総合的な健診のあり方を真剣に検討すべきでしょう。

子ども・被災者支援法の基本方針改定が閣議決定


満田夏花

本日、原発事故子ども・被災者支援法の基本方針の改定が閣議決定されました。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m15/08/20150825144311.html
2015年7月10日から8月8日まで行われた一般からの意見応募では、1,500件のコメントがよせられました。
このパブコメの内容や対応が公開されないままの閣議決定となりました。
(閣議決定後、パブコメ内容・対応が公開されました⇒
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20150825093158.html)
~パブコメ出された方は、どう扱われているか、ご確認ください。

今回の基本方針は、線量が低減したとして、「避難指示区域以外から新たに避難する状況にはない(※)」「支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当となると考えられる(当面は維持)」「(空間線量等からは」支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当」「当面、放射線量の低減にかかわらず、支援対象地域の縮小又は撤廃はしないこととする」した上で、福島県による自主的避難者への無償住宅提供の打ち切り方針を追認しています。

※もともと復興庁が示した基本方針案では、「避難する状況にはない」とされていました。轟々たる批判をうけて、「新たに」と付け加えたものと思われますが、避難者の選択する権利を奪うという本質的な問題は変わっていません。

この閣議決定に関しまして、FoE Japanでは、基本方針の問題点をやや詳細に解説する内容の声明を出しました。以下からご覧ください。

【声明】 原発事故子ども・被災者支援法 基本方針改定の閣議決定を受けて:避難者切捨ての方針で、法の理念に反する
http://www.foejapan.org/energy/news/150825.html

また、被災当事者団体や支援団体などで構成する、「原発事故被害者の救済を求める全国運動」でも、一連の帰還政策や被害矮小化と一体化した、この基本方針改定の本質をつく声明を出しました。こちらもぜひご一読ください。

【緊急声明】被災者切り捨ては、この国の未来の切り捨て。支援法の立法趣旨・基本理念からさらに大きく逸脱した支援法改定基本方針の閣議決定に抗議し、撤回を求めます。
http://act48.jp/index.php/2-uncategorized/30-2015-08-25-07-58-18.html

FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986

「避難者切捨てはゆるさない」みんなの声をパブコメに!


満田夏花

8/8までパブコメにかけられている「子ども・被災者支援法」の基本方針改定案の見直しについて、先般の政府交渉も踏まえ、パブコメのポイントをまとめました。
自主的避難者の避難の合理性を否定する、ひどい内容で、今後のADRの行方にも関係するかもしれません。
ひとことでもよいので、ぜひ、パブコメを出しましょう!また、拡散にご協力ください。

ウェブには図表もたくさん入れましたので、拡散の際には、下記のURLとともにお願いします<(_ _)>
http://www.foejapan.org/energy/action/150801.html

7月10日、復興庁は、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」を発表しました。本案は、2015年8月8日17時までパブリック・コメントにかけられています。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295150710&Mode=0
今回の改定案は、線量が低減したとして、「避難指示区域以外から避難する状況にはない」「(空間線量等からは」支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当」「当面、放射線量の低減にかかわらず、支援対象地域の縮小又は撤廃はしないこととする」した上で、福島県による自主的避難者への無償住宅提供の打ち切り方針を追認しています。

しかし、その根拠は不明な点が多い上、このような改定は、「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」「避難・居住・帰還という被災者の選択を国が支援する」「健康被害の未然防止」「一定の線量以上の地域を支援対象地域とする」「被災者の意見を基本方針に反映させる」といった「子ども・被災者支援法」の基本的な理念や規定を無視し、避難者を切り捨てるものです。
ぜひ、みなさまの意見をパブコメとして提出してください。パブコメのポイントをまとめました。

意見の提出方法
1)インターネットで(下記のページからフォームで送信できます)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295150710&Mode=0
2)電子メールにて…メールアドレス:g.fukko@cas.go.jp 復興庁 法制班 宛
3) FAXにて…FAX番号:03-5545-0525  復興庁 法制班 宛
4)郵送の場合  宛先:〒107-0052 東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル6階 復興庁 法制班 宛

ファックスまたは郵送で送付する場合の用紙は、以下からダウンロードしてください。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/s29515071003.pdf

<パブコメのポイント>
「避難する状況にない」という決め付けは、被災者の「選択」を国が支援するとしている、「子ども・被災者支援法」の理念に反している。

「子ども・被災者支援法」では以下のように規定しています。
被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない(第二条第二項)

「避難する状況にない」という決め付けは、根拠がない上、被災者の選択を国が支援する同法の規定に反しています。削除するべきです。

復興庁は「線量が低減した」としているが、線量は十分低減しているわけではなく、いまだに広範囲で汚染が広がっている。

復興庁は2011年時点の実効線量(推計)と、2014年秋の実効線量(推計)を比較して、「線量が低減した」としていますが、「線量が十分低減した」かについては、何も言っていません。
避難区域以外の地域でも年間1mSv以上の地域が多く広がり、5mSv以上に達する場所も少なからずあり。線量が十分低減しているという状況ではありません。
福島県の広い範囲にわたって、「放射線管理区域」相当の場所(4万ベクレル/m2以上)が存在していることを踏まえれば、「避難する状況にはない」とは言えない。

たとえば、「南相馬避難勧奨地域の会」および元京都大学大学院工学研究科の河野益近氏が磐越自動車道のSAやPAでの土壌汚染状況を調査したところ、広い範囲で、40,000Bq/m2を超えており、放射線管理区域で10時間以上の滞在や居住を禁じられている地域の値を示していることが明らかになりました(右図)。このことからも、避難区域以外の場所でも、避難する理由があるといえます。
復興庁が「線量が低減した」として示している実効線量の推定値には疑問が多く、被ばくの過小評価にもつながる

空線量率から実効線量を導くために復興庁が用いている計算式は、室内が室外の0.4、室内16時間、室外8時間に0.85を乗じていますが、たとえば南相馬市の旧特定避難勧奨地点において行われた測定では、屋内の線量は、屋外の線量の0.4~1.4倍となっており、場合によっては室内の線量が室外よりも高くなっている家屋もあります。
このような計算式は、屋内の線量が屋外の線量に近づいている実態に即していません。
また、そもそも実効線量という実際には計測不可能な曖昧な指標を使い、個人で差異がある値を地図上に落とすこと自体に問題があります。

支援法が定める「一定の線量」が示されていない。「一定の線量」を、多くの被災当事者や支援者たちの意見に従い、「年1ミリシーベルト」するべきである。

支援対象地域は、政府指示の避難区域の外であっても、国が支援を行うべき地域として、以下のように定義されています。

「その地域における放射線量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である地域」(法8条)

多くの被災当事者および支援者が、「福島県および少なくとも年間1mSv以上の地域」を支援対象地域とすることを主張してきました。
それにもかかわらず、復興庁は、2013年の基本方針の策定時に、「一定の線量」を定めず、「相当の線量」と言い換え、支援対象地域を「福島県の中通り・浜通り」と非常に狭く設定しました。
今回の見直しでは、国際勧告や国内の法令に基づく公衆の被ばく限度が年1mSvであることに鑑み、子ども・被災者支援法の理念にのっとって、「一定の線量」を年1mSvとし、福島県全域および汚染状況重点調査地域を支援対象地域とすべきです。

個人線量計の値、しかも平均値を、「帰還できる」という根拠に使うことはできない。

復興庁は、個人被ばく線量の測定値を持ち出し、「支援対象地域内での実施12市町村の直近の各平均は、既に年間1ミリシーベルト以下」としています。
一方、個人被ばく線量の最大値は、二本松市で最大5.22mSv/年、須賀川市で最大1.86mSv/年となっており、決して低くはありません。
いわき市、福島市、伊達市などでは最大値が公開されていません。

・個人被ばく線量計は、避難や帰還、除染といった「場の線量」の管理に使うべきではありません。「場の線量」の管理には、空間線量率や土壌汚染などの指標を使うべきです。
・個人被ばく線量を用いる場合であっても、個人の生活パターンは差が大きいため、「平均値」を政策のめやすにすべきではなく、「最大値」を目安とすべきです。
・全方向からの照射を考慮すると、ガラスバッチは後ろからの照射が体が遮蔽してしまうため、4割程度低くめの数値を表します。

原子力規制庁が、復興庁の求めに応じるかたちで、今年6月25日付けで出した文書は、事実にも、「子ども・被災者支援法」にも、原子力規制委員会が過去に出した文書にも反する。原子力規制委員会は本文書を撤回すべきである。

原子力規制庁が、復興庁の求めに応じるかたちで、今年6月25日付けで、「避難指示準備区域は年20mSvを大きく下回る。支援対象地域は、避難指示準備区域よりも当然にして線量が低い。よって、避難する必要がない」という趣旨の文書を発出しました。
http://www.foejapan.org/energy/evt/pdf/150729_kiseicho_kenkai150625.pdf
しかし、これは事実にも、「子ども・被災者支援法」にも、また原子力規制委員会が過去に作成した文書にも反します。
1) そもそも「子ども・被災者支援法」の中で、「支援対象地域」は、「年20ミリシーベルトには達していないが、一定の線量以上の地域」と定義されています。復興庁、原子力規制庁は、この「一定の線量」を示さず、年20ミリシーベルトを下回っていることをもって避難の必要がないとしていますが、これは、自主的避難者に対しても、国が責任を持って適切な支援を行うとした子ども・被災者支援法の趣旨に反します。
2) 原子力規制委員会の平成 25年11月 20日付文書「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」では、「国は、帰還の選択をするか否かに関わらず、個人の選択を尊重し なければならない」「避難指示区域外に居住する住民や自主的に避難している住民も、避難指示に基づいて避難している住民と同様に(中略)対応を講じることが必要である」としています。6月25日付の原子力規制庁の文書は、当該文書と矛盾しています。
3) 原子力規制庁文書は、外部有識者の意見も経ず、市民が要請するまでは非開示ででした。「事務連絡」の扱いの文書です。パブリック・レビューを経たものではありません。このような文書を根拠に「避難する状況にない」などということは適切ではありません。

ICRP(国際放射線防護委員会)勧告について、意図的ともとれるねじ曲げをしている。正しい引用を行うべきである。

ICRPの「参考レベル」について「長期的な目標として、年間1~20ミリシ ーベルトの線量域の下方部分から選択すべきであるとしている。」としていますが、ICRP勧告にはこのような記載はありません。

ICRPの勧告では、長期目標はあくまでも「“被ばくを通常と考えられるレベルに近いかあるいは同等のレベルまで引き下げること”(ICRP, 2007,288 項)」と
しており、参考レベルの代表的な値を年1ミリシーベルトとしています(ICRP,publication 111)。

汚染地域内に居住する人々の防護の最適化のための参考レベルは,このカテゴリーの被ばく状況の管理のためにPublication 103(ICRP, 2007)で勧告された1~20 mSv のバンドの下方部分から選択すべきである。過去の経験は,長期の事故後の状況における最適化プロセスを拘束するために用いられる代表的な値は1 mSv/年であることを示している。

意図的ともとれる引用のねじまげは、やめるべきです。

国の責任において、避難者への住宅支援を継続すべきである

改定案では、福島県が、避難指示区域以外からの避難者に対する応急仮設住宅の供与期間を「平成29年3月末まで」としていることを記述し、「空間放射線量が大幅に低減していること等とも整合的」としています。一方で、国としての施策については触れていません。

前述の通り、避難指示区域外にも年間1mSv以上の汚染が広がり、放射線管理区域レベルの汚染を示している場所も少なくないこと、多くの人たちが避難の継続を希望しており、避難先での生活再建のために、住宅支援は必要であることを考えれば、国の責任において、避難指示区域外からの避難者への住宅支援の継続を行うべきです。

法第13条第2項第3項を実現し、福島県外でも健診や医療費の減免を行うべき

福島県による調査で、甲状腺がん悪性と診断された子どもは、悪性疑いも含め126人となっています(うち確定が103人)。その多くが、リンパ節転移や浸潤などを伴っています。昨年4月にはじまった2回目の検査で、1回目の検査のときに問題なしとされた子どもたちのうち15人が甲状腺がんないし疑いと診断されました。甲状腺がん以外の疾病については、調査が行われておらず、全体像が把握されていません。

改定案では、環境省の「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の中間とりまとめを引用し、「今般の原発事故におる放射線被ばく線量に鑑みて福島県および福島近隣県においてがんの罹患率に統計的有意差をもって変化が検出できる可能性は低いと考えられる」と記載しています。
しかし、5月18日に福島県で開催された福島県健康調査検討委員会の席上で、甲状腺評価部会が「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がん罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多い。」とする中間とりまとめを提出しています。その理由として、「被ばくによる過剰発生か過剰診断(生命予後を脅かしたり、症状をもたらしてりしないようながんの診断)が考えられる」としています。
専門家会議の「中間とりまとめ」の時点とは、すでに状況が変わっています。
甲状腺がんの多発が確認された以上、福島県外での健診も実施すべきです。

「子ども・被災者支援法」第13条第2項、第3項では以下のように規定していますが、これを具体化するべきです。

国は、被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずるものとする。この場合において、少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする。(第13条第2項
国は、被災者たる子ども及び妊婦が医療(東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものをいう。)を受けたときに負担すべき費用についてその負担を減免するために必要な施策その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものとする。(第13条第3項)

ベラルーシ報告会:子どもたちの健康管理と保養のあり方


2015年3月30日~4月6日、福島の女性や若者らのグループで、チェルノブイリ原発事故後の子どもたちに対する支援のしくみや避難者の現状などを学ぶため、ベラルーシ・ミンスクを訪問しました。

ベラルーシには、チェルノブイリ原発事故後、放射性物質の70%が降り落ちました。 周辺の地域は強制移住となり、現在も心臓病や甲状腺の病気、白血病、子どもたちの糖尿病などが多発しています。国民への情報提供が限られていたり、すでに政府は原発事故からの「復興と再生」ステージにあるとしていたり、数多くの悩ましい側面を目の当たりにしました。

一方、健康診断や子どもたちの保養の制度(すべての子どもたちが3週間保養)など今の日本が学ぶべき政策もあります。現地で見聞きした日本への示唆を報告します。

◇日 時: 2015年7月11日(土) 14:00~16:30
◇会 場: 豊島区生活産業プラザ (池袋駅から徒歩5分)
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-P2EC6Xf7O2c/

◇報告者: 人見やよい、宇野朗子、八島千尋、吉田明子

◇参加費:  500円
◇主 催: 国際環境NGO FoE Japan

◇申込み: http://www.foejapan.org/energy/evt/150711.html
◇問合せ : FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986 Mail:info@foejapan.org

※みなさまの温かいご支援により、訪問を実現することができました。あらためて感謝申し上げます。

福島の原発事故避難者の住宅支援の継続を求めています


ピースボート

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2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以来、ピースボートは原発災害被害者を支援するための運動をさまざまな市民団体と協力して行っています。今も原発事故が収束しない中、原発災害被害者はとても厳しい状況に置かれ続けています。

そのような中、福島県が自主的避難者の住宅支援を2017年3月末で打ち切ることを検討していると の報道がありました。この報道に接し、市民団体「沈黙のアピール」と国際環境NGO「FoE Japan」が共同で福島市、福島県に対して原発事故避難者の住宅支援の継続を求める要請行動を6月10日に行い、ピースボートも賛同団体として加わりま した。

現在、住宅支援の継続を求める署名を6月末まで集めています。住宅支援を打ち切られることにより、支援を必要とする多くの避難者が生活の再建を諦めざるを 得ない状況に追いやられます。ぜひ、以下より署名のご協力をお願いします。(原発事故子ども・被災者支援法3周年シンポジウムが、6月21日13時30分 から上智大学12号館502号室で開催されます)

「住宅支援の継続を求める署名」はこちらをご覧下さい